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機密保持も24時間デリバリーも、お客さまのため 古い業界に新風を吹き込み、win-winをめざす
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クラフトは、真空蒸着から各種真空装置のメンテナンスまで「真空」を専門とする商社兼メーカー。創業8年目の若い会社ながら、100社を超える取引先・100社に迫る仕入れ先をもつ。その急成長と顧客の信頼の秘密とは。そして、次の目標とは。
「即日発送」がクラフトのモットー。在庫品の置き方には、誰でもすぐ取り出せる工夫が。
--- 「真空蒸着」という技術がある。簡単にいえば、真空のなかでアルミなどの材料を加熱・気化させ、離れた場所に置かれた目的物の表面に付着させる技術である。
「簡単にいえば、ヘッドライトやミラーの鏡面など、ピカピカ光る部分をつくる技術です。19世紀に開発されましたが、現在ではビデオテープなどの磁気テープ、スナック菓子の袋の内側、ディスプレイの電極や絶縁膜、コンデンサ・集積回路などの電子部品、ファッション素材、建材等々。非常に多くの製品や部品に使われています。従来のメッキより環境への負荷が少ないので、需要も拡大中。あらゆる分野でニーズがあるのに、小規模のメーカーが多いというのも、この業界の特徴ですね」(丹下康彦・代表取締役)
--- 丹下さんが「真空蒸着」と出会ったのは約11年前、専門商社の営業マンとしてだった。もともと研究熱心で行動派、既存の取引先を担当するかたわら新規の取引先・仕入れ先の開拓に、国内を飛び回った。
「その間、顧客が必要しているサービスが実現されていない実態を痛感しました。改善提案をしても残念ながら会社には受け入れてもらえなかった。思い切って独立したのが、8年前。事務の女性と二人での出発でした(笑)。率直にいって、『丹下には売るな』と圧力をかけるといった妨害もありましたが、逆に『構わないから仕入れてよ』と応援してくれたのは嬉しかったですね。営業マン当時できなかったサービスを全部やるというのがクラフトのモットーです」
--- その代表例が、「即日発送」のデリバリーである。必要な部品が欠品すればお客様が困ってしまう。だったら即配送できるシステムをつくろうと、汎用部品はあえて在庫を抱え、10個・20個の小ロットでも即、対応している。24時間、注文や問い合わせが受けられるよう、営業時間終了後は会社の電話を自分の携帯へ転送するほどの徹底ぶりだ。
「真夜中に3時間でお届けしたこともあります(笑)。緊急時や困ったときなど、24時間いつでもつながるという安心感をお客様に提供したいんです。もちろん、それがお客様の信頼を生み、業績の拡大につながるという経営判断もあります。でも、この業界を何とかしたいという気持ちもウソではない。取引先はもちろん仕入れ先とも『クラフトとつきあってよかった』と思っていただけるwin-winの関係を築いていきたいと思っています」
このピカピカ光る感じが真空蒸着。展示会でブースに置くとみんなが寄ってくるという。
--- いまクラフトと「つきあいのある」企業は、販売先で3桁、仕入れ先で2桁の後半にもなるという。日本を代表する電機メーカーから大学や研究機関、家族経営のメーカーまで、あらゆる規模を含むといっても過言ではない。社員が7名に増えた現在でも、先頭にたって新しい取引先をエネルギッシュに開拓している。
「営業マン時代もそうでしたが、情報という付加価値を届けているからだと思います。この業界では自社の技術にしか目が向いていない企業が多いんです。だから、顧客はこんなモノを求めている、こういう新しいやり方がある、こんなノウハウが活用できるといった情報が喜ばれるんですね。特に、仕入れ先は世代交代が進んでおらず、いま37歳の私が飛び抜けて若い。注文などはいまでもFAXと電話が主流の世界。お互いのメリットになる情報やノウハウの流通や共有が進んでいないのが実情です」
--- 昔ながらの業界だからこそ、新しい息吹を吹き込み、意識ややり方を改革していきたい。ホームページを開設したのも、カタログをつくったのも、そのためである。
「真空蒸着は、限られた人にしか関心のない分野ですから、ホームページを開いたときは半信半疑でした。ところが、効果は驚くほど。いま取引いただいている大手企業はみなネット経由でのお客様なんです。技術や開発、設計部門のエンジニアが検索でクラフトを見つけ、メール等で問い合わせがあり、それがキッカケというのがほとんどですね。売り込みも増えましたが、情報収集という意味ではプラスかな(笑)。カタログをつくったのは昔、『カタログもないのか』と大手に信頼してもらえなかった苦い経験があるためです」
顧客の望む品質で届くよう、一点一点真空処理し、乾燥剤を入れる。手間ひまを惜しまない取り組みに、クラフトの姿勢が凝縮されている。
--- 研究所や開発部門等からの注文には、当然、まだ発売前の製品用部品も含まれている。機密保持とセキュリティにも、十二分に配慮するのが、クラフト流。在庫品のストックと発送作業を兼ねた部屋は、もちろん「部外者立ち入り禁止」である。現在のオフィスに引越したのは、昨年夏。図面や写真の添付、海外とのやりとりが増えたため、「Bフレッツが使えるところ」が絶対条件だったという。
「売上の60%は部品ですが、この2年ほど改造やメンテナンスなど、真空装置設備関係の仕事が少しずつ増えてきましたね。特注のカスタマイズ品はまだ数%程度ですが、自社工場の開設を計画中です」
--- 丹下さんの狙いは、内制化によるコストメリットだけではない。例えば、「通常は5日の納期を何とか3日にしてほしい」という得意先のニーズに応えるためには、ムリが効く自前の工場が必要だと考えているからだ。
「もう一つは、製品でもやり方でも『こんなことにトライしてみたい』をできるようにするため。さらに提案型の仕事ができる信頼と体力がついてきたので、必ず早い時期に実現させます」
IT活用度を自己採点してもらいました。
インターネット経由の受発注はまだ1社のみだが、ITはクラフトのビジネスを支えるツール。特にホームページは、効果抜群。問い合わせだけでも、毎日数件ある。
経理業務はIT化済み。在庫管理も計画中だが、品目が極端に多いのが悩み。
国内出張も多いし、海外もしばしば。海外でも使えるケータイは必需品。
図面のやりとり・見積り・納期の確認等々、メールはビジネスの生命線。「Bフレッツ」必須でオフィスを選んだ。
「活用度は5」と言い切るだけに、ITをツールとしてしっかりビジネスに活かしている。機動性や転送機能をうまく使ってサービスを充実させる積極的な姿勢は見習いたい。
株式会社クラフト
代表者 代表取締役・丹下康彦
設立 1999年10月(有限会社クラフトにて創業) 2005年7月(株式会社へ変更)
社員数 7名
事業内容
1.タングステン・モリブデン・タンタル・チタン・ニッケル・ステンレス・アルミ等 非鉄金属材料の販売及び加工品の製造販売
2.各種真空装置の販売及び改造、メンテナンス
3.各種真空装置部品の製造販売
4.樹脂・ガラス・セラミック・カーボン材の加工販売
5.上記に関連する一切の業務
本社 東京都品川区東中延1-12-11
http://www.craft-metal.com/main.html
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