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インターネット法制度を知る!第17回 動き出す、u-Japan政策!

2005年07月04日

u-Japan政策始動!

 前回、「新手の詐欺「ファーミング」登場!」についてリポートした。フィッシング詐欺だけでも気苦労が増えるのに「次から次に・・・・」というのが実感だ。
 さて今回は、趣向をかえて総務省が提唱する情報通信プロジェクト「u−Japan政策」の動向についてリポートしたい。

そもそも「u-Japan政策」って何だ?

 たいていの読者の皆様は「e−Japan政策」なら聞いた事があるが、「u−Japan政策」とは何か?というのが率直なところだろう。お恥ずかしながら当方も全てを理解しているわけではないが、一言でいえば「e−Japan政策」により産みだされたブロードバンド環境のもとに築かれるユビキタス社会というのがわかりやすいかもしれない。
 今回とりあげる「u−Japan政策」は、今年、平成17年1月、情報通信審議会が総務省の「ユビキタスネット社会の実現に向けた政策懇談会」が2004年12月にまとめた最終報告書を承認したことにさかのぼる。当最終報告書によると、「『u−Japan政策』とは、『e−Japan政策』等により有線系を中心に高速、超高速のネットワークが普及定着」したとして、「『いつでも、どこでも、何でも、誰でも』簡単に情報にアクセスできるユビキタスネットへの期待」をあげている。
  具体的には、「シームレスなユビキタスネットワークの整備〜サイバー空間の拡大と実物空間への浸透を推進すべく、「有線・無線のシームレスなアクセス環境の整備(電波開放戦略の着実な推進、固定・移動の融合(FMC)促進、通信・放送の連携促進、IPインフラ高度化)」、「ブロードバンド基盤の全国的整備(ブロードバンドディバイド解消、地域情報化の推進、デジタル放送の推進、競争政策の推進)」、「実物系ネットワークの確立(電子タグ・センサーネット、ネットロボットの技術開発、情報家電のネットワーク化、ITS、GISの創造的活用、ユビキタス端末(脱PC化)の技術開発)」、「ネットワーク・コラボレーションの基盤整備(ユビキタスプラットフォームの開発、異業種ネットワーク間の相互運用性確保、ネットワークの高信頼性確保、電子商取引の基盤整備)」を柱に「2010年までに国民の100%が高速又は超高速を利用可能な社会」の実現を目指すとしている。つまり「u−Japan政策」とは、今年、2005年仕上げを迎える「e−Japan政策」を踏まえた更なる情報通信社会といえるかもしれない。
  このあたりの事情について、2005年1月17日の日経ニューメディア誌は、「競争環境下で民間主導のインフラ整備を実現へ」として「u−Japan政策では、固定回線だけでなく、第3世代移動通信サービスや無線LANインターネット、FWA(加入者系無線アクセス)など無線系のブロードバンドサービスも含めて利用環境を整えるとした。また固定系と無線系のネットワークを統合し、ユーザーが家庭やオフィス、出先など様々な場所で、その場に適した端末や情報をシームレス(連続的)に利用できる『FMC』サービスを普及させる方針も示した。このほか、パソコンや携帯電話機だけでなく、情報家電や電子タグなどを通信端末として普及させるため、研究開発や実証実験に今後も引き続き予算を割り当てる方針である。また最終報告書では、全国的なブロードバンド環境の整備について、基本的に競争政策を維持することによって民間主導で実現する方針を示した。ただし、ブロードバンド環境が都市部から整備され、地方では整備が進まないという地域格差問題を解決する必要があるとも指摘した。今後総務省は、競争政策を維持しながらブロードバンド環境の整備を目指す一方で、過疎地域におけるブロードバンドインフラ整備の支援や地域公共ネットワークの全国整備などを支援することでu−Japan政策の目標達成を目指していく。」とまとめているので少し長いが引用しておく 。

電子商取引と「u-Japan政策」

 電子商取引は、「e−Japan政策」を牽引した重要なアプリケーション。今回の「u−Japan政策」でも「電子商取引の基盤整備」という項目で今後とも重点がおかれる見込だ。
  具体的には、当該報告書によれば「電子決済の安全性」、「ネットを利用した悪質商法」の項目があげられているので、電子商取引がもつ不安感の解消や安全性確保がメインになるようだ。率直に申して電子商取引は、「e−Japan政策」を牽引した重要なアプリケーションであるが、取引の安全性確保は当初からの課題であった。著名なモール、オークションをはじめ、PC、書籍、雑貨類、旅行チケット類の販売、ネット銀行、証券などの電子商取引がビジネスや生活スタイルに与えた影響は極めて大きいが、依然としてカタログやTV通販に根強い需要があるのも事実である。またデジタルディバイドによるものかその方の信念によるものかは別として、電子商取引を信用(利用)しないという層も少なからず存在する。今回の「u−Japan政策」の施策がこうした課題にどこまで応えるかは何とも言えないが、少しでもプラスにつながるよう期待したい。
まとめ
 2000年から始まった「e−Japan政策」。政策構想を聞いた当初は、インターネットとデジタル機器がおりなす夢の未来社会というような印象を受けたが、計画からはや五年。状況をみると確かに両者は爆発的に普及したといえるが、その利活用については更なる発展の余地があるというのが実感かもしれない。今回の「u−Japan政策」はまだ始まろうとしたばかり。また機会を見てリポートしたい。
■参考、引用文献
新六法(三省堂)
■参考、引用URL
総務省
http://www.soumu.go.jp/
日経ニューメディア
http://itpro.nikkeibp.co.jp/NNM/
■お断り
 本リポートは、ITビジネス起業者等へ法制度面のアドバイスをさせていただくことを趣旨としております。つきましては、内容の公正性を期するために公的機関等を除き、企業名、個人名等は原則として割愛しております。
なお本リポートの内容については、お客さまご自身その内容を判断するものとし、上田英雅又は本リポート掲載先サイトの管理者であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社はいかなる保証も行わず、いかなる責任も負担いたしません。
上田 英雅(うえだ ひでまさ)
ECリーガルアドバイザー
所属:NTTコミュニケーションズ(株) 経営企画部
専門:EC(電子商取引)、EC法制度
所属:情報ネットワーク法学会
出身:京都府