
「ケアハウス真寿苑」には現在50人のお年寄りが生活している。入居者の平均年齢は80代後半。苑内で友だちをつくったり、サークルに参加したりと元気な人は多いが、それでも最大の楽しみは離れて住む家族とのコミュニケーションである。
「一人で寂しい思いをしないようにと配慮はしていますが、やはり肉親の方との会話は何より元気の素なんです。入居者は時間的ゆとりがあるせいでしょうか、電話を受けるよりかける方が多い。家が心配でと毎日かける方や遠くに住むお子さん、お孫さんと話すのを日課のようにしている方も少なくありません」(齋藤政夫・理事長)
真寿苑では入居者50人が利用する電話として4回線を50人で共有していたが、これではとても足りないというのが実情だった。その最大の要因は、電話をかける時間が集中してしまうことだ。
「楽しみだからゆっくりくつろいだ時間にと考える方が多いんでしょうね。夕食や入浴を済ませた時間帯に集中してしまいます。みんなが使うからなかなか掛けられないと寂しそうなお年寄りの姿をみて、コミュニケーションが円滑に行くようにしたいと前々から思っていました」
もう一つの問題は、電話のシステムそのものにあった。当時、真寿苑で使用していた電話機は、音声ガイダンスの後に部屋番号を押すとつながる仕組みで、家族の方がかけてきたときには、部屋番号を覚えていないとつながらない、直接すぐに話すことができず話をするまでに時間がかかりすぎるなど、改善を望む声が寄せられていたという。
「それとお年寄りを身近にみている立場で気になっていたのは、電話料金の負担です。真寿苑では電話料金はご本人の負担ですから、新潟市以外の県内や首都圏などに住む家族や友人に電話をかけると料金もかさんでしまいます。年金暮らしの方が多いですから、少しでも通信料の負担を減らしたいと思っていました」
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