
土地や建物などの不動産は、誰もが認める資産。その権利と公正を守るため、多くの法律が施行されている。だが、個人や専門スタッフ不在の企業が難解な法律用語を理解し、複雑な諸手続きを行なうのは至難の業である。我孫子総合事務所は、そこをサポートする専門家集団。昭和48年の創業以来、不動産に関わるさまざまな問題を専門家の立場でアドバイスし、登記手続き等の実務を代行している。
「当事務所はもともと測量から出発、有資格者が集まって共同事務所として大阪で誕生しました。顧客のほとんどは法人ですので、10年ほど前に顧客の利便性の確保と需要の拡大のため東京・横浜に進出したと聞いています。特に最近は建築基準法なども厳しくなっていますし、1〜2cmの境界線で紛争が起きるシビアな時代。われわれ専門家の知識と経験が果たす役割はさらに大きくなっています」
(仲田隆司・上本町事務所特定社員) プロフェッショナルな集団だけに意思の疎通はスムーズだが、情報の共有は不可欠。5カ所に分散している拠点を結ぶ通信が果たす役割は大きい。だが、それ以上に大きいのが、ビジネスツールとしての役割である。
「とにかく電話が多いんです。この上本町事務所だけでも、毎月の通話は700件を軽く超えてしまいます。顧客からの問い合わせや相談もメールより電話ですし、測量会社など業者と打ち合わせをするケースも多々ある。その上、専門的な話や複雑な話がほとんどですから、一度の電話に20〜30分かかることも多いんですね。お客様が電話をかけたときいつも通話中の状況では、ご迷惑をかけてしまうだけではありません。回線がパンクする恐れもあるし、ビジネスチャンスを逃しかねません。通信費の削減はもちろんですが、通話中をゼロにするというのも、大きな課題でした。
だが、この業界のIT化は意外なほどバラツキがある。「資格を取った日に辞表を提出」して会社員から同事務所に転職した仲田氏は、その業務環境の実態に心底、驚いたという。
「私が転職したのは10年前ですが、まだイロハ順の日本語タイプライターやワープロ専用機を使っていたのはカルチャーショックでした(笑)。電子化が必須な時代にこれでは非常にまずい。お客様の信用度にも関わってしまいます。将来の発展のためにも、まず通信環境の整備が必要だと思いました」
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『050』ナンバーの導入後、仲田氏の期待通り「通話中」のトラブルは消滅した。嬉しい誤算だったのは、そのコストダウン効果である。
「通信料金が月額で70%もカットできたことには、正直驚きましたね。コストダウン効果も含めれば『050』は、一石三鳥です(笑)。最近では大阪地区でも『050』が普及してきたので、今後は名刺やホームページにも記載して行く予定です。欲をいえば、無料通話先がわかりやすくなるなど、もっとメリットが伝わりやすくしてほしいですね」
課題だった通信環境の整備も完了、仲田氏は次へと照準を合わせている。本格化間近の「電子申請」への対応がそれだ。
「ご存じかもしれませんが、不動産登記には順位が重要な意味をもちます。抵当権一位と二位では権利が違うから、決済が出たら司法書士は文字通り法務局へ走るんです。でも、オンラインの電子申請が実施されれば、事務所でスタンバイし、即送信する体制に切り換えられます。客先にもっていったノートパソコンからでも可能になる。物理的にも精神的にも負担が軽くなりますから、いまからその日が楽しみなんです」
来るべき電子申請の時代に備えて、仲田氏はいま着々と準備を進めている。社内の勉強会もその一つだが、仲田氏は通信環境の整備をキッカケに導入された1人1台のパソコンのフル活用も推進中。操作にとまどう年配社員や他拠点のPCのトラブルに対してリモートアクセスでサポートすることもあるという。
「共有のデータベースをさらに充実させ、画面を見ながら『050』ナンバーの電話で打ち合わせをするといったことが現実になる日も近いと思います。直接話し合い、意見交換することも必要ですから通信を利用した会議も実現させたいんです。テレビ会議も考えていて、人が移動するコストや時間的ロスと導入費用とのバランスがどうかと思っていたところに、OCNドットフォン オフィスに無料でついてくる電話会議サービスという選択肢があることを知った。通信をどう有効利用するかは企業の競争力にもつながりますから、ぜひトライしたいと思っています」
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