e-Japanが推進されることによるメリットは、中小企業にとってもいろいろあるということを前回お話しました。では、具体的にどのようなメリットがあるのか、まず最初の事例として税務に関連した利点を紹介します。
税務処理は、企業経営をしている中で、誰もがあまり好きではないし関わりたくない仕事でしょう。それ自体が利潤を生むわけでもありませんから、できるだけ簡単に済ませたいと思うのが、一般的な税務との関わり方です。実際、今やほとんどの企業が固定資産台帳や貸借対照表、損益計算書などの作成をコンピュータシステムで行っています。
しかし、国税局はこれらの書類を紙に打ち出して保存することを求めていました。これは「全体の作業効率」を考えるとまったくナンセンスです。せっかく税務処理システムを導入した企業にとっては、電子ファイルできちんと整理されているデータを税務調査などのためにだけ紙に出力・保存することで、余分な手間やコストがかかります。
税務署にとっても、何らかの調査を行う場合、電子データのままでもらえれば再入力の手間がかからないのに、紙に打ち出したデータであるため、手作業での入力などが生じていました。まさに前回説明した「電子化しているのに、ちっとも全体の効率が上がらない」事例です。
これは別に、国税局が意地悪をしているわけではありません。役所の仕事はすべて法律に基づいて行われる必要がありますから、それに従っていたわけです。しかし、ここへ来てe-Japanの流れが加速していることなどから、電子帳簿保存法が制定されました。
この法律によれば、適用しようとする日の3ヵ月前までに税務署へ申請を行えば、国税関係帳簿書類を電子ベース(CD-ROMやマイクロフィルムなど)で保存してもよいことになりました。