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成功する!事業計画書のツボ
第4回 マーケティングで売れる仕組み作り
成功する!事業計画書のツボ
2004年03月29日
標的市場(顧客ターゲット)の明確化
 前回は自社のドメイン(事業領域)の明確化について述べました。今回は、もう少し具体的に事業計画を詰めていきましょう。

 ここで大切なのは「自社が定める顧客とは誰か」ということです。これを標的市場(顧客ターゲット)の明確化といいます。これは事業計画の重要なポイントとなりますが、それはなぜでしょうか。

 一言でいえば、20世紀で“モノ不足”はほとんど解消され、現在は“モノ余り”の時代に入ったことが深く関係しています。
 モノ不足の時代であれば、企業は大量生産・大量販売をベースにして、市場にモノを送り出せば自然と売れる時代でした。ところが需要と供給のバランスが逆転した今日では、消費者やユーザーのニーズは非常に高度化・多様化しています。
 よって自社がターゲットとする顧客をよほど意識しないと、肝心な製品・サービスはそっぽを向かれてしまいます。したがって、顧客ターゲットが漠然としたまま事業を行うことは絶対に避けねばなりません。

市場の細分化 では、どのように顧客ターゲットを設定すればよいのでしょうか。それにはまず、市場を細分化する基準が必要です。
 それらの基準としては、例えば、[1]年齢、性別、職業、所得などの人口統計的基準、[2]居住地、地域、気候などの地理的基準、[3]消費者の価値観やライフスタイルなどの心理的基準、[4]製品・サービスに対する知識、態度、使用の程度などを示す行動変数的な基準、などが考えられます。
 そして、扱おうとする製品・サービスの特性や、これまでの顧客の特徴などを踏まえ、自社に合った基準を選択すればよいでしょう。
 むろん、基準を設けただけでは意味がありません。その顧客ターゲットのニーズはもちろん、購買時の選択基準や特徴など、顧客像がありありと描けるようにすることが理想です。

競争優位確保のための「4つのP」
 顧客ターゲットを定めたら、次は競合他社に打ち勝つように優位な展開をしたいものです。その際にまず必要なことは「マーケティング」に関する戦略をしっかりと打ち立てることです。
 ところで、マーケティングとは何でしょうか。著名な経営学者P・F・ドラッカーは「マーケティングとはセリング(販売)を不要にすることである」と指摘しています。すなわち、営業マンが強引な販売をしなくても、自然と商品が売れるようになることであり、いわば「売れる仕組み作り」です。そして、それを実現する1つの考え方が、マーケティング・ミックスというわけです。

 マーケティング・ミックスの要素(4Pとも呼ばれます)は、次の通りです。
製品・サービス(Product) : 価値、品質、便益、デザイン、ブランドなど
流通・場所(Place) : 販売経路、店舗、立地など
価格(Price) : 価格の設定、割引きなど
販売促進(Promotion) : 広告・宣伝、パブリシティ、展示会、クチコミなど
 この4つの要素の組み合わせをマーケティング・ミックスと呼んでいます。ここで大切なことは、定めた顧客ターゲットとマーケティング・ミックスに一貫性があるかどうかです。

 例えば、ある商品を販売する際に、価格は気にしない高額所得層に向けて、低価格を売り物にしたプロモーション展開をしても、あまり意味がありません。このように、ターゲットに適したマーケティング・ミックスでなければ“絵に描いたモチ”になってしまうので注意して下さい。

 また、ぜひ押さえておきたいのがITの有効活用です。例えば、若い女性向けに地酒の販売を行うのであれば、どのようなことが考えられるでしょうか。

製品・サービス(Product) : 顧客からeメールで受け付けた画像をオリジナルのラベルとして酒びんに付ける
流通・場所(Place) : 店舗販売の他にネット販売を並行し商圏を広げる
価格(Price) : 店舗固定費の削減分を価格割引きに還元させる
販売促進(Promotion) : 愛飲者に定期的にメルマガを配信し地酒ファンを固定化する
 上記の例のような施策により、競合他社と差別化を図る道筋が見えてきます。
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坂本篤彦 (さかもと あつひこ)
・中小企業診断士
・ビジネス・コア・コンサルティング代表

ベンチャーの創業や事業展開支援など、実践型のコンサルティングに定評がある。年に数百回行なわれるセミナー・講演会にはリピーターも多い。著作物に『21世紀の「サービス業」はこう変わる』(経営情報出版社/共著)、『販路開拓成功マニュアル』(東京商工会議所 ベンチャー支援センター)など。

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