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ICT用語ガイド

GUIDE 027 ユニファイド・コミュニケーション

〜ワークスタイルの変革を促すテクノロジー〜
2008年05月26日公開

パート2 【インタビュー】ユニファイド・コミュニケーションが創る近未来

マルチナショナルな企業で始まったUCの導入

QUCが再注目されている理由はどこにあるのでしょう?

IDC Japan株式会社 コミュニケーションズ リサーチマネージャー 眞鍋 敬 氏

眞鍋 ビジネス・データのオール・デジタル化が大きな背景ですが、もう1つ、ネットワークやデバイス(端末)などハードウエアの進化、そしてマイクロソフトのOCSに代表されるUC対応ソフトの進化なども背景となっています。技術環境が多方面で整ったことで、デバイスとの結びつきで硬直化していたコミュニケーションに柔軟性と多様性を生み出せるようになりました。具体例をいえば、「社内メールを外から携帯電話で音声によって聞く」とか、「帰宅後に自室のテレビで業務情報を文字で確認できる」といったことも技術的には可能なのです。

Q逆に、これまでUCが普及してこなかった理由はどこにあると考えていますか?

眞鍋 VoIP導入のムーブメントは今から約10年前に起きました。しかし、当時は今ほどハードもソフトも進化していなかった。そして、もう1つの大きな理由は、効果やメリットのほどを、ベンダーやサービスプロバイダーがうまく企業サイドに伝えられなかった点。これも大いに影響しました。また、ユーザー企業の導入マインドが低かったという点でも影響が大きかったと思います。UCは、名前が示す通りコミュニケーションに関わる事柄。導入しようとする企業がコミュニケーション活動に求めるメリットは、それぞれ異なります。また、「コミュニケーションを統合する」と言われても、具体的に自社で何ができるか、が見えにくいとも言えます。サービスを提供する側が、こうした疑問点にうまく対応できなかったこと、そしてユーザー側が積極的にUCのメリットを利用しようという期待感が低かったのが、今までの情勢だったのです。

Qこうして再注目されるに至ったUCですが、現状はどこまで導入が進んでいるのでしょう?

企業ユーザーにおけるユニファイドアプリケーションの導入動向

眞鍋 日本でいえば、一部の大手グローバル企業が導入をし始めた段階。欧米でも、UCは「これから」の事案となっています。さまざまな業種を代表するいくつかの大規模企業が、UCによってどんな具体的効果を得るか。これを中規模企業だけでなく、サービス提供を行う側の企業も様子見をしている状況。まさしく黎明期なのです。成功事例が出てくれば、技術的な課題はクリアになっている部分が多いですから、一気に普及する可能性を秘めています。

Qなぜ日本ではグローバル企業から着手しているのでしょう?

眞鍋 一つには経営体力、投資余力という現実的理由があります。それとは別に、マルチナショナルな企業活動をしている会社のほうがコミュニケーションの改革や、そこにかかるコストの削減を大きな課題として抱えているからでもあります。日本国内にのみ拠点があり、狭いエリア内でコミュニケーションができれば済む会社よりも、世界を舞台に大きなエリアでコミュニケーションを行う必要のある会社のほうが、UCのメリットは現れやすいのです。そうした大企業がUC導入に成功すれば、ドメスティックな中規模企業でも活用の仕方が見えてくると思います。

日本にチャンスあり。UCは期待のフィールド

Q一部では「欧米に比べて、日本はUC導入が遅れている」と言われていますが、それは本当ですか?

眞鍋 私は「日本は遅れている」と捉えていません。先にも言った通り、コミュニケーション活動の改革効果は、対象エリアが広いほど、コストダウン・メリットなどが目に見えて現れやすい。そういう意味合いでいえば、国土の広い米国の企業などは導入を具体的に検討する傾向が強くなる。これは当然です。

しかし、UCはまだ黎明期。UCの「効果的な使い方」を世界中が模索中なのです。携帯電話によって、様々なコンテンツを楽しみ、多様な機能を実現している日本は、モバイル・コミュニケーションにおいて世界をリードしています。例えば、国土が狭いことを逆に追い風に変えて、緊密なアクセスポイントを国内に設置すれば、IPネットワークを利用した様々な新しいサービスを実験することも可能なわけです。すなわち、日本にとってUCは、世界のリーダーになれるチャンスともいえます。豊富な実用事例を得れば、それを世界に向けて発信できます。UCのもう1つの効果は「新しいビジネスチャンスの創設」だといえます。

Q企業の業務効率を向上するだけでなく、サービス提供会社にとってUCは、大きなビジネスチャンスでもある、ということですね?

眞鍋 そうです。UCの普及は今年と来年が勝負だと私は考えています。その間に、どれだけの企業がUCのメリットを具現化するか、どれだけのベンダーやサービスプロバイダーがUCにおける新サービスや新ビジネスを確立できるか。それに注目したいと考えています。従来の通信ビジネスはインフラに投資をして、仕組みと装置さえ提供すればいい、という傾向にありました。しかし、UC時代にはパーソナルなコミュニケーションが対象となります。ツールやシステムの「使い方」を提案し、なおかつ使う側の個人個人の発想や意識、文化まで考えていく必要があります。この課題を乗り越えたとき、ビジネスシーンでのコミュニケーションは大きな変革を迎えるでしょう。

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