[ Close ]
Links to NTT Communications subsidiary website.
法人のお客さま総合 > ビジネスアドバンストップページ > ICTコンサルティングガイド >SIベンダーに見積を依頼する際の要件定義について考えてみる
情報システムのお悩みを解決する
2011年1月12日公開
今回のお悩みは…
ある製造業のお客さまの実例をお話します。会計と生産管理の業務システムを刷新するプロジェクトが始まり、SIベンダー選定の段階になりました。しかし業務部門との調整が充分ではなく、いわゆる普通の会計システムと生産管理システムの機能を羅列しただけの要件定義になってしまいました。「個別製品ごとの原価が管理できること」「現行と同じ項目の帳票が出せること」など、解釈によってはどうとも取れる事項が並んでしまっていたのです。結果、見積金額は、それぞれ6,000万円、1億円、1億7,000万円と、大きな差が出てしまいました。予算を重視したこのお客さまは、最も安いSIベンダーに発注を決定。ところが数回の打合せの後、「見積の前提条件に違いが出てきたので再度見積もったところ、総額2億円になる」と通達されました。
上記の例では、社内での業務要件の詳細合意が取れないまま見切り発車したことが失敗の原因。要件があやふやなまま「SIベンダーがなんとかしてくれるだろう」という楽観主義は非常に危険です。
業務要件定義はプロジェクト成功の肝です。まずはシステムを利用する経営陣や業務部門が納得できる要件定義をすることが必要です。自社が満足いくシステムの要件は自社主導で決めるべきですし、経営陣や業務部門などとの社内調整は、IT部門こそが担うべき役割です。とはいえ、複雑な業務システムのすべての要件をIT部門だけで把握することは不可能です。そこで、プロジェクトの内容を吟味し合意する会議に業務部門のメンバーにも参加してもらい、互いの意見を議論し了解し合うことがとても大切なのです。
また、ベンダーにシステム要件を説明する場合は、画面や帳票内容、データベースの構造などをできるだけ“具体的な形(実際に使っている画面など)”で提示してください。このようにシステムの中身を可視化することにより、プロであるSIベンダー側は詳細内容を理解しやすくなりますし、行き違いも少なくなるでしょう。
合意する場を作ることと可視化して説明すること、この2つがあればプロジェクトはまずうまく進みます。システムは動くまでは目に見えません。だからこそ、必要なものが何かを説明し合意を作りあげる能力がIT部門に求められているのです。
このコンテンツをご覧になるには、Adobe Readerが必要です。
Adobe社のサイトより無償でダウンロードできます。
執筆 & 監修
漆原 茂氏 (ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長)
大手メーカーを経て、2000年にウルシステムズ株式会社を設立。情報通信・製造・流通・金融・公共などを中心に戦略的ITコンサルティングサービスを展開、「ユーザー主導開発」を推進している。