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インターネット法制度を知る!2006年秋、日本司法支援センター(愛称「法テラス」)稼動へ!

2006年02月20日

前回のおさらい

 前回は、「有限責任事業組合(LLP)、登場!」についてリポートした。「有限責任事業組合(LLP)」とは、共同事業を行う為の有限責任の事業者の集まりということができる。しかも設立に要する費用は登録免許税6万円、設立は審査期間一週間とかなり簡易。例えばパートナーと組んで電子商取引のコンサルティングなどビジネスに利用できる機会は多いと思う。さて今回は今年(2006年)秋に法務省などが中心となって開設予定の日本司法支援センターについてその概要をリポートしたい。

日本司法支援センター(愛称「法テラス」)って?

 「法テラス」という親しみやすい愛称も設けられて平成18年秋に業務を開始する予定の日本司法支援センターとはどういったものだろうか。(出典、法務省サイト、http://www.moj.go.jp/、以下同じ。)によると、日本司法支援センターとは、「総合法律支援に関する事業を迅速かつ適切に行うことを目的として設立される新しい法人」と位置付けている。この「総合法律支援」というのは、余り聞きなれないが、同じく法務省サイトによると「『総合法律支援』とは、裁判その他の法による紛争の解決のための制度の利用をより容易にするとともに、弁護士及び司法書士その他の隣接法律専門職者(注)のサービスをより身近に受けられるようにするための総合的な支援」であるという。そしてその上で日本司法支援センターとは、「国民に身近な司法を実現し、誰でも、困った時に、トラブルの解決に役立つ法制度に関する情報や法律サービスを受けられるようにするためのもの」(出典、法務省サイト)がその目的という。以上から日本司法支援センターとは従来敷居の高かった法律や裁判所を身近にするものと捉えていただければご理解は早いと思う。
 ただなぜいまこうした組織を作る必要があるのだろうか?とお考えの方も多いと思う。実際問題、法律相談をテーマとした人気テレビ番組でもないが、弁護士事務所の前に行列ができているかといった事象が現実に発生しているかといえばそういった話しは余り聞かない。こうした問いに対し法務省は、「これからの日本では、きちんとした法律やルールで争いごとを解決することが、一層重要になっていきます。しかし、一般の国民にとって、法律や司法は身近なものとなっておらず、トラブルにあってもあきらめてしまっている人がたくさんいると言われています。そこで、司法を国民により身近なものとするため、全国どこでも、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられるよう支援センターを作ることにしました。」(出典、法務省サイト)というように「きちんとした法律やルールで争いごとを解決する」ことが今後重要になるとみており日本司法支援センターはそうした問題意識に対するひとつの答えといえる。


隣接法律専門職者とは、「弁護士及び弁護士法人以外の者であって、法律により他人の法律事務を取り扱うことを業とすることができる者」を言います。具体的には、○司法書士・司法書士法人○弁理士・特許業務法人○行政書士・行政書士法人○社会保険労務士・社会保険労務士法人○土地家屋調査士・土地家屋調査士法人○税理士・税理士法人○公認会計士○外国法事務弁護士等がこれに当たります。(出典、法務省サイト)

日本司法支援センター(愛称「法テラス」)の支援内容!

 さて大変素晴らしい日本司法支援センターだが、どういった業務を行うかということについて大別すると「(1)相談窓口業務、(2)司法過疎対策業務、(3)民事法律扶助業務、(4)国選弁護関連業務、(5)犯罪被害者支援」」(出典、法務省サイト)という五つの業務が予定されているという。具体的には、第一番目は、「支援センターの専門職員が、一般国民から相談を受け、その相談内容に応じて、最も適切な相談機関・団体等(弁護士会、司法書士会、地方公共団体の相談窓口等)の紹介や客観的な法制度に関する情報提供を行います。なお、この相談窓口業務は、弁護士が、紛争の内容に応じて、勝訴の見込み等も含めて法的判断を行い、採るべき手段をアドバイスするといった法律相談とは異なります。」という相談窓口業務、第二番目は、「弁護士等がその地域にいない等の事情により、法律サービスの提供を受けることが困難な地域において、支援センターのスタッフ弁護士が法律サービスを提供します。」という司法過疎対策業務、第三番目は、「資力の乏しい国民に対して、裁判に要する弁護士費用の立替え等を行います。」という民事法律扶助業務、第四番目は、「被疑者・被告人段階を通じ、一貫した刑事弁護体制を整備し、裁判の迅速化、裁判員制度の実施を支えます。」という国選弁護関連業務、第五番目は、「被害者の援助に詳しい弁護士や専門機関等を紹介します。」という犯罪被害者支援業務だ。
 この中でビジネスに関係するといえば第一番目の相談窓口業務が大きいだろう。日本司法支援センターでは、「民事・刑事を問わず、法によって解決できるトラブルについての相談を受け付けています。例えば、賃貸借に関する紛争、不動産取引上の問題、近隣紛争、消費者問題、交通事故処理、犯罪被害、労働問題、知的財産権の保護に関する問題、相続問題等が挙げられます。」ということなのでビジネスでの法的トラブルなども相談機会が大きいといえよう。但し、「支援センターにおける情報提供は、専門職員が、一般国民から相談を受け、その相談内容に応じて、最も適切な相談機関・団体等の紹介や客観的な法制度に関する情報提供を行うものであり、弁護士が、紛争の内容に応じて、勝訴の見込み等も含めて法的判断を行い、採るべき手段をアドバイスするといった法律相談とは異なります。」(出典、法務省サイト)ということなので、多々相談できることは非常に有益だが、具体的な相談はあくまで紹介された相談先などになると思われるのでこの点は是非、ご確認いただきたい。
まとめ
 現在(平成18年2月)東京都港区にそびえる六本木ヒルズビルに本社をおく某情報通信企業のM&A行為等が証券取引法違反容疑で問題になっているが、法律を最低限度のルールと捉えるか、法律に明文化されていないことは全て自由と捉えるかで社会のあり方は大きく変わってくる。ただいずれにせよ巨大化、複雑化する中で従来の日本的な和だけでは残念ながら収まらない社会になったのかもしれない。その意味でこうした制度は具体的な法の庇護となるだろう。(因みに弁護士費用の立替え等の被害者支援は以前から行われている。)
 最後にこの日本司法支援センターは、本部は東京に置かれるが、併せて全国の地方裁判所に五十箇所程度設置されるとのこと。皆様のお近くにこの日本司法支援センターが設置された折には是非足を運んでみられることをお勧めする。(注、日本司法支援センターの利用費用自体は無料ということだが、紹介された相談先での費用は別途必要になる場合がある。)
■参考、引用文献
新六法(三省堂)
■参考、引用URL
法務省サイト
http://www.moj.go.jp/
■お断り
 本リポートは、ITビジネス起業者等へ法制度面のアドバイスをさせていただくことを趣旨としております。つきましては、内容の公正性を期するために公的機関等を除き、企業名、個人名等は原則として割愛しております。
なお本リポートの内容については、お客さまご自身その内容を判断するものとし、上田英雅又は本リポート掲載先サイトの管理者であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社はいかなる保証も行わず、いかなる責任も負担いたしません。
上田 英雅(うえだ ひでまさ)
ECリーガルアドバイザー
所属:NTTコミュニケーションズ(株) 経営企画部
専門:EC(電子商取引)、EC法制度
所属:情報ネットワーク法学会
出身:京都府