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インターネット法制度を知る!「インターネット・ホットラインセンター」始動!

2006年07月18日

前回のおさらい

 前回は、「携帯電話等の不正譲渡は罰則」についてリポートした。平成18年6月に東京都渋谷区で発生した女子大生誘拐事件でも携帯電話が重大な意味をもったことからも分かる通り、先に施行された携帯電話不正利用防止法(正式には「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」)は大きな影響を持ちはじめている。
 さて今回は、平成18年6月から開始されているインターネット上にはびこる違法・有害情報についてウェブサイト又は電子掲示板管理者管理者、サーバ管理者、インターネットサービスプロバイダー(ISP)などに然るべき対処を求める「インターネット・ホットラインセンター」の動向についてリポートしたい。

平成18年6月1日、「インターネット・ホットラインセンター」始動!

 平成18年6月1日、財団法人インターネット協会を事務局に「インターネット・ホットラインセンター」が始動した。このホットラインセンターとは、ホットラインセンターのサイト(インターネット・ホットラインセンター、http://www.internethotline.jp/)によると「インターネット上の違法・有害情報への対応を効果的かつ効率的に推進していくためには、広くインターネット利用者から違法・有害情報に関する情報提供を受け付け、一定の基準に従って情報を選別した上で、警察への情報提供、電子掲示板の管理者等への送信防止措置依頼等を行う団体を設けることが重要であることから、ホットラインセンターを設置することとしたものである」として近年、広く横行する児童ポルノやドラッグなどの規制薬物、その他、犯罪を引き起こす違法情報及び有害情報(「公序良俗に反する情報」)の流通を阻止しようと送信防止措置依頼等を行うために設立されたという。
 もちろんこうした違法情報及び有害情報(「公序良俗に反する情報」)がこれまで取り締まりも無く野放しに流通していたわけではない。本件については、先のホットラインセンターのサイト(インターネット・ホットラインセンター、http://www.internethotline.jp/)でも述べているように、「警察においてサイバーパトロールを実施して違法情報の発信者の取締り等を行っているほか、受信側による情報のフィルタリング等の対応及びプロバイダや電子掲示板の管理者等による違法・有害情報に対する送信防止措置等の対応が行われて」いる。
 しかし、日々増大する違法情報及び有害情報(「公序良俗に反する情報」)や海外経由のものも含めるとその数は膨大になることもあり、そうしたことから本ホットラインセンターが設置されたという。なお通報者は、気軽に情報を提供することができるように当該ホットラインセンターへの情報提供は匿名がみとめられている。

インターネット・ホットラインセンター発足で何が、どうなるの?

 さてこのインターネット・ホットラインセンターだが、ホットラインセンター事務局(センター員、法律アドバイザー:弁護士等)を中心に関連する団体、主管の警察庁などを母体にインターネット経由で広く一般市民から違法情報及び有害情報(「公序良俗に反する情報」)を収集。内容を精査したうえで警察庁への通報やウェブサイト又は電子掲示板管理者管理者、サーバ管理者、インターネットサービスプロバイダー(ISP)などへ送信防止措置の依頼を行うことになる。
 では具体的にどのようなサイトがその対象となるかについてだが、「ホットライン運用ガイドライン」にまとめられているので一度ご参照されたいが、大別すると違法情報と有害情報(「公序良俗に反する情報」)となる。具体的には違法情報では、「I、わいせつ情報、(1)わいせつ物公然陳列、(2)児童ポルノ公然陳列、(3)売春防止法違反の広告、(4)出会い系サイト規制法違反の誘引行為。II、薬物関連情報、(4)規制薬物の濫用を、公然、あおり、又は唆す行為、(5)規制薬物の広告、III、振り込め詐欺等関連情報、(7)預貯金通帳等の譲渡の誘引等、(8)携帯電話の匿名貸与業等の誘引等」である。また有害情報(「公序良俗に反する情報」)については、「(1)情報自体から違法行為(けん銃等の譲渡、爆発物の製造、児童ポルノの提供、公文書偽造殺人、脅迫等)を直接的かつ明示的に請負・仲介・誘引等する情報、(2)違法情報について、違法情報に該当することが明らかであると判断することは困難であるが、その疑いが相当程度認められる情報、(3)人を自殺に勧誘・誘引する情報(集団自殺の呼びかけ等)」など違法情報に準じる情報となる。故にこうした情報をサイトに掲載しておくと送信防止措置の依頼がくる可能性は非常に高いので管理者等は留意したい。
まとめ
 本ホットラインセンターの発足は、昨年(2005年)の6月に山口県の光市で男子高校生がインターネット経由で取得した爆弾製造情報をもとに制作した手製爆弾を教室に投げ込んだ事件が背景にあるという。無論、ホットラインセンター(制度)には言論の自由や表現の自由にどう応えるかという問題もある。しかし、まだ若い少年がこうした悲惨な事件をひきおこし、その裏側に「爆弾製造方法」という違法又は有害情報(「公序良俗に反する情報」)がインターネットに氾濫しているという事実。そしてそうした違法又は有害情報(「公序良俗に反する情報」)が結果的にそうした悲しい犯罪を手助けしたとなると何の為の高度情報化社会か悲しいものがある。
 なお本ホットラインセンターからの送信防止措置の依頼対象であるが、前述のようにウェブサイトや電子掲示板の管理者も含まれる。ついては、もし本リポートをご購読の皆様の中で、違法情報及び有害情報(「公序良俗に反する情報」)を掲載するウェブサイト電子掲示板の管理者がいらっしゃればその対象となるので注意が必要である。因みに平成18年7月6日、日本経済新聞に掲載の記事によると平成18年6月1日からのホットラインセンターの発足以降、ホットラインセンターに寄せられた違法又は有害情報(「公序良俗に反する情報」)は約3,800件ということだ。
■参考、引用文献
新六法(三省堂)
■参考、引用URL
インターネット・ホットラインセンター
http://www.internethotline.jp/
■お断り
本リポートは、ITビジネス起業者等へ法制度面のアドバイスをさせていただくことを趣旨としております。つきましては、内容の公正性を期するために公的機関等を除き、企業名、個人名等は原則として割愛しております。
なお本リポートの内容については、お客さまご自身その内容を判断するものとし、上田英雅又は本リポート掲載先サイトの管理者であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社はいかなる保証も行わず、いかなる責任も負担いたしません。
上田 英雅(うえだ ひでまさ)
ECリーガルアドバイザー
所属:NTTコミュニケーションズ(株) 経営企画部
専門:EC(電子商取引)、EC法制度
所属:情報ネットワーク法学会
出身:京都府