
釣りは、日本人に親しまれてきたレジャーの一つ。30〜50代の男性を中心に釣り人口は約1000万人、業界規模は4000億円※と言われている。なかでも人気が高いのは海釣りで、釣り人にとっては「いつ・どこで・何が釣れたか」という釣果情報が、行き先や釣り船選びのポイントである。だが、釣り人と釣り船を結ぶ情報チャネルはこれまで、スポーツ新聞や専門誌、TV番組、釣り船から釣り具店へのFAX情報など、ごく限られたものだった。おまけに釣り船の予約のほとんどは、釣りをする人が直接電話するシステム。初心者にとって敷居は高かったのである。そこにビジネスチャンスを見いだしたのが、B.Creation。同社・渡邉社長は、全国の釣り場を足で回り、船長さん一人一人に釣り船予約サイト『釣割』への加盟を呼びかけていった。
「ビジネスとしての立ち上げですから、一番需要の多い層をターゲットとしたサイトにしようと考えました。予約サイトは、旅行代理店やホテルと同様、集客率がものをいいます。全国の釣り船が予約でき、初心者にも利用しやすい『お得なサイト』をコンセプトに貫きました。この意味でも、『いつ・どこで・何が釣れたか』という釣果情報は、釣り船の予約に結びつく大事な商品です。この釣果情報を充実させるには、釣り船の船長さんとのコミュニケーションがきわめて重要。ビジネスの場はインターネットでも、電話は必要不可欠なビジネスツールです」(渡邉社長)
釣り船の多くは個人経営に近いため、オーナーである船長さんにとっても、集客を代行してくれるサイトはありがたい存在である。しかし世代交代は進みつつあるものの、船長さんの多くはアナログ世代。「釣り船の予約」には、お客様から予約が入る度に、その予約日に乗船が可能かどうか船長さんに直接電話をかけ確認をとる必要がある。さらに「今朝、沖合50mでアジが大漁にあがった」といった鮮度の高い釣果情報を入手するにも、船長さんに直接電話をかける。船長さんは港や船上にいることが多く、ケータイ電話へかけることがほとんど。全国各地の船長さんへの電話は1日100件。1件あたりの通話時間も長いときには10分以上に及ぶため、電話料金は相当な額にのぼっていた。
「もう一つの問題は、全国のお客様からの問い合わせの多さでした。普段でも電話でのお問い合わせや予約は1日50〜70件はありましたし、TVCMが放送された後の営業日には電話が殺到します。電話番号が一つでは、お客様からの電話なのか船長さんからのコールバックや加盟の相談なのか出るまでわからないことも、業務上問題でした。お客様受付専用電話番号の必要性を痛感していました」(管理本部財務経理課・岡佑樹主任)
B.Creationが解決したい問題は、それだけではなかった。同社の所在地は大阪市内、全国各地の釣り人や船長さんにとって『06』という市外局番が電話をかけるうえで心理的にもコスト的にもネックになることは明らかだった。
「遠距離通話は高いですから、私自身、大阪『06』から東京『03』へ電話をかけるのは抵抗がある(笑)。それに、大阪から遠い地域のお客様ほど通話料金の負担が大きくなり不公平も生じてしまいますので、できるだけお客様の通話料負担を少なくしたかった。何とか『脱・06』を果たしたいというのが正直な気持ちでしたね」
※財団法人社会経済生産性本部『レジャー白書2007』 |
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