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成功する!事業計画書のツボ
第3回 ドメイン(事業領域)を明確化させよう!
成功する!事業計画書のツボ
2004年03月15日
SWOT分析のすすめ
 事業計画書を作成する際、最も重要かつ頭を悩ますのは、自社の経営資源をどのような事業分野で発揮させるか、ということでしょう。すなわちドメイン(事業領域)の明確化です。もっと平たく言うならば「どの土俵で戦うのか、そして、どんな得意技で勝つのか」ということです。この判断を誤ってしまうと、どんなに経営努力をしても徒労に終わってしまいます。そんな時、判断に役立つのが「SWOT分析」です。シンプルですが効果の高い方法と言えます。

SWOT分析 右図がSWOT分析のための表になります。見方は非常に簡単です。上の2つが経営資源、下の2つが経営環境となり、左側は自社にとってプラスの要因、右側はマイナスの要因となります。
 内部の経営資源は強み・弱み、外部の経営環境は機会・脅威と呼びますが、自社にあてはめて思い当たる各要因を記入していきます。ちなみに、この4つの項目の英単語の頭文字を取ると「S・W・O・T」となる訳です。

 では、ここに記入する際の注意点についてお話しましょう。まず外部の経営環境ですが、大きくは下の2つに分けられます。

[1] マクロ環境の要因
政治・経済の動きや社会情勢の変化など、一定のタイムラグを経て、自社の経営に影響が出るような要因です。例えば、規制緩和や法律の改定、人口構成の変化などが考えられます。
[2] 市場環境の要因
もう少し視点を変えて、自社の経営に直接的な影響をおよぼすような要因を指します。例えば、市場の規模や成長性、顧客のニーズ、競合の動向、技術革新などが挙げられます。
 次に内部の経営資源ですが、いわゆるヒト・モノ・カネ・情報といったものを指します。具体的には、製品・サービス、業務プロセス、組織力、従業員の能力、運営ノウハウなどが考えられます。この時、あくまでも客観的な視点で自社内部を見極めていくことが重要です。
オンリーワンの発揮
 表への記入はできたでしょうか。せっかく行った分析ですので、有効に活用したいところです。そのために、まず必要なことは大企業との差別化を図ることです。
 一般に、大企業は経営資源が豊富なので、中小・ベンチャー企業が同じ土俵で勝負すると負けてしまいます。「ナンバーワン」は大企業に任せて、中小・ベンチャー企業は「オンリーワン」を目指すべきでしょう。それには分析の結果を踏まえ、自社の「強み」と「機会」に特化することです。

No.1よりオンリーワン! 強みは技術力・商品開発力・営業力・人材など、これまで社内で培ってきたいわば「得意技」です。また、「機会」は自社にとってのビジネス・チャンス、すなわち「戦う土俵」を示唆するものです。

 例えば、具体的な業種“質屋”を例にとって考えた場合、強みとしては「目利き鑑定力」があるでしょう。ニセ・ブランド品が店に持ち込まれても必ず見抜くことができる、いわゆる「真贋を見抜く」能力のことです。これは他業種からでは一朝一夕に構築できる能力ではありません。

 また、機会としては「若い女性のブランド志向」が考えられます。例えば、海外旅行に行ってブランド品を購入しても、飽きやすい人は、すぐに使わなくなってしまい、質草となり得るブランド品が余っていることが考えられます。これは機会と呼ぶべき要因です。

 よって従来の質屋という業態から、強みと機会を活かした「ブランド・リサイクル・ショップ」という事業領域(ドメイン)が見いだせます。質屋というと不況業種のイメージがありますが、新たな事業展開の道筋が見えてくるはずです。

 このようにSWOT分析をしてみることで、自分の思い込みや周囲の常識とは違うアイディアが浮かんでくることもあります。ぜひ、役立ててください。

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坂本篤彦 (さかもと あつひこ)
・中小企業診断士
・ビジネス・コア・コンサルティング代表

ベンチャーの創業や事業展開支援など、実践型のコンサルティングに定評がある。年に数百回行なわれるセミナー・講演会にはリピーターも多い。著作物に『21世紀の「サービス業」はこう変わる』(経営情報出版社/共著)、『販路開拓成功マニュアル』(東京商工会議所 ベンチャー支援センター)など。

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