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読んですぐ分かる!カンタン経済教室

第1回 これだけは知っておきたい確定申告の基礎

2004年02月09日
年々増えるばかりの国の債務。
その返済をまかなうのが、私たちの納める税金なのです。
昨年末に発表された税制改正大綱を見ても分かるように今後ますます税の負担は増えていくようです。事業で得た大切なお金を守るためには賢く確定申告することが効果的。
今回は、ぜひ知っておきたい確定申告の基礎を解説します。
消費税含め増税検討、負担増鮮明に税制改正大綱
自民、公明両党は17日、04年度税制改正大綱を決めた。構造的な赤字財政や今後の社会保障費の膨張に備え、05〜06年度に所得税などの定率減税を縮小・廃止し、07年度をめどに消費税を含む税制改正をする方針を明記。近い将来の「大型増税」への道筋を鮮明にした。04年度改正では老年者控除の廃止など高齢者層を中心に、個人向けで総額5000億円の増税をする。
(Asahi.com 2003年12月17日の記事より)
所得税にも「大増税時代」がやってくる
 確定申告書の作成はなにかと面倒で時間がかかるもの。でも、個人事業主にとっては、自分が昨年1年間の頑張りぶりが数字となって表れる、ちょっと楽しみな瞬間でもあるはずです。とはいっても、気になるのが所得税の増税に関する昨今のニュース。

 昨年12月に決定した2004年度の税制改正大綱には、所得税の定率減税や老年者控除、公的年金等控除などの縮小・廃止が盛り込まれています。2004年1月には配偶者特別控除が廃止になるなど、私たちにのしかかる税負担は大きくなるばかりです。

 誰だって納める税金は少なくすませたいもの。これからは、控除や特例を上手に使い、納める税金は少なく、納め過ぎた税金はとり戻す工夫がますます必要な時代になってくるでしょう。

納めるだけの申告から卒業しよう
 確定申告には大きく分けて、税金を納める「納税申告」と、税金が戻ってくる「還付申告」の2つのパターンがあります。

 納税申告の場合には申告の義務がありますが、還付申告はしてもしなくてもかまいません。裏を返せば、申告をした人にだけ税金が戻ってくるのです。

 還付申告で定番の控除といえば、「医療費控除」と「住宅ローン控除」。

 医療費控除は、1年間に支払った医療費から、出産育児一時金や保険金などで補てんされる金額を差し引いた額が10万円を超えた場合に控除が受けられるもの。住宅ローン控除(住宅借入金(取得)等特別控除)は、最長10年間にわたり、住宅ローンの年末残高の1%(最高50万円)を税額から直接差し引けるというものです。

 また、個人事業では多くの場合、10%の所得税が請求金額から源泉徴収されています。これはいうなれば「所得税の前払い」にあたりますので、確定申告をすることによって納め過ぎた分が戻ってくる可能性があります。

青色申告には特典がいっぱい!
 所得税の申告方法には、「白色申告」と「青色申告」があります。
 一般的なのは白色申告。青色申告とは、事業・不動産・山林所得がある人だけに認められている方法で、きちんと帳簿をつけ、決算書を作成することが義務づけられている代わりに、最高55万円の特別控除が受けられる、赤字が出たらその損失分を翌年に繰越しできるなど、40以上にも及ぶ特典が設けられています。
 「青色申告は決算書を作成しなければならないから面倒」と思うかもしれませんが、決算書は、今後の事業計画を立てたり、収支を見直したりするのにとても役立ちます。青色申告は一石二鳥の申告方法なのです。
 ただし、青色申告をするには前もって手続きが必要です。期限内に最寄りの税務署へ行き、「所得税の青色申告承認申請書」に必要事項を記入して提出しましょう。
青色申告の申請期限
新規に開業した場合 ・1月1日〜15日までに開業→その年の3月15日まで
・1月16日以降に開業→開業日から2ヵ月以内
白色申告から青色に切り替えたい場合 青色申告をしたい年の3月15日まで
「必要経費」は事業所得者の特権!?
 個人事業を営む人にとって、どこまでが必要経費として認められるかという問題は、大きな関心事なのではないでしょうか。

 なぜなら、事業所得は1年間の収入金額から必要経費を差し引いて計算するからです。つまり、必要経費をいくら計上するかによって、課税対象となる所得金額はいかようにも変わってくるのです。

 さて、気になる必要経費の判断基準ですが、これはズバリ「仕事に必要かどうか」ということに尽きます。

 仕事に必要な経費というと、まず思いつくのが、家賃、光熱費、通信費といった事務所の維持費。それに、文房具やコピー用紙、パソコンなどの備品。その他にも、打ち合わせで使った喫茶店の飲食代、交通費などさまざまです。所得税や住民税は必要経費になりませんが、事業税は必要経費として認められます。

 誰だって余分な税金は払いたくないもの。必要経費をもれなく計上することから、節税の第一歩が始まるのです。

「必要経費」のお得なルール

 必要経費には、実際の領収書をもとにして計上する以外にも、さまざまなルールが設けられています。

 自宅と事務所を兼ねている場合には、家賃や光熱費などを按分して、一部を必要経費とすることができます。家賃であれば、事務所として使用している部分の面積など、専有比率によって割り出すのが一般的です。ワンルームで専有比率の計算が難しい場合には、仕事をしている時間比率で計算してもよいでしょう。

 実は、こうした按分計算にははっきりとした規則がありません。要は、実態に即していて、計算の根拠が税務署にきちんと説明できればよいということになっています。

 また、パソコンなどの資産は、法律で耐用年数が決められています。これに基づいて計算した減価償却費も必要経費として認められます。

 家族に支払ったアルバイト代も、届出をすれば「専従者給与」として必要経費にできます。ただしこの場合には、以下の条件を満たしていることが前提となります。

「専従者給与」として必要経費にするための条件
・“生計を一にしている”配偶者、親族であること
・その年の12月31日現在で15歳以上であること
・その事業に6ヵ月を超える期間専ら従事していること
※その年の3月15日までに税務署へ「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。
確定申告にもネット時代が到来
 国税庁のホームページにある「所得税の確定申告書作成コーナー」を活用すれば、画面上で必要事項を入力して、プリントアウトするだけで申告書が完成します。これなら税務署に申告書をもらいに行く手間もありません。

 また、インターネットで検索をすれば、便利な会計ソフトや確定申告ソフトが数多く出回っています。これらのソフトをダウンロードして利用するのも、ひとつの方法でしょう。

 さらに、残念ながら今回は間に合いませんが、2004年6月には所得税が電子申告できるようになる予定です。電子申告が可能になれば、自宅のパソコンから24時間いつでも申告書の提出ができるようになります。IT化の波は確定申告にも確実に押し寄せているのです。

 いよいよ確定申告のシーズン到来です。平成15年度分の確定申告の申告期間は2月16日(月)から3月15日(月)。毎年申告している人もそうでない人も、早めに、もれなく、申告書を提出するようにしたいものですね!

■国税庁のホームページ:http://www.nta.go.jp/
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大竹のり子
(AFP・2級FP技能士)

1975年6月14日生まれ。
大学卒業後、社会科学系の出版社で書籍の編集に携わる。2000年10月、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会にファイナンシャル・プランナー(AFP)として会員登録。退職後、フリーのエディター&ライターとして活動を開始。現在、FPとしての技能向上に努める傍ら、幅広いFPの分野にわたり書籍の編集や雑誌のディレクション、執筆を行っている。現在、ファイナンシャルプランニングの情報サイト“FPwoman”を運営中。

大竹のり子
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