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商品撮影 プロのテクニック
第2回 カメラの基本操作をマスターする

2004年05月31日
 最近のデジカメは、ピントや露出など、ほとんどの操作が自動設定です。ただし、自分の思いどおりの写真を撮りたいのなら、必ず覚えておきたいマニュアル操作があります。カメラの説明書を見るとたくさんの機能がありますが、ここでは基本の5つをマスターしましょう。

内蔵ストロボを使わない 〜ストロボの発光禁止〜

 今回、この講座では、内蔵のストロボは使用しません。はじめにカメラ設定で覚えていただきたいのは、ストロボの発光禁止です。
 写真(1-1)は、無造作に白い紙の上において、内蔵ストロボが自動発光したもの。すべてをカメラ任せにした悪い見本です。内蔵ストロボを直接被写体に当ててしまうと、どうしてもテカったり、影がきつくなったりして、いかにも素人くさい感じですね。
 写真(1-2)は、背景紙を使い、ストロボを使わずに三脚で撮影したもの。どちらが良いかは、一目瞭然ですよね? 室内でも、三脚があればブレないので、ストロボを使う必要はありません。
(写真1-1)蛍光灯の明かりの下でストロボが自動発光 (写真1-2)ストロボ発光禁止、三脚使用
(写真1-1)
蛍光灯の明かりの下でストロボが自動発光
(写真1-2)
ストロボ発光禁止、三脚使用

ピントの合わせ方 〜シャッターの半押しを覚える〜

 カメラは液晶の中心にある四角いフレームの中でピントを合わせています。被写体が中心にあれば問題ないのですが、写真(2-1)のように、2つの被写体の間を抜けて、背景にピントが合ってしまうことがあります。こういうときに必要なのが、シャッターの半押しによる「フォーカスロック」です。
 シャッターは、軽く押すと、フォーカスをロック(ピピッと音が鳴ったりライトが点灯)し、さらに強く押すと撮影します。この場合、左側の被写体を中心にしてピントを合わせ、半押しのままもとの構図に戻してシャッターを強く押します(2-2)。
 (2-1)は極端な失敗例ですが、意識的にピントの位置を変えたいケースもあります。写真(2-3)は中心にピントが合い、左上のアクセントとなる結び目がぼけています。写真(2-4)では、結び目にピントを合わせています。こうすると、写真から伝わるものが違ってきませんか? ピントを合わせる位置によって、表情の違う写真が撮れるのです。
(写真2-1)背景にピントが合ってしまった例 (写真2-2)左側のポットにピントを合わせて撮影
(写真2-1)
背景にピントが合ってしまった例
(写真2-2)
左側のポットにピントを合わせて撮影
(写真2-3)ふつうに中心にピントを合わせて撮影 (写真2-4)左上の結び目にピントを合わせてから撮影
(写真2-3)
ふつうに中心にピントを合わせて撮影
(写真2-4)
左上の結び目にピントを合わせてから撮影
シャッターの半押しでフォーカス(ピント)をロック

(1) ピントを合わせたい部分をフォーカスフレームに合わせて半押しする。
(2) 半押しのまま、構図を元に戻してシャッターを押す。

明るさを調整する 〜露出の補正〜

 写真の明るさも、ピントと同じように、画面の中心で自動調節されます。しかし、光の加減や被写体にいろいろな色が混ざっていると、必ずしも思い通りに設定されるとは限りません。そこで活用したいのが露出の補正機能(EV補正)です。
 設定はカメラによって異なるため、方法はマニュアルを参照してください。通常、プラス・マイナス2.0程度の補正ができ、プラスにすると、より明るく、マイナスにすると暗くなります。撮影時に、同じ構図でプラス1、2、マイナス1、2と何枚か押さえておくと失敗がありません。
 下の写真の例は、カメラが調整しにくい黒と透明を含んだ被写体です。この場合はプラス1が、プラスチックの透明感や黒のしまりが生きてきます。撮影後の補正では、どうしても画質が落ちてしまいます。できる限り撮影の際に適切な露出が得られるよう、常に何枚か撮影しておきましょう。

自動露出 プラス1
自動露出 プラス1
プラス2 マイナス1
プラス2 マイナス1
露出補正で適正な露出を探す

自動露出、プラス1、プラス2、マイナス1、マイナス2と何枚か撮影して、適正な露出を選択する。

色合いを調節する 〜ホワイトバランスの調整〜

 カメラは光の反射を撮影しています。しかし同じ光でも、太陽光、蛍光灯、白熱灯では色が全く異なります。フィルムカメラは太陽光を前提としているので、蛍光灯の下で撮ると、グリーンに色合いが変わってしまいます。だからプロのカメラマンは、蛍光灯の下では緑色のフィルターをつけて撮影しています。
 デジカメでこのフィルターにあたるのが、ホワイトバランスです。かんたんに言うと、基準となる白を決めて色合いを調節しているのです。
 この機能もデジカメの場合は自動で、ほとんどの場合そのままでOKです。しかし、被写体によっては、白が赤っぽく見えてしまう、赤の色がどうしても出てくれない、ということが起こります。
 ホワイトバランスの調節は、通常、オート、屋内、屋外、マニュアルと4つ程度のモードがあります。色合いがおかしい場合はマニュアル設定して、その被写体の位置に白い紙などを置いて撮影します。手順はカメラによって異なるので、マニュアルを参照してください。

ズームレンズを上手に使いこなす 〜マイナス側とプラス側の違いを知る〜

 遠くのものを近くに寄せてくれるのがズーム機能です。プラスにすると近づき、マイナスにするとより広い範囲が撮影できます。商品撮影の場合は、被写体の大きさは同じでも、プラス側とマイナス側では、商品の見え方が違います。
 写真(3-1)はプラス側で撮ったもの、(3-2)は、マイナス側で撮ったものです。実物の商品はまっすぐな円柱なので、そのままの形をきっちり見せる(標準カット・第1回参照)のであれば、正解は(3-1)ですね。(3-2)では、形を誤解してしまいます。ECサイトを見ていて意外に多いのが、標準カットがきちんととれていない例です。
 ただし、イメージカットなど、ある部分を強調したい場合には、マイナス側の効果を上手に活用する事もあります。
 このあたりは3回目以降で触れるので、ここではきっちりとモノの形を撮影するときは、プラス側で撮ると覚えてください。

(写真3-1)望遠側(+)で撮影 (写真3-2)広角側(-)で撮影
(写真3-1)
望遠側(+)で撮影
(写真3-2)
広角側(-)で撮影
今回のまとめ 〜カメラ側で操作すること〜
■撮影ミスをしないための操作

・シャッターを半押しして、被写体にピントを合わせる
・露出補正で光の適正な量を探す
・ホワイトバランスの調整をする
・モノの形をきちんと撮る時は、プラス側で撮る

■撮りたい写真を撮るための操作

・意識的にピントの合わせる位置を考える(シャッター半押し)
・望遠側(+)で撮るか、広角側(-)で撮るか、目的・構図と合わせて考える

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中浜正己 (なかはま まさみ)
・Webディレクター/エディター/ライター
・デジタルハリウッド大学院客員教授

コピーライター、PR誌編集者を経てWebディレクターに。編集者時代からスタジオでの撮影ディレクション、取材時の撮影なども手がける。Webディレクターとして大手ECサイトの企画・制作・運用に携わり、商品撮影の業務フローも構築。
売るための商品写真の技術には定評がある。

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