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インターネット法制度を知る!第11回 IT政策パック2005!

2005年03月14日

IT政策パック2005登場!

 前回、電子政府に関するリポートをお届けした。まだまだ実感がないところもあるが逆に意識するようなものは改善が必要な証拠。携帯電話が知らぬ間に進化を遂げたように電子政府も近い日に身近なものになっているだろう。さて今回は先ごろ内閣府から発表された「IT政策パック2005」についてリポートする。
(以下、引用は首相官邸サイト、http://www.kantei.go.jp/

覚えていますか?「e−Japan戦略」。

 今回の「IT政策パック2005」だが、まずは「e−Japan戦略」についてふりかえなければならない。この「e−Japan戦略」は、いまから五年前の平成12年(2000年)、政府、「IT戦略会議」が打ち出した「IT基本戦略」にさかのぼる。

 この「IT基本戦略」だが、平成13年(2001年)1月、森首相、福田康夫内閣官房長官、堺屋太一IT担当大臣、経済企画庁長官らが、「5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指す」ことを目標に打ち出した「e−Japan戦略」の原案だ。

 当時、インターネットを中核としたIT革命が世界中を席巻する中、日本の取り組みの遅れが問題になっていた。バブル崩壊後の経済苦境もあり、それだけにITにかける意気込みはなみなみならぬものがあった。

 さてそうした生み出された「e−Japan戦略」であるが、従来の工業化社会から知識創発型の社会への転換点として、そしてそうした社会の実現の為に「(1)超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策、(2)電子商取引と新たな環境整備、(3)電子政府の実現、(4)人材育成の強化」が必要と、この4分野を重点政策分野にあげて取り組みを開始した。

 その後、ADSLなどインフラ整備が一段落したあとは、いよいよITを利活用すべきと平成15年(2003年)7月には、「e−Japan戦略?」に発展。「1.医療、2.食、3.生活、4.中小企業金融、5.知、6.就労労働、7.行政」の7分野を「IT利活用の先導」に、新しいIT社会基盤整備として「1.次世代情報通信基盤の整備、2.安全安心な利用環境の整備、3.次世代の知を生み出す研究開発の推進、3.利活用時代のIT人材の育成と学習の振興、5.ITを軸とした新たな国際関係の展開」を打ち出していった。更に昨年の平成16年(2004年)には、「e−Japan戦略?」を加速させるべく「e−Japan戦略?加速化パッケージ」を導入。「1.アジア等IT分野の国際戦略、2.セキュリティ対策の強化、3.コンテンツ政策の推進、4.IT規制改革の推進、5.評価、6.電子政府・電子自治体の推進」を前面におしだし目に見える成果を形にしはじめた。

IT政策パック2005とは?

 矢継ぎ早の「e−Japan戦略」、「e−Japan戦略?」、「e−Japan戦略?加速化パッケージ」とあれから今年ではや五年。今年は仕上げの年である。この「IT政策パック2005」は、こうした背景をもとに「e−Japan」実現のラストスパートと政府は位置付けている。

 さてこのパックだが、具体的には、「行政サービス」、「医療」、「教育・人材」、「生活」、「電子商取引」、「情報セキュリティ・個人情報保護」、「国際政策」、「研究開発」の8分野を取り上げている。詳細についてはすべてとりあげると膨大な量になるので主なものをみてみよう。

 第一の「行政サービス」分野では、「電子政府の推進、電子自治体の推進、電子政府・電子自治体の共通基盤の利用・活用の推進」のもと、「添付書類のオンライン化」、「オンライン利用の処理期間の短縮及び手数料の低減等」等が対象になっている。第二の「医療」分野では、電子カルテなど「診療報酬制度による医療のIT化の一層の促進」、「医療機関から審査支払機関に提出されるレセプトの電算化及びオンライン化の推進」等が対象になっている。第三の「教育・人材」分野では、校内LANなど「学校教育の情報化の推進」等が対象になっている。第四の「生活」分野では、「偽造カード、フィッシング等ITがもたらす社会問題の克服」、赤外線暗視装置付ヘリコプターテレビシステムなど「災害時におけるITの活用促進」等が対象になっている。第五の「電子商取引」分野では、電子公告など「事業活動においてITの利用を阻害する残された課題への取組」、「ITの利用・活用による中小企業の活性化」等が対象になっている。第六の「情報セキュリティ・個人情報保護」分野では、「情報セキュリティ政策会議(仮称)」、「国家情報セキュリティセンター(仮称)」など「情報セキュリティ問題に取り組む政府の役割・機能の見直し」等が対象になっている。第七の「国際政策」分野では、「アジアを中心としたIT国際政策における対象分野・対象国の重点化」等が対象になっている。第八の「研究開発」分野では、「さらなる先端的研究開発への取り組みを強化」等が対象になっている。いずれもインパクトの大きい分野だけにその波及効果も大きいだろう。
まとめ
 政府が進める一連の「e−Japan戦略」について、見方によればITを利用した行政改革、IT政策の集成ということもできる。しかし、仮にそういう一面を有していたとしても情報技術を利活用したIT革命は、プロセスの面でも、技術開発の面でも社会や経済に大きなインパクトをもたらす。ブロードバンドが利用しやすくなったのも、ネット経由で簡単に株式取引できるのも、日本のプラズマディスプレイ、DVDレコーダー、液晶ディスプレイが世界市場を席巻するのも大きく言えば「e−Japan戦略」の成果。「凄い」ことが「当たり前」になった時、日本は強くなっているはずだ。
■参考、引用文献
新六法(三省堂)
日本経済新聞
■参考、引用URL
内閣府
■お断り
 本リポートは、ITビジネス起業者等へ法制度面のアドバイスをさせていただくことを趣旨としております。つきましては、内容の公正性を期するために公的機関等を除き、企業名、個人名等は原則として割愛しております。
なお本リポートの内容については、お客さまご自身その内容を判断するものとし、上田英雅又は本リポート掲載先サイトの管理者であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社はいかなる保証も行わず、いかなる責任も負担いたしません。
上田 英雅(うえだ ひでまさ)
ECリーガルアドバイザー
所属:NTTコミュニケーションズ(株) 経営企画部
専門:EC(電子商取引)、EC法制度
所属:情報ネットワーク法学会
出身:京都府