
情報をどう管理するか、どう安全を守るか。
情報セキュリティはいま、企業にとって重要な経営課題である。
だが、セキュリティに対する意識や対策の実施の度合いには、温度差が大きいことも事実。
「仕事が忙しくて」「費用と人材の確保が難しいから」などの理由で、ついついなおざりにしてしまう企業も少なくない。
給排水や空調などの配管工事で豊富な実績をもつ峰南工業も、そうした企業の一つだった。
「私が入社した平成15年当時は、パソコンのウィルス対策も十分ではなかったほど。
年に一度ずつ位メンテナンス不良で立ち上がらないパソコンも出ていましたし、パスワード等の管理も甘かった。
率直にいって意識はかなり低かったと思います。
でも、設備工事という仕事柄、図面や見取り図、仕様書等々、重要な情報を日常的に取り扱うことになります。
社会の目も厳しくなってきていますから、もう忙しいから管理できないでは言い訳にならない。
万一の漏洩や管理ミスがあったらお客様に迷惑をかけるばかりか、企業責任が問われ、会社の存続すら危うくなりかねません」(経理担当・日笠実さん)
危機感を抱いた日笠さんは社長に進言、ウィルス対策からスタートし、セキュリティ強化策を立案していった。
同社が大きく動いたのは昨年の秋、防衛施設関連の設備工事を下請け受注したことが契機となった。
「厳重なセキュリティ対策を要する施設ということもありますが、情報漏洩に関することはもちろん工事用ネームプレイトの管理といったところまで規定がしっかり定められていました。
当社も他人事ではすまされません。
当社の通信回線はインターネットにつながっていますし、対外的には元請けになる設備メーカーや当社の下請けとして協力してくれる企業とのやりとりも頻繁にある。
我社にとっては、下請けといえども、厳密な情報管理下での作業を要求されることは日常的なもの。
本社と営業所間の拠点間通信を始め、ネットワークのセキュリティ確保は急務でした」
自社でサーバーを設置し、しっかり自社管理するという選択肢もあった。
だが、日笠さんはその選択肢には技術・資金・人の三つのリスクがあるという。
「技術の進歩は非常に早いですから、その時点で最新の設備に投資をしても翌年にはもう陳腐化してしまいかねません。
費用対効果を考えれば懸命な選択とはいえませんね。
いま私は経理業務と兼任でコンピュータの管理やセキュリティ関連の仕事をしていますが、当社のような規模の会社では、こうした体制が普通だと思います。
出張や病気などで私や私のような管理者が不在のとき、何かがあったら対処できなくなってしまうんです。
それに、技術動向を勉強しつづけないと知識の陳腐化も起きてしまう。
そうしないようにするには、労力とコストも大変です。
こうした人的リスクの回避も重要なポイントだと思います」 |
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