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| 2004年07月12日 |
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| 取引を始めるのは、いつでも負担が大きいものです。 自社製品を売り込むためには、常に情報を収集して顧客のシーズとニーズを把握しておく必要がありますし、売り込みをかけるタイミングや機会も重要な要素です。これらをすべて満足させようとすると大きなコストが発生することになり、結果として情報収集能力にすぐれた大企業が優位に立つケースが多くなります。他社の成約情報を見て、「うちの製品の方が安くて品質もいいのに」と感じたことは、ビジネスマンであれば誰でも一度はあるのではないでしょうか。
政府もこの状況は重く受け止めています。国内企業の大半は中小企業ですから、日本の産業競争力を上昇させるためには中小企業の活躍がぜひとも必要です。その中小企業に対して適正配分以上に販促費をかけろなどと言うのは本末転倒ですから、本来持っている競争力を十分に活かせるような業務の出会いの場を設けることは、以前から行政の大きなテーマの一つでした。
e-Japanでは、この分野に大きな前進があります。すなわち電子入札です。
たとえば国土交通省では、直轄公共事業の入札をインターネット上で行っています。入札価格などのデータをネットワークを用いて送受信できるため、担当者にとっては役所に出向く手間を省いたり、入札情報を知らなかったために入札機会を逃した、といったケースを減らす効果があります。 現時点ではすべての入札が電子化されているわけではありませんが、確実に電子入札の割合は上昇しています。実力のある企業にとっては、コストをかけずに商売の機会が増えるわけで、これを利用しない手はありません。一方で、電子化が遅れている企業では、そもそも入札に参加することができなくなるなどのデメリットも考えられます。 |
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| e-Japanへの対応は、品質やセキュリティの向上などにも役立ちます。なぜならe-Japanに参加するためには、各種の標準規格や認証基準に対応している必要があるからです。 たとえば、電子商取引では相手の顔が見えません。本当に信用できる企業・人物か、最近頻発している個人情報漏洩などにはちゃんと対応しているのか、という部分が非常に気になります。PKIなどの基本的な仕組みは行政が用意しますが、企業側でも「うちはそういうことをきちんとやっています」という証明をしていく必要があります。セキュリティ監査制度などはその一例で、「e-Japanの土俵で商売をするならセキュリティをマネジメントする仕組みを作って下さい。最終的にはISMSという、国際的にも信用できるレベルの認証が取れるのが望ましいです」という主旨になっています。
またこれは、e-Japanに直接関連した話題ではありませんが、SLCP-JCF98という標準規格もあります。SLCP-JCF98はソフトウェア開発業務の枠組みを定めた規格で、従来ばらばらだった用語や開発工程に関する考え方を統一します。これらが食い違っていると、開発費や保守費の見積もりが大きく食い違うなどのトラブルのもとになりますが、標準に準拠することで、健全で安心な取引を推進できます。
こうした環境を整えていくと、業務の健全性や安全性、品質は自然と向上し、その他の国際標準規格(ISO9000やISO14000など)も取得しやすくなるという副次効果も生じてきます。いまや「〜〜標準に準拠している」というのは、ビジネスを進める上で信用を勝ち取る大きな武器です。
もちろん、先にも説明したとおり、何もかもを行政がやってくれるわけではなく、企業側もそれなりの対応・用意をしなければなりませんが、従来よりその敷居が低くなっていることは確かです。自社の業務品質や製品品質、セキュリティが向上することを考えれば、ここにもe-Japan参加のメリットがあるのではないでしょうか。 |
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岡嶋 裕史 (おかじま ゆうし)
中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了。博士(総合政策)。 富士総合研究所勤務を経て、関東学院大学専任講師。 Webサービス・イニシアティブ技術部会副部会長。 |
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