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インターネット法制度を知る!第12回 新人社員の為のカンタン法律講座!

2005年04月04日

春到来、新入社員の季節。

 前回、「IT政策パック2005」に関するリポートをお届けした。「e−Japan戦略」も今年はいよいよ仕上げの年。実感はないかもしれないが、ITは技術の面でも、価格の面でも身近になった。楽天球団にソフトバンクホークス、そしてライブドアのニッポン放送買収劇などIT企業がこれほど世間の耳目を集めるのも隔世の感がある。
 さて今回だが、いよいよ桜の季節。今年度も宜しくお願いしたい。そして春到来となれば新入社員である。今年の新入社員は光るが熱気がない「発光ダイオード型」ともいわれるが、何といわれようと現場に出れば多様な試練に出会うことになる。そしてそうなれば自ずと考えたり、調べたり、人に聞いたりせざるをえない。
 そしてそうした試練のひとつに法律がある。「代金を支払ってもらえない!」、「小切手って?」、「製品が売れた!契約書は?」、「印鑑に丸い印鑑と四角の印鑑があるがどう違う?」、「印鑑証明書って何だ?」などなどビジネスは法律のカタマリ。法律を理解していないと代金は踏み倒され、ときには詐欺にあい全てを失ってはじめて気づくかもしれない。というわけで今回は新入社員の為のカンタン法律講座を開催したい。

新入社員のためのカンタン法律講座パート1!!

 新入社員の為のカンタン法律講座と意気込んだのはいいが、もとより限られた紙面。また毎回完結がルール。従って全ての法律をレクチャーすることは到底できない。併せてその詳細を説明することは困難だ。ついては、広くビジネス全般を対象に新入社員の皆様がこれから向き合う法律を理解するに最低限必要なことは何かということを中心にレクチャーしたい。

 まずレッスン(1)だが、ビジネスにおいて法律とはどのようなものか全般を知る必要がある。また法律、判例の調べ方、基礎知識や用語なども重要だ。こうしたものは様々な用語集や解説書があるので目を通されたい。

 次にレッスン(2)だが、ビジネスマンがはじめに目にする「法律」が契約書だ。契約書とはひらたくいえば約束事を書いた書面。もちろん「さば3匹を500円で売ってくれ」という口頭での了解も広く言えば契約だが、口約束ほどもめるものはない。間違いがないように書面に記し、署名・捺印したものだ。しかし、署名と印鑑は、契約の成立と効力においてどのような意味をもつのであろうか?また所定の契約書の雛型はあるだろうが、実際のお客様、取引先との契約に雛型だけでことたりるのか?更に有利な条件を求めての契約交渉や契約書作成上の留意点も重要だ。またせっかく締結した契約もなくしてしまったらどうしようもない。契約成立後も契約書を適切に保管しておくことは意外と重要だ。

 さて法律の基礎を身に付けたらレッスン(3)、与信管理と債権回収だ。与信管理とは取引先の信用状態を把握(信用調査)して自社の債権を保全するとともに、未払い金が発生した場合は督促からはじまって相殺、債権譲渡、強制執行など様々な手段を講じて債権回収を図らなければならない。また保証、担保などキーファクターに関する知識も必要だ。もちろん営業職でなければ又は営利機関でなければこうした知識はあまり必要ないかもしれない。しかし、非営利機関でも債権回収はおそらく不可欠でありまた仮に営業職でなくとも仮に財務や経理の担当であれば関係は非常に深い。

 ところでレッスン(3)で債権管理をあげたが、支払いは手形、小切手という現金以外の手段で支払いを受ける又は支払う場合がある。ということで、レッスン(4)だが、この手形や小切手、名前は聞いたことがあると思うが、種類、特徴、機能を言えといわれてもなかなかいえないものである。また残念ながら取立や譲渡において喪失、偽装、不渡りなどトラブル処理が多いのも事実。もしミスをおかせば多額の金銭が一発で吹き飛ぶこともあることから経験のある方に教えをこわれるのも良いだろう。

 以上が新入社員の皆様がまずは理解したい法律事項の概要だ。

新入社員のためのカンタン法律講座パート2!!

 ここでは、パート(1)以外についてふれることにするが、まずその第一がレッスン(5)、知的所有権だ。従来はアイデアやノウハウなど形のないものは余り重視されてこなかった。しかし、ある色の発光ダイオードの収益をめぐり発明した研究員と会社側が巨額の訴訟になるなど大きな関心があつまっている。また子供向けのキャラクターなども関連商品など大きな商圏に広がることも認識されるようになってきた。そしてそうしたときにキーとなるのが、特許権、案用新案権、著作権、商標権その他の知的所有権に関する法令だ。また企業秘密、ノウハウなど長年培ってきた技術や貴重な情報、ノウハウなどのコツも不正競争防止の観点から保護されるようになってきている。これらの法令は、条文そのものはさほど多くないが、判例は膨大。それだけに全てをマスタするのは難しいと思うが、毎年一法律ずつでも得意になっていただきたい。

 ところでパート(2)のレッスン(6)は、財産管理、組織概要、株主総会、株主、企業買収などだ。こうしたテーマはM&A劇関連で連日マスコミを賑しているだけにオフィスのあちらこちらに「第三者増資」、「発行済み株式」、「焦土作戦」、「ホワイトナイト」など解説する「にわかM&A博士」がいらっしゃると思うが、まずは基礎から学ばれることをおすすめする。

 そして最後レッスン(7)だが、実は新入社員の皆様がもっとも法律を感じるのが人事と給与だ。めでたく採用された貴方は退職まで人生の多くの時間を会社等で過ごすことになるのだが、そこには働く条件やルールを定めた就業規則や労働協約、安全にかつ安心して働ける安全衛生、労働災害。そして体に何かハンディキャップを負った特殊勤務者や倒産、入院など万一にそなえての労働保険、健康保険なども法律がかかわっているだけに考え方によってはもっとも身近なテーマだ。
まとめ
 パート(1)、パート(2)以外で押えておかなければならない法律が業法だ。電気通信分野なら電気通信事業法、銀行分野なら銀行法とそれぞれ法律が定められている。こうした法律は企業活動と密接に関連しているだけに何度も目を通されることをおすすめする。  最後に法律の勉強の基本は、やはり六法全書だ。法律は毎年変わる。毎年4月にはその年度の新しい六法全書を購入し、日々熟読することが結局は力になる。また市販の法律入門書も購読をお勧めしたい。
■参考、引用文献
新六法(三省堂)
日本経済新聞
■お断り
 本リポートは、ITビジネス起業者等へ法制度面のアドバイスをさせていただくことを趣旨としております。つきましては、内容の公正性を期するために公的機関等を除き、企業名、個人名等は原則として割愛しております。
なお本リポートの内容については、お客さまご自身その内容を判断するものとし、上田英雅又は本リポート掲載先サイトの管理者であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社はいかなる保証も行わず、いかなる責任も負担いたしません。
上田 英雅(うえだ ひでまさ)
ECリーガルアドバイザー
所属:NTTコミュニケーションズ(株) 経営企画部
専門:EC(電子商取引)、EC法制度
所属:情報ネットワーク法学会
出身:京都府