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ICTコンサルティングガイド

情報システムのお悩みを解決する

2011年3月10日公開

Vol.3

業務システムが分かる人材を社内に育てたい

今回のお悩みは…

Q
社内業務システムが古くなり、そろそろ刷新の時期。
しかし、システムを把握する社員はすでに退職し、中身がどうなっているのか分かりません。どうしたらいいでしょうか?
A
逆に人材を育てる良いチャンスと考えてください。刷新プロジェクトに若い優秀なメンバーを割り当て育成し、次の世代の経営幹部として大きく成長させてみてはいかがでしょう。

業務システムが分かる人材を社内に育てたいITの業務ノウハウは一朝一夕には身に付きません。一般には少なくとも2〜3年かけてようやく初級レベル、そこから上級レベルになるまでさらに10年かかる業務もあります。人材の流動性が高まりつつある昨今、固定人材をIT部門で確保することは難しいのが実情でしょう。でも考えてみてください、昔はどうやってきたか。人材が充分でない中、一つひとつの業務を整理し考え、業務部門とIT部門が一緒になってシステムを作ってきたではありませんか。それが技術革新とともに“ヒト”が入れ替わり、いつの間にか社内に業務や技術のノウハウが蓄積されていない、というのが現状です。

業務のノウハウをIT部門に習得させるには、業務部門と一緒に仕事をさせるのが一番です。しかし多くの企業では、業務部門とIT部門間の人材交流が遮断されてしまっています。これでは求める人材は育ちません。この課題を解決するには、例えばIT部門の人材を数年間業務部門へ出向させたり、逆に業務部門の人材をIT部門へ派遣したりして、お互いの交流を活性化することが効果的です。業務ヒアリングや業務フロー分析、帳票の調査など、現場の仕事をIT部門の人材に経験させることが重要となります。「業務の現場で何が必要とされているか」「どういう改革が必要か」を実感することにより、飛躍的に業務知識も身に付いていくはずです。

一方、社内に適材がいないため、一時的に外部のコンサルタントなどに仕事を依頼することもあるでしょう。しかし結局、社内に“ヒト”が育たなければ、そのノウハウも無駄になってしまいます。業務と技術の両方を理解する人材は貴重です。だからこそしっかり育て、会社の事業に貢献し続けられるようにキャリアをリードする必要があるのです。過去、IT部門の人材の給与は、事業部門より低い場合がほとんどでした。それでは優秀な人材は確保できません。業務部門とIT部門を渡り歩くことで、キャリアが上がり給与も上がる…そんな仕組みを作っておけば、良い人材も集まり積極的にチャレンジする意欲も高まっていくのではないでしょうか。

このような人材は業界でも希少であるにも関わらず、良いキャリアとして育てる仕組みを持つ企業は多くありません。しかし幸い、CIO(最高情報責任者)の重要性が理解されつつあり、経営幹部にIT技術を持った人材を処遇する流れが生まれつつあります。ぜひIT部門のメンバーをCIO候補として育成に参画させてください。若手を信じ育てること、そのためのキャリアパスを作り業務の現場に投入すること、これが企業のITを強くする秘訣なのです。

執筆 & 監修 漆原 茂氏 (ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長)

執筆 & 監修
漆原 茂氏 (ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長)

大手メーカーを経て、2000年にウルシステムズ株式会社を設立。情報通信・製造・流通・金融・公共などを中心に戦略的ITコンサルティングサービスを展開、「ユーザー主導開発」を推進している。

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