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「勘定あって銭足らず」という諺があります。利益が出ているのになぜか現金が不足しているという、よくある経営の事態をうまく表した言葉だと思います。なぜこういう事態が発生するのでしょうか。具体的な例で考えてみましょう。
会社の売上が1,000あり、最終的に利益が300計上されたとします。しかし、通帳残高を見ると前年末500あったのに、今年末は550と、50しか増えていません。原因を追求したところ、売掛金400のうち得意先が債務超過に陥ったために決済不能となったいわゆる不良債権が200あり、また滞留在庫で売りの見込みがないもの(不良在庫)が50ありました。
不良債権と不良在庫の合計250は会計上利益の一部を構成していますが、現金化できない利益なのです。従って、利益300のうち現金として実ったのは50だけだったことになります。
利益が出てもキャッシュ(現金)が増えない原因は次の4点です。
1. |
売掛金の増加 いくら売上を上げても入金がなければキャッシュは増えません。 |
2. |
在庫の増加 仕入れが増えてキャッシュが減少している場合でも、売れ残っている在庫があると、それは利益としてカウントされます。 |
3. |
借入金の返済 借入金の返済は経費にならないため、利益は減少しませんが、キャッシュは減少します。 |
4. |
設備投資 設備等の資産は在庫と同様に経費にはなりません。減価償却することにより数年かけて経費化していくことになります。 |
キャッシュフローを改善する策には次のようなものがあります。
1. |
粗利益率のアップ |
2. |
売掛金の圧縮 |
3. |
支払サイトの見直し |
4. |
在庫の圧縮 |
5. |
遊休資産の処分 |
会社設立時に、株式払込保管証明の発行の件で銀行に相談に行ったら断られた経験をお持ちの方も多いと思います。この段階で、資本金を預かるのにも慎重なのだからすぐにお金を借りるのは至難のワザとあきらめる方も多いと思いますが、つきあい方次第では会社の力強い味方になってくれるハズです。
銀行が、新規の相手と取引を開始する場合は帝国データバンクや商工リサーチ等の信用調査会社の会社評点をチェックします。こちらから調査会社へ積極的に決算報告をする必要はありませんが、取引銀行の求めに応じ月次試算表や決算書をタイムリーに提出する必要があります。
「決算書の数字を操作すれば何とかなる」と考える経営者もいるかもしれませんが、過去の数値を時系列に分析すればすぐに粉飾決算は見破られます。継続的に付き合うのであれば、架空の話や数字をでっち上げないことです。
設立当初は保証協会の保証をつけてもらうのも難しいため、銀行も特別なことがない限り融資をしてくれません。そんなとき頼りになるのが公的融資です。設立間もない会社(2〜3か月目)でも「信頼できる事業計画書」と「代表者以外の連帯保証人」を前提に融資してくれます。
よく銀行は「晴れた日にしか傘を貸さない」といわれますが、経営がドシャ降りの時は決算書も提出しにくいですし、連帯保証人にもお願いしづらいと思います。その点からも融資を受けるには、比較的余裕があるときの方が好ましいといえます。
新規の取引については銀行も慎重になるので、その銀行と取引のある会社に話を通してもらった方がよいでしょう。いくら個人預金の取引が長くても、家計の電気代の引き落とし口座を持っていた、という程度では相手にしてくれません。 |