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インターネット法制度を知る!
第3回 フィッシング詐欺にご用心

2004年08月23日

フィッシング詐欺日本上陸!

 平成16年5月27日、読売新聞に「フィッシング詐欺上陸、個人情報聞く為の偽メール」と題した記事が掲載された。記事は「クレジットカード会社を装って(他人の)クレジットカード番号や住所などの個人情報を聞き出す偽の電子メールが、不特定多数のインターネット利用者に送りつけられ(一部、筆者加筆)」たとして、新手の詐欺が上陸したことを伝えている。

フィッシング詐欺って何だ?

 そもそもこのフィッシング詐欺だが、警察庁が平成16年6月4日に以下のように発表している。曰く「フィッシング(Phishing)とは、銀行等の企業からのメールを装い、メールの受信者に偽のホームページにアクセスするよう仕向け、そのページにおいて個人の金融情報(クレジットカード番号、ID、パスワード等)を入力させるなどして個人の金融情報を不正に入手するような行為であり、その情報を元に金銭をだまし取られる被害が欧米を中心に広まっています。今後、日本においても同種の形態による被害が予想されるところです。」とのこと。なおこの「フィッシング」とは、英語の造語で、洗練された(sophisticated)手法で被害者を釣る(fishing)という意味だ。
 そして残念なことだが、米国ではシティグループやビザ・インターナショナルなどを、日本ではJCBなどを語ったフィッシング詐欺が発生している。これらの中には本物のサイトをコピーした精巧な偽サイトを用意しURLを除けば本物そっくりですらあるものもあるという。

フィッシング詐欺にあわない為に・・・

 フィッシング詐欺によりクレジットカード番号、ID、パスワード等が盗まれれば、ネット通販などで簡単になりすまされて高額な買い物などされる恐れがある。この悪質なフィッシング詐欺にあわない為にはまずはどうすればよいか?答えは多数あるが、一言でいえば「慌てない」ことだ。フィッシャー(フィッシング詐欺の詐欺師)の目的はただひとつ。あなたのID・PWや個人情報だ。彼らは、突然に「あなたの口座の更新期限が迫っています」などもっともらしいメールを、もっともらしいアドレスでもって送りつけてくる。このメールをみたあなたは疑いもなくこのメール(HTML形式が多いのも特徴)が指示する偽サイトにアクセスし、ここで大事なID・PWや個人情報を入力するとそのままそれが盗まれてしまう。
 従ってそうならないために、まずは怪しいメールを疑ってみる(送信者詐称)ことが肝要だ。また真正な公式サイトにアクセスしそうした依頼があるかを確認することも大切だ。いずれにせよ慌てず、騒がず、冷静に。

フィッシング詐欺を取り締まれないのか?

 残念ながらフィッシング詐欺そのものについて有効な法制度は現時点では存在しない。これはID・PWといった「情報」を盗むという行為と実害が必ずしも一致しない場合があることが背景にある。
 従って現状では偽サイトに自社のロゴや(サイトの)文章などが利用されていれば著作権法侵害等を主張できるが、行為自体は取り締まれない。


関係法令

著作権法
第二条(定義)この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
第十条(著作物の例示)この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一  小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
四  絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物

まとめ
ID・PWというと不正アクセス行為禁止法が思い当たる。しかし、この法律は自らID・PWを正しく管理していることが前提であって、ID・PW自体が盗まれれば何の意味もない。その意味ではクレジットカードのカード情報を特殊な機器を利用して読み取るスキミング行為とイメージは近い。
なおクレジットカードが盗難等により不正に利用された場合は、カード会社が加入する損害保険が基本的には適用される。しかし、フィッシング詐欺により盗まれたID・PWがネット通販、ネットバンキング、オンライン証券などに利用された場合でも有効かどうかは微妙だ。またその意味でも無体物である「情報」の扱いついて真摯に検討することが重要かもしれない。
■参考、引用文献
新六法(三省堂)
■参考、引用URL
警察庁
読売新聞
■お断り
本リポートは、ITビジネス起業者等へ法制度面のアドバイスをさせていただくことを趣旨としております。つきましては、内容の公正性を期するために公的機関等を除き、企業名、個人名等は原則として割愛しております。
なお本リポートの内容については、お客さまご自身その内容を判断するものとし、上田英雅又は本リポート掲載先サイトの管理者であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社はいかなる保証も行わず、いかなる責任も負担いたしません。
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上田 英雅(うえだ ひでまさ)
ECリーガルアドバイザー
所属:NTTコミュニケーションズ(株) 経営企画部
専門:EC(電子商取引)、EC法制度
所属:情報ネットワーク法学会
出身:京都府