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インターネット法制度を知る!我が社も商標(権)出願。

2006年04月10日

前回のおさらい

 前回は、「我が社も特許出願。」についてリポートした。他社が「特許で儲けているらしい」という話しは聞くことがあるが、何がどうなるのかわからないのが今の世の中。まずは日常の業務の中での工夫を特許として育てていかれるのが王道かもしれない。
 さて今回は、商標権出願についてリポートしたい。商標権については、第二十五回「商標法ことはじめ」(平成17年11月21日)にて簡単にとりあげさせていただいている。ただ概要のみであったこともあり、今回は商標権出願について具体的事項を中心にリポートしたい。

商標を考案する!

 第二十五回「商標法ことはじめ」(平成17年11月21日)でもリポートしたが、「商標とは事業者が自己の取り扱う商品・サービスを他人の商品・サービスと区別するために、その商品・サービスについて使用するマーク(標識)」(出典、特許庁 http://www.jpo.go.jp/)である。即ち、商標とは自らの商品(又は役務)を他人のそれと区分するための「目印」ということだが、顧客がこの「目印」をたよりに購買行動をおこすとなればその意味は極めて大きい。
 さてそうした商標だが、文字による文字商標、図形による図形商標、記号による記号商標、立体による立体商標、文字、図形、記号、立体的形状の二つ以上が結合した商標、上記に掲げるものと色彩が結合した商標の六種類があるということは第二十五回「商標法ことはじめ」(平成17年11月21日)でもリポートしたが、いずれにせよ商標を出願するにはまず出願する商標がなければならない。商品又は役務の特徴、コンセプト、性質、対象顧客、企業イメージなどを勘案して考案されることをお勧めする。但し特許庁の説明によると出願したい商標が以下に該当するときは出願しても拒絶されるので避けなければならない。即ち、「(1)指定商品又は指定役務が明確でないとき、(2)自他商品・役務を識別できる商標でないとき、(3)公共の機関等と紛らわしい商標等公共性に反する商標であるとき、(4)他人の登録商標又は周知・著作権名と紛らわしいとき」の四点である。第一の(1)「指定商品又は指定役務が明確でないとき」(出典、特許庁商標出願説明資料)とは、詳細は後述するが商標はあらかじめその商標を使用する範囲を定めなければならないことによる。従って逆に範囲が不明確な商品又は役務は商標として出願できない。(現実的にはあまりないといえる)、第二の「(2)自他商品・役務を識別できる商標でないとき」とは普通名称、慣用名称、産地・販売地・品質のみの名称、ありふれた氏・名称のみの名称、極めて簡単かつありふれた名称などが対象となる。第三の「(3)公共の機関等と紛らわしい商標等公共性に反する商標であるとき」は国旗、勲章、紋章、公共の機関等を表示する名称などである。第四の「(4)他人の登録商標又は周知・著作権名と紛らわしいとき」とは、他人の使用する又は類似の商標、他人の氏名、名称などである。特に他人の使用する又は類似の商標、他人の氏名、名称は審査の大きなポイントで、商標の見た目が似ている外観類似、呼称が似ている称呼類似、概念が似ている概念類似などは商標出願しても拒絶される(恐れ)がある。故にいわゆる先願サーチと呼ばれているが、膨大な過去の出願商標から同一又は類似商標を検索する必要がある。

商標を出願する!流れと手続き

 商標が考案できればいよいよ出願となる。商標権の原則は、商標取得には登録したい商標を特許庁に出願し、審査の上で登録なければならないという登録主義、審査主義である。従って所定の様式に則って主務官庁である特許庁に出願、登録することが必要である。故に今回も出願したい商標が確定すれば出願となるわけだが、はじめに検討しなければならないのは出願区分である。即ち、商標には指定商品又は役務毎に第1類から第45類までの出願区分がある。この区分は商標の対象となる範囲のことであるが、同時に商標権の権利範囲でもある。従って出願したい商品又は役務がどのような分野に該当とするかよく検討しなければならない。
 さてその上で商標権を取得する場合の流れであるが、特許庁の説明資料によれば以下のようになる。即ち、「(1)出願→(2)出願公開(公開商標広報での公開)→(3)方式審査(提出書類の書式審査)→(4)実体審査(自己の商品・役務と他人の商品役務とを識別することができないもの、公益上の理由や私益保護の見地から商標登録を受けることができないものは除外される)→(5)拒絶理由通知(登録できない場合の通知)→(6)意見書(拒絶理由通知に対する意見)→(7)登録査定→(8)設定登録(登録料納付)→(7)商標公報に掲載」となる。この間、(1)出願から(3)方式審査までは特許庁の審査状況にもよるが凡そ2〜3ヶ月、(3)方式審査から(4)審査までは8ヶ月程度といわれているので商標取得にはスムーズに進行して約10ヶ月から11ヶ月程度と見込まれている。(拒否系については煩瑣になることから割愛する)
 次に商標登録に要する費用であるが、特許庁の説明によると「出願手数料21,000円(基本料6,000円+区分の数×15,000円)、設定登録料66,000円(×区分の数)、電子化手数料1件につき1,200円+1ページにつき700円」ということなので合計(最低)約90,000円程度となる。なお商標が登録されてから利用できる期間は10年間であるが、更新は可能であることから手続きを怠らなければ継続的にその商標を利用できる。因みに出願に要する書類は特許庁サイトより入手することができるが、昨年(平成17年)10月から専用ソフトウェアによる「パソコン電子出願」が開始されているので出願件数の多い方には朗報だ。
まとめ
 業務の必要性から私も商標出願を行ったことがあるが、誰しもがすぐ思いつくような言葉の多くは既に登録すみであることが多い。従って新語、人造語や英語以外の言語などから商標を考えるしかないのが現状のようである。いずれにせよ商標登録にはそれなりの期間(と費用)が必要になるので期間には十分余裕をもって望まれることが必要だ。なお実際の出願には特許(弁理士)事務所に委託するのが現実的であるが、特許庁でも相談に乗ってもらえるので活用したい。自らの商品や役務を生かすも殺すも商標次第のところがある。細部や実務は特許(弁理士)事務所に委託されるにせよまずは自ら商標について取り組まれることをお勧めする。
■参考、引用文献
新六法(三省堂)
各種特許庁商標説明資料
■参考、引用URL
特許庁サイト
http://www.jpo.go.jp/
独立行政法人工業所有権情報・研修館サイト
http://www.ncipi.go.jp/appli/howto/patent/index.html
■お断り
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上田 英雅(うえだ ひでまさ)
ECリーガルアドバイザー
所属:NTTコミュニケーションズ(株) 経営企画部
専門:EC(電子商取引)、EC法制度
所属:情報ネットワーク法学会
出身:京都府