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インターネット法制度を知る!第10回 電子政府!

2005年02月21日

霞ヶ関まで行かなくとも手続きができる日!

IT社会が目指す方向のひとつに「電子政府」がある。「政府」というと霞ヶ関の官庁街が思いおこされるが、遠方であれば赴くことも一苦労。実際問題、東京に本社や連絡事務所を置く企業や地方自治体が多いのもこの「距離」と「時間」の制約がある。

 しかし仮に霞ヶ関の官庁街に赴くことなく手許のパソコンから許認可などが簡単に手続きできたらどうであろうか?無論、霞ヶ関の官庁街を訪れるのは許認可などの手続きだけでなく、政策形成などに関する高度な情報の入手、対面しての審議会などITではなしえないものが多いということは十分に理解している。ただ官公庁との手続きの一割でも、電子政府によって「距離」と「時間」が克服できれば大きなビジネスプロセスの改善となるはずだ。持ち運び自由で、簡単に扱うことのできる紙(書面)の良さは私も十分理解している。ただ紙(書面)は検索や保管に大きな制約をもつことも事実。インターネットやITがもつ長所を公的分野にもいかすことができれば大きな成果がうまれるはずだ。

ところで電子政府って何・・・?

ところで電子政府だが、言葉は知っていてもその中身は意外と知らないことが多い。お恥ずかしながら私もその一人だ。そういうわけでまずは国が推進する「電子政府構築計画」(平成15年7月17日制定)をみてみよう。(以下、出典は総務省サイト http://www.e-gov.go.jp/

 まず基本的な考え方だが、国は、「I 電子政府構築の原則、 II 目標、 III 計画の期間、見直し等」をあげている。こうした計画で目標や計画期間をあらかじめ明確にさだめているのは異例だ。それだけに国の強い意欲をもっているのだろう。

 さてその中身だが、「電子政府の構築は、行政分野へのIT(情報通信技術)の活用とこれに併せた業務や制度の見直しにより、国民の利便性の向上と行政運営の簡素化、効率化、信頼性及び透明性の向上を図ることを目的と」あげている。つまり、「利用者本位で、透明性が高く、効率的で、安全な行政サービスの提供」と「行政内部の業務・システムの最適化(効率化・合理化)」を図ることだ。因みに後者の政府の電子化(=IT化)は忘れがちになるので注意したい。国は、この大原則に基づき、八原則「(1) 国民にとって使いやすく分かりやすい、高度な行政サービスの提供、(2) 政策に関する透明性の確保、説明責務の履行及び国民参加の拡大、(3) ユニバーサル・デザイン(誰もが使いやすい設計)の確保、(4) 業務効率の徹底的追求、(5) 民間活力の活用、(6) 情報システムの安全性・信頼性の確保と個人情報保護、(7) 国の行政機関以外の機関との連携及び国際連携の確保、(8) 活力ある社会形成への配慮」としている。

 なお目標だが、上記を集約して「(1) 利用者本位の行政サービスの提供、(2) 予算効率の高い簡素な政府の実現」としたうえで、その実現を「全府省を対象」に「平成15 年度から今年、平成17 年度末までの3 ヶ年計画」としている。(見直しは毎年度)

電子政府により実現すること。

 国として強力に推進する電子政府だが、実現されるものは大きく言えば「国民の利便性・サービスの向上」と「IT化に対応した業務改革」の二点である。(細かく申し上げれば情報セキュリティ対策など共通課題もあるがここでは割愛する)

 まず前者の「国民の利便性・サービスの向上」だが、「1、行政ポータルサイトの整備、充実、2、ワンストップサービスの拡大 、(1)輸出入・港湾手続のワンストップ化 、(2)自動車保有関係手続のワンストップ化、(3)e-Govイーガブを活用したワンストップサービスの推進、3、政府調達手続の電子化の推進、4、オンライン利用の促進のための環境整備 、(1)オンライン利用の促進方策 、(2)多様な手段による電子政府利用環境の整備(マルチアクセス環境の整備)」をあげている。また後者の「IT化に対応した業務改革」だが、「1、業務・システムの最適化、(1)府省共通業務・システム及び一部関係府省業務・システム、(2)個別府省業務・システム、(3)業務・システムの見直し方針の策定、(4)業務・システムの最適化に係る作業の透明性、整合性の確保、2、内部管理業務の業務・システムの最適化 、(1)人事・給与等業務 、(2)その他官房基幹業務等」をあげているが、簡潔にいえば政府業務のIT化といえる。

 以上から、現在の計画に従えば、まずは現行業務のWeb対応がまずは当面の目標(成果)だ。ただ「輸出入・港湾手続」、「自動車保有関係手続」など業務そのものの電子化も順次すすむはずだ。
まとめ
 今回、電子政府を取り上げたが、その範囲も概念もきわめて広い。また「電子」といってもWeb化、システム化、ネットワーク化など様々である。従って、一口にこれが「電子政府」といえるものはない。また業務内容も技術も随時に変わることから恐らく完成というものもない。ただ国民一人一人の小さな意見も集まれば大きな意見となる。「国民の利便性の向上」をまずは目的にあげていただいていることもあり、もし何か建設的なご意見があれば国へあげていくことが重要だ。なお今回は政府全体の動きを取り上げたが、省庁レベルの試みも当然ある。そのあたりはお含み置きいただきたい。
■参考、引用文献
新六法(三省堂)
日本経済新聞
■参考、引用URL
総務省
■お断り
 本リポートは、ITビジネス起業者等へ法制度面のアドバイスをさせていただくことを趣旨としております。つきましては、内容の公正性を期するために公的機関等を除き、企業名、個人名等は原則として割愛しております。
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上田 英雅(うえだ ひでまさ)
ECリーガルアドバイザー
所属:NTTコミュニケーションズ(株) 経営企画部
専門:EC(電子商取引)、EC法制度
所属:情報ネットワーク法学会
出身:京都府