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ビジネスに勝つ 三種の神器06

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ご近所に愛されるラーメン店をつくる
代表 高橋俊雄さん
「博多らあめん斗樹」は、東京・品川区に2店舗を経営するラーメン専門店。ラーメン激戦の時代に、創業1年で2店舗を出店、この9月には3店目がオープンする。飲食業で独立の夢に加速をつけて前進する、高橋俊雄さんが語る成功のポイントとは、そして三種の神器とは。
インタビュー
Interview
神器01 近所づきあい
飲食業のなかでもラーメン店は、とりわけ競争が激しいように思いますが、あえて選ばれたのは、なぜですか。
 将来は飲食店をやろうと決めて、21歳のとき博多から上京。レストランや居酒屋などで働きました。当初は居酒屋がいいかなと考えていたのですが、僕は料理には素人ですから居酒屋ではどうしても料理人の権限が強くなってしまいます。それでは面白くない(笑)。自分で采配を振えるラーメン店の方が性格にあっていると思ったんです。とはいえ、未経験では経営できません。某有名店で2年間働き、ラーメンづくりとラーメン店とは何か、僕なりにつかみとりました。
「お客様に愛される店」をという意欲を象徴した愛用の前掛け。気持ちを大切にする高橋さんらしい選択。
「お客様に愛される店」をという意欲を象徴した愛用の前掛け。気持ちを大切にする高橋さんらしい選択。
独立のための資金も、準備してこられたのですね。
 資本金ぐらいは貯めましたが、それだけでは当然足りません。厨房器具はリースですし、不足分は金融機関からの融資です。融資を受けるために事業計画書を出したのですが、月商200万円で提出したら「ノー」と言われた。ラーメン店の平均月商は100万円程度だからムリというわけです(笑)。僕としては自信がありましたし、実際、2005年2月にオープンした1号店では3カ月目に黒字になり、以来、月商目標をクリアしつづけています。
平均の倍の売上をあげるポイントはどこにあるんでしょう。
 僕が重視したのは、地元に愛される店であることですね。1号店を出した品川区荏原は、下町の雰囲気の残る古くからの商店街です。地元の人や近くの会社に勤める人がお客様ですから、地元に受け入れてもらえる店でないといけない。商店街の方々にはキチンと挨拶しましたし、町内の行事には積極的に参加しました。また、泥酔していて他のお客様に迷惑をかけそうな人は入店を断るなど、お客様に気持ちよく食べていただける店づくりを実行しました。
地元にはすんなり受け入れてもらえましたか。
 率直にいって最初はちょっと壁を感じましたね。実は、開店当日に僕のミスでボヤを起こしてしまったんです。真夜中の2時に消防車が来る騒ぎになって、1週間営業停止でした。でも、逆にそれがプラスになった。ご近所に誠意を込めてお詫びしたことが僕という人間を受け入れてもらえるキッカケになったし、オープン当日にわかった悪い点を休業期間中に修正できました。
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神器02 オリジナリティ
こがしネギづくりに6時間と努力を惜しまないのが高橋流。店や機器のリースを積極活用するなど、経営判断の切れ味は鋭い。
こがしネギづくりに6時間と努力を惜しまないのが高橋流。店や機器のリースを積極活用するなど、経営判断の切れ味は鋭い。
固定客を増やすためには、味も重要な決め手だと思います。「これが斗樹の味」というのは、しっかり準備されたのですか。
 僕は走り出してから考えるタイプなんです(笑)。なので、オープン当時は、まだピタッと決まった味ではなかった。これでいいのかという不安がありましたから、最初はお客様の食べている姿を見るのもストレスになった(笑)。お客様の反応を見ながら少しずつ整えていったという感じです。ラーメンで難しいのは、出汁とスープのバランスです。新しい寸胴だとなかなかなじんでくれないなど、走りながら経験を積み上げていったというのが正直なところ。自信になったのは、やはりお客様の「おいしい」という評価でした。
博多ラーメンは、東京の人にはなじみが薄くありませんか。
 そうだと思います。だけど、僕は博多人ですから、子どもの頃から親しんでいたとんこつ味で勝負しようと思った。ここに迷いはなかったですね。
「黒胡麻とんこつ坦々麺」とか「こがしねぎとんこつ」など珍しいメニューは、オリジナリティを出す工夫ですか。
 「博多らあめん斗樹」らしい特色を出したいとは、考えていました。「黒胡麻とんこつ坦々麺」は、僕の先輩で中華料理のプロの人が考案してくれたもの。お客様の評判もいいですよ。「こがしねぎ」は、ねぎを弱火で1.5〜2時間かけてじっくり焦がします。手間はかかりますが、「斗樹」ならではのメニューを大事にしたいんです。
少人数でそこまで手間をかけるのは大変ではないですか。
 でも、1号店のときはアルバイトと僕の二人体制。開店から閉店まで1日12時間働いてきましたから、社員5人とアルバイト3人で2店舗のいまは少しゆとりができました。
お店の宣伝はどうやっているんですか。
 お金をかけての宣伝活動はしていません。費用対効果という意味もありますが、オープン中の店がチラシをまいたら、逆に「流行っていない」という宣伝になると思う(笑)。今年の3月にホームページを開設しましたが、宣伝というより知ってもらおうという意図の方が強い。麺の話など、コンテンツも少しずつ充実させていきたいと思っています。
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神器03 前進力
2号店の大森店のオープンは今年3月ですね。創業1年ちょっとで2店舗というのは、予定のペースですか。
 多店舗化は当初から考えてはいましたが、2〜3年かけて資金を蓄えてからと思っていました。出店ペースが早まったのは、店舗まるごとリースというシステムを利用したからです。店舗から厨房機器までまるごと借りますから、月々のリース料はかなりな金額になりますし、全部自分で準備するよりは割高です。でも、5年後には自分のものになる。僕は、負荷がかかるほど頑張れる方ですから、この選択をしました。
3号店は都心の神田へ進出、あわせて社員募集中との事。のれんはまだ増えつづけることだろう。
3号店は都心の神田へ進出、あわせて社員募集中との事。のれんはまだ増えつづけることだろう。
次のステップも考えられていますか。
 この9月に、同じく店舗まるごとリースを利用して、神田西口店をオープンします。その次は、麺を自家生産したいと考えているんです。現在は博多から仕入れていますので、コストが高いんですね。1店舗1日平均120〜130食ですから、3店舗になれば自家生産でもペイする。荏原店の裏にすでに場所を確保しています。
強い前進力を感じますが、課題として意識されていることもあるんですか。
 店を任せられる人を育てることでしょうね。飲食業未経験でアルバイトにきた人が荏原店の店長をやっているように、意欲が高くやることがキチンとできる人には、どんどん店を任せたいんです。僕は筋の通らないことは大嫌いですし、気持ちがあれば結果はついてくると思っている。僕自身もっと成長したいし、社員やアルバイトの人にも成長してほしい。経営者としては、まず彼らを信じてあげることが第一歩かなと思っています。
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掲載企業概要 Company Profile
博多らあめん斗樹
代表者/代表取締役・高橋俊雄
設立/2005年2月
事業内容/ラーメン専門店の経営
http://www.toki.hello-net.info/
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