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インターネット法制度を知る!第15回 著作権侵害しない為のキーポイント!

2005年05月23日

著作権侵害事件!

 前回、「ブログとその法制度」についてリポートした。リポートでは問題のあるブログのひとつに著作権侵害ブログを上げておいたが、早速あるTV局のサイトが新聞コラムなどを盗用していたとして問題になった。本件はブログではなくサイト上での問題だが法律的にはそこは区別しない。これまで著作権侵害事件というと作家や専門家の方の世界という印象があったが、誰もが自由に情報発信できるインターネットの世界では誰もがその対象になり得るということをあらためて気づかされた。ついては、今回は著作権についてポイントをおさらいしておきたい。

そもそも「著作権」って何だ?

(1)著作権の範囲
 著作権という言葉ほどよく聞いたことがあるわりにその内容がわかりにくいものもない。まずその定義だが、著作権法は第二条第一項(定義)に「著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」としている。 この点について著作権法の主管でもある文化庁は、文化庁サイトにて、第一に「『思想又は感情』を表現したものであること→単なるデータが除かれます。」として「思想又は感情」が必要としている。第二に「思想又は感情を『表現したもの』であること→アイデア等が除かれます。」として「表現」されなければならないとしている。第三に「思想又は感情を『創作的』に表現したものであること→他人の作品の単なる模倣が除かれます。」としてオリジナリティに基づく表現でることをあげている。そして最後に第四に「文芸,学術,美術又は音楽の範囲」に属するものであること→工業製品等が除かれます。」としてその範囲を文芸等としている。つまり著作権の範囲は、具体的には著作権法第十条(著作物の例示)にあるように、「一  小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物 、二  音楽の著作物、三  舞踊又は無言劇の著作物、四  絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物、五  建築の著作物、六  地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物、七  映画の著作物、八  写真の著作物、九  プログラムの著作物」 及び著作権法第十二条で規定する(創作性のある)「編集著作物」、「データベース」などとなる。

(2)著作者
 前項で著作権の範囲がおわかりいただけたと思うが、これをインターネット、ブログにあてはめれば、掲載する各種記事、コラム、写真、イラスト、図、貼り付ける音楽、画像などそのほとんどがその対象になる。もちろん自らが著作権を有するものをインターネット、ブログに利用するのは適法である。しかし、他人の著作物を許諾なく利用すれば−訴訟の対象となるかどうかは別として−基本的には著作権侵害となる。
 しかし、そもそも著作者とは何だろう?これについて著作権法第二条第一項(定義)は、「著作者 著作物を創作する者をいう。」としている。なるほど「著作者」イコール「著作物を創作する者」ですか・・・。その通りである。そしてこれをよく考えれば「思想又は感情を創作的に表現すれば」誰もが「著作者」となるので注意を要したい。つまり落書きでも他人が創作したものは他人の著作権となる可能性がある。なお特許や商標などは国に申請し許可されなければその効力を発しないが、著作権はそうではない。即ち、著作権法第十四条(著作者の推定) 「著作物の原作品に、又は著作物の公衆への提供若しくは提示の際に、その氏名若しくは名称(以下「実名」という。)又はその雅号、筆名、略称その他実名に代えて用いられるもの(以下「変名」という。)として周知のものが著作者名として通常の方法により表示されている者は、その著作物の著作者と推定する。」、著作権法第五十一条(保護期間)「著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。」とあるように特に申請しなくとも著作物を創作した時点(例えば落書きを書いた時点)で、自動的にその人に著作権が成立するので注意したい。

ではサイトやブログ作成において著作権はどうすればいいの?

 あちらこちらに著作権の網がはりめぐらされているように脅かしてしまった。確かに著作権法の網は存在する。しかし、前項でもふれたように許諾、譲渡(但し著作者人格権という著作者の人格的利益を保護する権利)を得れば支障はない。また引用や特例など例外もある。

(1)許諾、譲渡
 著作権問題の根源は、そもそも著作者の了解である。利用について著作者に了解が得られるのであればそれで問題ない。しかし、他人が費用をかけて創作したもの、金銭的価値を伴うものは当然対価が必要になることがある。具体的な対価やその方法はその著作者若しくは日本音楽著作権協会(JASRAC)など管理団体が存在するので所定の手続きに従われたい。なお譲渡とは創作者に費用を支払ってその権利自体を移転するものである。

(2)引用、例外
 引用は、他人の著作物を利用する一般的な形態だ。著作権法第三十二条(引用)でも「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」として必要な範囲での引用を認めている。
 また著作権侵害には例外もある。詳細は割愛するが、第三十条(私的使用のための複製)、第三十一条(図書館等における複製)、第三十三条(教科用図書等への掲載)、第三十四条(学校教育番組の放送等)、第三十五条(教育機関における複製)、第三十六条(試験問題としての複製)、第三十七条(点字による複製等)、第三十七条二項(聴覚障害者のための自動公衆送信)、第三十八条(営利を目的としない上演等)、第三十九条(時事問題に関する論説の転載等)、第四十条(政治上の演説等の利用)、第四十一条(時事の事件の報道のための利用)、第四十二条(裁判手続等における複製)、第四十二条二項(情報公開法等における開示のための利用)、第四十四条(放送事業者等による一時的固定)、第四十五条(美術の著作物等の原作品の所有者による展示)、第四十六条(公開の美術の著作物等の利用)、第四十七条(美術の著作物等の展示に伴う複製)、第四十七条二項(プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等)などがそれだ。
まとめ
 今回は著作権法について最低限のポイントだけをまとめた。しかし、実際の手続き方法や著作権を侵害した場合や逆に侵害されてしまった場合の対処方法までは紙面の都合から触れられなかった。ついてはまた機会を見てリポートしたい。
■参考、引用文献
新六法(三省堂)
■参考、引用URL
文化庁
http://www.bunka.go.jp/
■お断り
 本リポートは、ITビジネス起業者等へ法制度面のアドバイスをさせていただくことを趣旨としております。つきましては、内容の公正性を期するために公的機関等を除き、企業名、個人名等は原則として割愛しております。
なお本リポートの内容については、お客さまご自身その内容を判断するものとし、上田英雅又は本リポート掲載先サイトの管理者であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社はいかなる保証も行わず、いかなる責任も負担いたしません。
上田 英雅(うえだ ひでまさ)
ECリーガルアドバイザー
所属:NTTコミュニケーションズ(株) 経営企画部
専門:EC(電子商取引)、EC法制度
所属:情報ネットワーク法学会
出身:京都府