会社法改正のポイントだが、以下の三点がポイントといえる。
■ポイント(1)
「利用者の視点に立った規律の見直し」(会社形態の選択肢増加)
(出典 法務省公式サイト)
ポイント(1)は、「利用者の視点に立った規律の見直し」(出典 法務省公式サイト)だ。具体的には、株式会社と有限会社を1つの会社類型(株式会社)として統合、最低資本金制度の見直しなどによりビジネス形態に応じた会社形態が可能となる。
ポイント(1)は、有限会社と株式会社制度が統合されたことによりビジネスの特性に併せた多くの会社形態が可能となったことである。
具体的には現行法では、取締役は株式会社では「三人以上(監査役一人)」、有限会社では「取締役一人以上(監査役は任意)」が、新会社法では「一名以上」である。また任期について株式会社では「二年」、有限会社では「制限なし」が、新会社法では「原則二年(但し株式譲渡制限会社は最長十年)」となる。更に起業において最大のネックである最低資本金が株式会社では「一千万円」、有限会社では「三百万円」が、新会社法では「制限無し」となった。(現行法令でも最低資本金の規制のない会社設立は可能だが新事業創出促進法に基づく特例適用の場合のみ。しかも当該法令に基づき起業しても五年以内に本来の資本金に増資が必要。また増資ができない場合は会社形態の変更又は解散する必要がある。)他に決算の健全性を確保するために取締役と共同で決算書を作成する「会計参与」制度や出資者の有限責任確保と同時に組合的規律が適用される「合同会社」制度(詳細後述)が創設された。なお現行の有限会社だが、会社法及び関連法の施行により、株式会社への商号変更、設立登記、有限会社の解散登記を行えば資本金はそのままで株式会社へ移行することができる。また役員任期、決算公告義務のない有限会社のまま「特例有限会社」として存続することもできるようにもなっている。
以上こうした制度改正の結果、株式会社制度は、取締役のみの会社、取締役+監査役の会社、取締役+監査役+会計監査人の会社、取締役会+会計参与の会社、取締役会+監査役の会社、取締役会+監査役+会計監査人の会社、取締役会+監査役会+会計監査人の会社、取締役会+(指名、監査、報酬の)三委員会等+会計監査人、特例有限会社、合同会社など多様な会社形態が選択可能なよう図られている。(因みに人の信用に基礎をおく無限責任が原則の合名会社、合資会社制度は現行のまま。)
■ポイント(2)
「会社経営の機動性・柔軟性の向上」(出典 法務省公式サイト)
ポイント(2)は、「会社経営の機動性・柔軟性の向上」(出典 法務省公式サイト)だ。具体的には、M&Aを容易にするための各種規制の緩和、資金調達円滑化のための株式、新株予約権、社債制度の改善、株主に対する利益の還元方法改善、無過失責任規定の見直し等の取締役の責任明確化など会社を機動的かつ柔軟に運営することが可能となる。
ポイント(2)は、会社経営を機動的かつ柔軟に運営できることである。具体的には、合併時における対価を柔軟に選定できる合併等対価の柔軟化(但し施行は一年後)、株主総会の承認を得ない簡易なM&A要件の規制緩和、株式譲渡制限における定款自治範囲の拡大、現物出資の緩和、端株制度の廃止、新株予約権の消却対価に対する株式交付、代表取締役に対する社債の発行条項に係る決定権限の授権の許容、社債管理会社の権限及び責任の強化、社債権者集会の特別決議の成立要件の緩和、社債券不発行制度の導入、株主への剰余金分配の整理、取締役の会社に対する無過失責任規定の見直しなど会社経営を機動的かつ柔軟に行えるよう各種制度の整理が図られている。
■ポイント(3)
「会社経営の健全性の確保」(出典 法務省公式サイト)
ポイント(3)は、「会社経営の健全性の確保」(出典 法務省公式サイト)だ。具体的には、株主代表訴訟制度の合理化、内部統制システム構築の義務化、会計参与制度の創設、会計監査人の任意設置範囲拡大など経営健全化を確保することが可能となる。
ポイント(3)は、会社経営の健全性確保である。具体的には、株主代表訴訟の制度趣旨を逸脱する提訴の禁止など株主代表訴訟制度の合理化、大会社に対する内部統制構築の基本方針決定義務、中小企業の計算書類の正確性の向上等を図る「会計参与」制度の創設(公認会計士、税理士等が就任可能。取締役等と共同して計算書類を作成するとともに株主総会に対し決算を報告する。設置は任意)、小会社での「会計監査人」設置(設置は任意)、有限責任での出資のもと会社の運営は組合的規律を適用する「合同会社」制度の創設、協定の可決要件を緩和するといった特別清算制度の見直しなどより健全性を確保するよう図られている。