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インターネット法制度を知る!第2回 Winny(ウィニー)って何だ?

2004年07月26日

平成16年5月10日、Winny(ウィニー)開発者逮捕!

 テレビ、新聞各紙は、この日京都府警ハイテク犯罪対策室がある著名国立大学の助手をファイル共有ソフトの一種「Winny(ウィニー)」を開発し、不特定多数の人に映画や音楽、ゲームソフトなどを違法にコピーできるようにしたとして著作権法違反ほう助の疑いで逮捕したと報じた。
事件は、その人物の肩書きもさることながらその逮捕理由が「著作権法違反ほう助の疑い」というその一点に注目が集まった。
しかし、そもそも「Winny(ウィニー)」とは一体何だろうか?そしてなぜこのことがこれだけ大騒ぎになったのか?法的には何がポイントなのか?以上、三点についてリポートしたい。

ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」って何だ?

 最近、よく耳にすることが多い「Winny(ウィニー)」。この「Winny(ウィニー)」は、大きく言えばファイル共有ソフトの一種。映画、音楽、ゲームなど何Mb以上もある大きなサイズのファイルを送受信しようと思うと大変難しいが、「Winny(ウィニー)」を利用すればユーザー間で共有できる。ただ特定のサーバーを使わず、暗号化されたファイルが自動的に複数の利用者間でリレーされていく方式の為、ファイルがどこから送受信されているのか特定しづらいという特性がある。また極めて匿名性が高く、「ソフト違法コピーの温床」とも言われている。
にもかかわらずこの逮捕された開発者は、このソフトを広く公開し、大手掲示板サイトでも挑発的な書き込みを行っていたという。

なぜ開発者逮捕がこれだけ大騒ぎになったのか?

 今回の事件の前哨戦である平成14年11月に話題となった「WinMX」事件、逮捕された開発者の高い肩書きや以前から別名「神」として崇められてきたことなどは伏線にあるだろう。しかし最大の理由は、「Winny(ウィニー)」の開発、サイトでの公開という行為が逮捕というところにまで至ったことにある。
これについて、日本経済新聞(2004/05/31)によると、「〜昨年(平成15年)9月に群馬県高崎市の自営業者と松山市の少年がウィニーを使って、著作権者に無断で映画やゲームソフトを不特定多数が違法にダウンロード可能な状態にするのを助けたとされる。(一部、筆者追加)」において「Winny(ウィニー)」が利用されたことが背景にあるとしている。しかしそれが直ちに「著作権法違反のほう助容疑」として逮捕に至るということに衝撃が走った。

開発者逮捕。法的に何がポイントなのか?

 本件であるがまだ起訴前の事案であり、詳細は未詳である。従ってあくまでご参考程度としたいが、ポイントは「Winny(ウィニー)」のような著作権侵害の可能性のあるソフトウェアを多数の人がダウンロードできる状態においたということの是非といえる。ただ問題は複雑だ。


著作権法
第23条(公衆送信権等)著作者は、その著作物について、公衆送信 (自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
第119条(罰則)次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
1.著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害した者(後略)
刑法
第62条(幇助)正犯を幇助した者は、従犯とする。
第63条(従犯減軽)従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

まとめ
本件であるが、端的に言えば「Winny(ウィニー)」という(著作権侵害につながる可能性のある)「道具」にどこまで責任があるかということだ。裁判でもこのことが中心的に争わされるだろう。ただ色々な意見、立場の方がおられるので本リポートとしてのコメントは差し控える。
なお今回の事件は別として、例えばゲームソフトの画像を著作権者の承諾なくサイトに掲示し、ダウンロードさせるなどは著作権侵害等となる可能性が高い。また余談だが、「Winny(ウィニー)」利用者に架空請求をはかる輩まで登場している。いずれにせよ、建設的な議論がつくされることが重要だ。
■参考、引用文献
新六法(三省堂)
■参考、引用URL
日本経済新聞
■お断り
本リポートは、ITビジネス起業者等へ法制度面のアドバイスをさせていただくことを趣旨としております。つきましては、内容の公正性を期するために公的機関等を除き、企業名、個人名等は原則として割愛しております。
なお本リポートの内容については、お客さまご自身その内容を判断するものとし、上田英雅又は本リポート掲載先サイトの管理者であるエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社はいかなる保証も行わず、いかなる責任も負担いたしません。
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上田 英雅(うえだ ひでまさ)
ECリーガルアドバイザー
所属:NTTコミュニケーションズ(株) 経営企画部
専門:EC(電子商取引)、EC法制度
所属:情報ネットワーク法学会
出身:京都府