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インターネット法制度を知る!第7回 電子マネー!

2005年01月11日

電子マネー、マネー、マネー!

 謹賀新年。旧年中はお世話になった。本年も宜しくお願いしたい。 前回、eクリスマスを特集したが、平成16年12月24日付けの日本流通新聞によると「 店頭の苦戦を尻目にネット通販は今年も急増した。」とその好調さを伝えていた。勝手な推測だが、こうした動きは今後益々進むであろう。

 ところで新年最初のテーマだが、電子マネーを取り上げたい。電子マネーというと日本国内だけをみても「ビザ・キャッシュ」、「インターネットキャッシュ」、「スーパーキャッシュ」、「スマッシュ」、「アコシス」、「デジタルチェック」、「QQQ」、「デジコイン」、「ちょコム」など様々な電子マネーが登場している。特に「エディ」はNTTドコモの「お財布ケータイ」、「ウェブマネー」はオンラインゲームやデジタルコンテンツ購入用途などで著名だ。

一口に「電子マネー」といっても・・・

 一口に「電子マネー」といっても実はいくつかのタイプがある。具体的には、第一に現金代替型とクレジットカード利用型、第二に即時決済型と事後(事前)決済型、第三にオープン型とクローズド型、第四に自家発行型と第三者発行型、第五にネットワーク(サーバー)型、ソフトウェア(クライアント)型、第六にICカード型、磁気カード型、暗証番号型などに分かれている。

 第一に現金代替型とは、テレホンカード、オレンジカード、クオカードなどが代表的である。要は現金をおきかえるもの。逆にクレジットカード利用型は精算にクレジットカードを利用する。第二に即時決済型と事前(又は事後)決済型は、その名の通り前者は使用の度に金額が減り、後者は事後(ポストペイド)又は(プリペイド)決済となる。第三にオープン型とクローズド型は、転々流通の有無がポイント。つまりお金の様に匿名性があり第三者に譲渡可能ならオープン型、自店利用が原則ならクローズド型となる。第四の自家発行型と第三者発行型は、発行者の違い。お店など自店のお客様を対象にすれば自家発行型となり、第三者の事業者が不特定多数の利用者を対象とすれば第三者発行型となる。 第五のネットワーク(サーバー)型、ソフトウェア(クライアント)型は、電子マネー価値保管場所の違い。そして最後の第六のICカード型、磁気カード型、暗証番号型は、電子マネーの発行形式の違いである。

電子マネーが破綻すれば・・・?

 1995年ころから増え始めた電子マネー。期間、対象限定の実証実験から本格的な商用化を目指したものまで様々であるが、実は冒頭にあげた電子マネーの中でもうサービスを行っていない電子マネーがある。無論、その多くはサービス終了にあたっては十分な周知を行い、利用者には必要な精算している。しかし、ビジネスが大きくなればなるほどそれは難しい。また意図せず破綻した場合、十分に利用者が保護されない可能性がある。そうしたことからも実は電子マネーにも法律があり、それが平成元年に制定された前払式証票の規制等に関する法律(通称、プリペイドカード法)だ。

 この法律は、「(前略)前払式証票の発行者に対して登録その他の必要な規制を行い、その発行等の業務の適正な運営を確保することにより、前払式証票の購入者等の利益を保護するとともに、前払式証票に係る信用の維持に資することを目的とする」(同法第1条、目的)に制定されたものだ。概要としては、簡単に言えばデパートの商品券、ハイウェイカード、オレンジカードなどの様にカードの発行と提供が同じ自家発行型のカードに対しては内閣総理大臣に届け出義務を課すとともに、クオカードのように様々な店舗で利用できるカード発行を行う第三者発行型に対しては、同じく内閣総理大臣への登録制とし、未使用残高が1000万円を超えるものに対してはその半分を保証金として供託することを義務が課すというものだ。

 しかし、ここでよく考えてみたいのは、この法律の対象である。この点について毎日新聞が「プリペイドカード規制法:改正案、ネット決済も規制 利用者保護狙う−−金融庁方針。」(平成16年12月9日)という記事の中で以下の様に報じている。即ち、「金融庁は(平成16年12月)8日、インターネットなどで利用されている前払い方式の決済サービスを行う事業者について、届け出や登録の対象とし、金融機関に供託金を積むよう義務づける方針を決めた。プリペイドカード規制法(前払式証票規制法、プリカ法)改正案を早ければ来年の通常国会に提出し、同庁への報告書提出を義務づけ、立ち入り検査の対象にする。事業者の倒産で未使用の前払い金が無効になることがないよう利用者を保護するのが狙い。違反者は3年以下の懲役か300万円以下の罰金を科す方針。(平成16年12月)14日の金融審議会(首相の諮問機関)第2部会で議論を開始する。現在のプリカ法は、前払いで購入し、利用可能残高が記録されているカードを使うサービスが対象。だが、最近は残高をインターネットのサーバーコンピューターなどでデータ管理し、カードに残高データを記録しないケースが増えている。例えば、暗証番号だけが書かれた「プリペイドカード」や、クレジットカードでネット上の仮想商店街に一定金額を前払いして買い物するサービスなどは現行法の規制対象外。(一部、筆者追加)」と報じている。つまり一部のタイプの電子マネーには同法が対応していないということになる。
まとめ
 いわゆるプリペイドカード法は、テレホンカードやオレンジカードなどが華やかし頃に制定された。しかし、当時インターネットの商用利用もなく、電子マネーも恐らくまだ研究段階に過ぎなかっただろう。従って法令の不備はしかたない。時代が変われば法律も変わるということだ。当然ながら法令上の不備をもって電子マネーに問題があるということではないのはいうまでもない。なお電子マネーの関係法令は他にもあるが煩瑣になるのでここでは割愛する。
■参考、引用文献
新六法(三省堂)
毎日新聞
日経流通新聞
■参考、引用URL
エディ
ウェブマネー
■お断り
本リポートは、ITビジネス起業者等へ法制度面のアドバイスをさせていただくことを趣旨としております。つきましては、内容の公正性を期するために公的機関等を除き、企業名、個人名等は原則として割愛しております。
なお本リポートの内容については、お客さまご自身その内容を判断するものとし、上田英雅又は本リポート掲載先サイトの管理者であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社はいかなる保証も行わず、いかなる責任も負担いたしません。
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上田 英雅(うえだ ひでまさ)
ECリーガルアドバイザー
所属:NTTコミュニケーションズ(株) 経営企画部
専門:EC(電子商取引)、EC法制度
所属:情報ネットワーク法学会
出身:京都府