人材や資金が豊富な大企業と異なり、中小企業のIT化は宅見社長のように経営者自身が動こうという気概がなければうまくいかない。ITはただ導入すればいいというものではなく、将来的にどう活用したいのかをあらかじめ想定しておくことで、その後のかかる手間や費用が違ってくる。
また、社内だけで利用するようなネットワークを組むのではITの利便性を生かすことはできない。同業他社や取引先との連結を強めてこそITを活用していると言える。IT化成功のポイントをまとめてみよう。
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| 宅見リフォームのようにIT化で成功を収める企業がある反面、失敗してしまうケースも少なくない。そんな現場でよく耳にするのは、「社員に任せきりにした結果、できあがったものが気に入らず使っていない」「実際に稼働させたら使いにくくて困っている」「必要な機能が抜けていた」といった言葉だ。
パソコンやFAXといった新しいツールの使い方を覚えるのを嫌い、操作は部下任せ…といった経営者の中には「パソコン=IT」だと思っている人もいる。そのためパソコンに詳しい若手社員などをIT化推進の担当者に任命するパターンが多い。 たしかにパソコンに関する知識も必要だが、もっと必要なのは現在の社内システムを熟知している人材だ。現在のシステムの中で絶対に必要な機能と省略したい機能、そして追加したい機能をきちんと把握している人材こそ担当者にふさわしい。その上で、全ての部署とスムーズにコミュニケーションをとれる人物であることも担当者選任の重要なポイントだ。
また、社員の中には新しいシステムの導入に抵抗を感じる者も出てくる。しかしトップが積極的に動いていれば、IT化の必要性を強く感じ、導入への気運も高まる。これによりIT導入の担当者たちが動きやすくなり、それだけ導入に向けての準備もスピードアップする。
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| 当然のことながらIT化するためにはそれなりのコストがかかる。IT化失敗の原因のひとつに「予算は与えず結果ばかり求める」がある。以前から使っている古いパソコンをそのまま利用しろ、専門家でもない社員にネットワークを構築しろ、データベースを作れなどと指示する経営者もいると聞く。
指示された者がITに詳しかったら違う方法を進言することもできるが、そうでない場合は指示に従うしかない。結果、時間をかけてできあがったものは単なる社内LANだったりする。 社内の人材で実行すれば一見安上がりだが、それにかかった時間を給与で換算すると外注した方が安くて使いやすかった、ということもありうる。
今回のようにIT業界と無縁の会社であるなら、IT化を実現するために社員を教育するのではなく、専門業者に依頼するのが一番だ。業者との打合せなどには社内担当者があたり、社内の要望をまとめて業者に伝え、業者からの提案を社内にフィードバックしていけばよい。 |
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もし、IT業者に発注することになった場合、最初にしなければならないことがある。業者はソリューションの提案をするにあたり、IT化を考えている企業がどのような要望を持っているのか確認してくる。このときにきちんと要望を伝えることができるのとできないのでは業者からの提案内容も経費も違ってくる。
漠然と「このままじゃマズイからなんとかして欲しい」といったリクエストをされては業者も困るが、それ以上に困るのは自分たちだ。システムが完成したものの使いこなせずに高くついてしまったり、逆に欲しかった機能がついていなくて後で追加料金を払う羽目になったりしないよう、「いずれはこんなこともしたい」というビジョンまでIT業者に伝えておくことが必要だ。 建築などでもよくあることだが、将来間取りを変更したい旨を建築家に伝えておけば、フレキシブルにレイアウトを変えられるような設計をしてくれるが、伝えていなければ現在のオーダーに合わせた設計になってしまう。
電気などの配線がいい例だ。設計段階での配線は壁の中を通して表に出ないようにするが、壁が完成してしまってから「ここにコンセントをつけたい」ということになると、壁の上に配線コードを這わせて設置するか、費用をかけて壁を壊して配線し直し・・・ということになってしまう。 これが設計時に「ここにも電源が必要になるかも」と予想できていれば、あらかじめ壁内に配線をしておき、必要になったときに簡単に設置してもらえる。つまり初期投資以降の経費が安く済むということだ。 |
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自社のシステムに合わせて構築してもらうのは予算的にどうしても難しいという場合は、既存のサービスを利用してホームページの制作や社内ネットワークの構築、IP電話の導入など身近なものからはじめるのもよいだろう。
たとえば26Mbpsという高速ADSLとIP電話がパッケージになった「OCN
ADSLセット(ドットフォン付き)」と、独自のドメイン名のメールアドレスとホームページを利用することができるレンタルサーバサービス「マイホスティング」の組み合わせでも料金は月額5,360円(税込5,628円)(ただし、工事費用などは無料だが、初期設定およびモデムレンタル費用は別途必要となる)。これならすぐに導入できる程度の経費で済む。支社や営業所にも同社のIP電話を設置すれば通話料は0円で、顧客など一般加入電話との通話料も3分8円(税込8.4円)と大幅に通信費を削減ができる。 「マイホスティング」ではメールホームページ共にウィルス・セキュリティ対策も万全で、ホームページへのアクセスを分析する機能やアンケート機能も装備。社内で制作できない場合は「ホームページ作成サービス」も用意されている。
また、パソコンが揃っていない企業は、ビックカメラとの提携により、社内LANの導入とインターネットの利用を行いたい企業に、回線とパソコンを低コストで提供するサービス「Bicビジネス(LAN)パック」も利用できる。最適なパソコンを別途導入・設置する手間が省けるのでパソコンに詳しい人材のいない事務所なども安心だ。 |
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社内LANだけでは物足りない、取引先や在宅勤務など社外ともデータを共有したい、という場合はオンラインストレージを利用できる「ShareStage ASPサービス」がある。これはインターネット上にハードディスクを一台設置したようなもので、初期設定費用30,000円(税込31,500円)、月額利用料金39,000円(税込40,950円)でインターネットを介した資料やデータの共有が可能となる。もちろん利用できるのはIDとパスワードをもらったメンバーだけでセキュリティなどの管理もしなくてよい。
これらの手軽に実行できるサービスを利用し、社員がITについていける土壌を作ってから本格的なサービスに移行するのも賢いやり方かもしれない。
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