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成功する!事業計画書のツボ
第6回 計画の実効性を高める5つのポイント
成功する!事業計画書のツボ
2004年04月19日
“絵に描いた餅”で終わらせないために
 今回はこの連載の最終回となりますが、ここで少し視点を変えて事業計画書を考えてみたいと思います。
 まず、はっきりさせておきたいのは、「事業計画を策定することがゴールではない」ということです。意外と多いのは計画書の策定自体が目的となってしまい、出来上がった段階で安心し、肝心な計画書の活用がなされないケースです。事業計画書は企業の「存続や発展」に役立ててこそ、意味があることを忘れてはなりません。
 では、計画書の実効性を高めるためにどういった点に注意すべきでしょうか。

[1] 経営者自らが作る

 これは当たり前のことかもしれません。しかし、筆者のもとにも事業計画書の策定の依頼があります。わからない部分のアドバイスならお引き受けしてもよいのですが、丸投げの「計画書作成代行」ならお断りしています。なぜなら、将来の成長シナリオを経営者自身が描くことができないなら、他人が作った計画書を実行しても、おそらく実効性は確保できないからです。
 社長自身が頭を悩ませながら、自分の言葉で創り上げていくことが重要です。最初から完璧な計画書はできないものです。しかし、そのプロセスを通して完成度も高まってくるはずですし、何よりも計画書に血肉が通ってくるものです。

[2] 第三者に見せる

  経営者自身が事業計画書を策定する場合、注意すべきことのひとつに、内容が独りよがりになってしまうことが挙げられます。第三者的な視点が盛り込まれず、手前味噌の切り口になってしまいがちなのです。
 そこでおすすめしたいのが、計画書が完成した段階で信頼できる第三者に見せ、客観的なアドバイスを受けることです。それを修正ポイントにすることで、より完成度の高い事業計画書になっていくはずです。
 その際、見せる相手としては、自社の内容を把握している顧問税理士や経営コンサルタント、また親しい間柄の社長仲間でもよいでしょう。信頼のおける第三者であれば、何らかのアドバイスは期待できるはずです。

[3] 共有化する

 苦労して策定した計画書ですが、経営者が後生大事に抱え込んでいても意味がありません。完成した事業計画書は広く従業員に周知させることが必要です。計画書には、自社がこれからどこを目指し、どういうふうに進んでいくのかが示されているはずです。これをビジョンとも呼びますが、このビジョンが明確になると現状とのギャップが見えてきます。それによって、従業員に共通の認識や問題意識が生まれてくるのが理想です。
 全員が共通の目的に向かって貢献意欲を持って取り組むと、組織は大きな力を発揮できます。まさに企業経営の醍醐味と言えましょう。

[4] 必ず実行する

 これも当然のことと言えますが、意外と実行できていないものです。
 例えば新規事業に関する事業計画を策定しても、一向に実行に移せないということがあります。これは経営者にやる気がないというより、日常の業務に忙殺されてしまい、新規事業に着手する時間的・能力的な余裕をなくしてしまっていることが原因です。よって重要なことは、計画で定めたアクションプランの優先順位を上げることです。
 経営は「仮説と検証」の繰り返しとも言われます。せっかく立てた計画(仮説)も、実際に行動に移してこそ、初めて検証を行うことができます。このことを肝に銘じて取り組むようにして下さい。

[5] 修正を図る

 どんなに慎重かつ綿密に計画を策定しても、残念ながらその通りにことは運ばないと言ってよいでしょう。経営環境は絶えず変化しているため、完璧な予想などあり得ないからです。
 重要なことは、実行の段階で軌道修正を行うことです。当初の業績予想とのギャップや与件の変化を考慮して、実態に即して計画内容に部分的な修正を加えていきます。これを「ローリング・プラン」とも呼びます。
 経営の最も基本的な技法に「マネジメント・サイクル」があります。PLAN(計画)→DO(実行)→SEE(評価・見直し)という3つの機能を繰り返し実践することで、経営はより確実性を増すことを忘れてはなりません。
 最後になりますが、経営環境が不透明な今こそ、現状維持でない新たな取り組みが必要です。事業計画書はそのための不可欠なツールであることを忘れないで下さい。
 これまで6 回にわたりお読みいただきありがとうございました。読者の皆さまのチャレンジと成功を心よりお祈りします。
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坂本篤彦 (さかもと あつひこ)
・中小企業診断士
・ビジネス・コア・コンサルティング代表

ベンチャーの創業や事業展開支援など、実践型のコンサルティングに定評がある。年に数百回行なわれるセミナー・講演会にはリピーターも多い。著作物に『21世紀の「サービス業」はこう変わる』(経営情報出版社/共著)、『販路開拓成功マニュアル』(東京商工会議所 ベンチャー支援センター)など。

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