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成功する!事業計画書のツボ
第1回 なぜ事業計画書は必要なのか
成功する!事業計画書のツボ
2004年02月16日
「想い」を言葉にする重要性
 経営者や創業希望者の方に「事業計画書にどんなイメージを持ちますか?」という質問をすると、様々な答えが返ってきます。その中で意外と多いのが「事業の構想は自分の頭の中に入っているので必要ない」「作ってもその通りにいかないので作らない」などの否定的な答えです。
 では、本当に事業計画書は作っても仕方がないものなのでしょうか。そこでまず、事業計画書はなぜ必要なのか考えてみましょう。

 ご承知の通り、現在の経営環境は経済・社会の構造的変化を背景に、まさに激変の連続です。そして企業経営とは、この変化する環境にいかに適応して自社を存続・発展させるかに他なりません。その意味では、どんな業種の企業も「環境変化適応業」であると言えましょう。

 ここで企業経営を「航海」に例えてみると、最近の激変する経営環境は「荒れ狂う海」といえます。この荒波に向けて船(自社)をどう進めていくのか、その「座標軸」となるのが事業計画書なのです。座標軸を持たない船は、出港しても途中で難破してしまう可能性が高いでしょう。
 また、船を動かすには多くのクルー(乗り組み員)が必要です。彼らに対し、この船はこれからどこに向かうのかをしっかり言葉で伝え、一致団結させねばなりません。その結果として、船は目的地にたどり着くことができるのです。

 このように、外部の人々の協力を取り付けて組織を動かしていくには、経営者がその事業に対する「想い」を言葉に置き換えて、それを伝える使命があります。もちろん口頭で伝えることも重要ですが、事業計画書という書面の形で残すことで、社内だけでなく外部の人にも影響を与えることができるのです。

事業計画書の3つの目的
では、事業計画書にはどのような目的があるのでしょうか。それは対象別に、次の3つに分けることができます。
[1] 経営者自身の事業構想の整理
まず、経営者が自ら思い描く事業プランについて、現実的に把握することができます。実際に書面に記すことで漠然としていた経営課題が明確になり、実現性や市場性について客観的に把握することができます。また、外部の第三者からアドバイスを受けることも可能です。
[2] 金融機関など外部への説明材料
代表的な例としては、金融機関から事業資金の融資を受ける際に必要になります。特に、新規開業の場合は過去の経営成績を示す資料(決算書等)はありませんから、なおさら重要になります。
[3] 従業員への動機付け
自社が何を目指し、どういう方向へ進んでいくのかを社内に周知徹底させるのは、経営者の重要な役割です。こうして自社のビジョンが明確になると、そこで働く従業員の士気にも良い影響を与えられます。
 むろん、これら以外にも目的はあります。
 例えば事業の開始後では、進捗状況を把握するものさしの役割になります。また、もし業績が低迷するなら立て直しを図る必要がありますが、その際のたたき台にもなります。
 このように事業計画書は、事業を進めていく上での不可欠な「青写真」です。次回からは、この青写真をどのように作るのかを見ていきましょう。
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坂本篤彦 (さかもと あつひこ)
・中小企業診断士
・ビジネス・コア・コンサルティング代表

ベンチャーの創業や事業展開支援など、実践型のコンサルティングに定評がある。年に数百回行なわれるセミナー・講演会にはリピーターも多い。著作物に『21世紀の「サービス業」はこう変わる』(経営情報出版社/共著)、『販路開拓成功マニュアル』(東京商工会議所 ベンチャー支援センター)など。

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