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ビジネスのツボ

前向きの「コスト削減」で、売上拡大 取れなかった仕事が取れ、Win-Winの実現も可能に
コスト削減の成否を決めるのは、発想力と戦略性にある。これを実証したのが、サンパートナーズだ。1年で売上高2倍を実現、3年目には4倍が見込まれている。見事にホームランをかっ飛ばした、サンパートナーズの「コスト削減」のツボとは。
業績不振の企業を再生、社員の意識を大きく変える
--- 優れた技術や実績をもちながら、経営不振に陥いる。こうしたことは、現代の厳しいビジネス社会では、決して珍しい事例ではない。そして、倒産ということになれば、その技術や実績は消滅してしまうのである。東京の印刷会社S社も、その瀬戸際にあった。

短観  
安定した優良得意先をもつことがわかる、主力商品の一つ。
「非常にいい顧客をもち、信頼もある。社員も真面目で熱意がある。こういう企業をそのまま消滅させてしまうのは惜しいと思いました。S社と社員ががんばってきた印刷領域に、『パートナー』のもつ地図データベースのノウハウを加えれば、新しい展開も望める。経営的にも目算がたちますので、支援しようと決めました。」(加藤大作・代表取締役)


--- 加藤代表取締役は、現役の税理士。仕事上で知り合い、意気投合した2人のベテランビジネスマンと、「中小企業の再生を支援しようと」と、2004年に立ち上げたのがサンパートナーズ。社名には、よきパートナーでありたいとの思いが込められている。2005年春、S社の負債を整理し、社員は全員移籍、「印刷・コンテンツ制作」を事業メニューに加えたサンパートナーズが誕生した。

「私たちは印刷は素人。印刷事業は、S社の社員たちに100%委ねました。その分、彼らが働きやすい環境の整備と、前向きにチャレンジしようよ、と意識改革に力を入れました。」
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近視眼的なコストダウンでは意味がない。創造性アップにつながる「削減」をめざす。
--- 経営が苦しくなってくると、企業はどうしても守りの姿勢に入ってしまう。視野も狭くなるし、発想も広がらない。それが競争力を削ぎ、業績をより悪化させるという悪循環を招きよせるのである。

「例えば、経費の節減がそうですね。小さな削減に気をとられて、逆に効率が悪くなってしまうのです。現場のニーズを無視して、効率の悪いIT機器を使用していました。まず、ここを変えようと、ディスプレイを変え、最新のソフトを導入しました。短期的にはコストアップになりますが、効果は決して小さくありません。近視眼的な、数字上のコスト削減では意味がない。創造性のアップや売上拡大につながるコスト削減をめざすべきだと思っています」

--- 数字上のコストだけに気を奪われていると、視野はますます内向きになる。旧S社の例でいえば、「自分たちの設備でできる範囲の仕事」に意識が固まり、習慣化してしまっていた。当然、いままでやったことのない仕事には手をださなくなる。そこに市場やニーズがあっても、チャレンジできなくなってしまうのである。

「それが変わるキッカケとなったのは、DVD制作の仕事でした。
私が台湾で協力工場を探してきたことも、刺激になったのかもしれない(笑)。できないからやらないではなく、できる仕組みをつくろう、自分たちでもノウハウを勉強してみようという風に、変わってきたのです。そうなると、もともと優秀な人たちですからね、自分たちで考え、工夫することで仕事のやり方が変わり、効率もよくなる。結果として業績もあがりました。昨年度2億5000万円の売上が今年度は2倍、5億円が見込まれています」
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我が社のIT度チェック
IT活用度を
自己採点してもらいました。
パソコン度
ソフトを最新のものに入れ替え、業務効率をアップ。
モバイル度
現場で機械を止めずに連絡ができるようにと、全社員にケータイ。
メール度
コミュニケーションツールとしてメールを活発に利用。
省スペースのノートパソコンをフル活用。伸び伸びと仕事がしやすい環境づくりも、同社のポリシー
インタビュー後の総評
「わが社のIT度はまだまだです」とサンパートナーズ・加藤社長。部署毎に業務処理を行っている現在の体制をまずソフトのバージョンアップで効率化を支援、「将来的にはLANへ移行」の予定。ムリのない段階的計画は、参考になりそう。
発注先とやり方の見直しで、競争力をアップ 戦略的コスト削減で、売上とノウハウの拡大を実現
--- その一方、加藤代表取締役らパートナーは「環境整備」に力点をおいた。全員の移籍から1年後にアンケートを実施し、どんな問題があるのか、何を望んでいるのか、本音を引き出したのである。

「一言でいえば昔の体制は、風通しが悪かったんですね。担当者が何年も変わらないとマンネリになるし、個人プレイに陥りがち。チームで仕事する体制にし、担当者の入れ替えを行いました。嬉しかったのは、トップ営業マンの女性が別の業務の担当になってすぐ『この仕事はコストダウンできるのではないか』と提言してくれたこと。実際、製本業者などを変えることでかなりなコストダウンになり、いままでとれなかった仕事も取れるようになりました」

自主制作のカレンダー
社員に「モノを売る」経験をさせたいと、カレンダーを商品化。
 
--- サンパートナーズのもう一つの事業、不動産物件の流通に欠かせない間取り図や地図の制作では、中国に協力工場を設け、売上拡大につながるコスト削減と、スピードアップを実現している。さらに受注生産でモノを売るという経験をしてこなかった社員たちに、新しい視野と経験を与えたいと、自社制作のカレンダーの販売も始めた。売上げの半分は売った人のもの。商売の原点である「モノを売る喜びを味わわせたい」との「親心」でもある。

「来年度からは、いくつかの財団法人からバックオフィス業務のアウトソーシングを受託できる見込みです。これらのお客様は、年間大量の印刷物を必要とし、倉庫で保管していました。でも、当社が引き受ければ、必要に応じて印刷し、発送を含めた代行管理ができる。お客様にとってスペースと人手、コストの削減になります。今後は、セミナーの運営やデータベース、集金代行までバックオフィス業務全般へとひろげていく計画。お客様にとってはよりコストダウンとなり、当社にとっては新しい事業とノウハウの拡大になります。コスト削減を戦略的に行うことは、Win-Winを実現する有効なプロセスともいえますね。」
バックオフィス業務が軌道に乗る2007年、売上高は3年で4倍の10億円に達する見込みだ。
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掲載企業概要 Company Profile
サンパートナーズ株式会社
代表者 代表取締役 加藤大作
設立 2004年8月
本社 東京都港区西新橋3-6-2 事業所 浦和工場
事業内容 出版・印刷業、情報処理、ロジスティクス
http://sunpartners.net/
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