どこの国に行っても大抵「お役所仕事」を意味する言葉が存在します。それが正式な単語として認知されているか、スラングか、といった違いはありますが、お役所で行われている仕事は形式的で非効率だという思いは世界的に共有されているようです。
そしてそうした認識があれば、それを是正してやりたいと思うのが人情です。
そのために、今までにも役所へのコンピュータシステムの導入などがなされてきました。しかし、これらの努力は非常に個別的だったのです。公務員一人ひとりにパソコンを与えれば飛躍的に効率が上がるほど業務は甘くありません。そもそも手作業で効率的な作業手順と、パソコンを使ったときに効率的な作業手順は異なります。単純に手作業をコンピュータで置き換えただけでは役所の仕事の体質は変えられません。
そこで、どうせやるのなら行政の仕事のほとんどを電子化してしまおう、それも個別にちょこちょこやるのではなくて、ある一部分を見ると非効率なようでも全体を見渡したときに一番効率がよくなるように設計図を引き直そう、という取り組みが行われるようになってきました。これが「電子政府」と呼ばれるものの基本的なアイデアです。
電子政府というと、役所がWebサイトを作って情報公開をするとか、住民票の申請がそこでできるとかいうイメージが先行しています。もちろん、そうした要素もあるのですが、一番の肝はお役所仕事の中核(民間企業で言うバックエンド、基幹システムです)を効率的なプロセスで業務再構築しよう、そしてそれを透明性のあるわかりやすいものにして、評価の尺度として民間企業でいうところの顧客満足度なども入れていこうということなのです。こう考えると、「電子政府」が少し身近なものに感じられるのではないでしょうか。