法人のお客さま総合 > Business ADVANCE > ICT用語ガイド > GUIDE 027 ユニファイド・コミュニケーション
パート1 UCの「基本」を知る
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ユニファイド(unified)とは、「統一された」「統合化した」という意味の形容詞。つまり、ユニファイド・コミュニケーション(UC)とは「統合化されたコミュニケーション」ということになります。その具体的な定義としては「IPネットワーク上で利用される多様なコミュニケーションツールを統合する」ことによって、「企業における情報受発信や意志決定などを効率化し、コストダウンや業務のスピードアップを実現する」ことを指します。
では現在、どのような「IPネットワーク上のコミュニケーション」が、企業で利用されているでしょうか。インターネット電話(VoIP)や電子メールはもちろん、テレビ会議あるいはWeb会議というものも浸透しています。また、オンラインでチャットやファイル転送ができるインスタントメッセンジャー(IM)などのツールを、社員相互の連絡に活用する企業も徐々に増えてきました。
こうして見ると、IPネットワークを活用したコミュニケーションは、すでにビジネスに根付いているといえます。しかし、各コミュニケーションツールは単体で機能しているだけで、相乗効果を生み出せていないケースが多いようです。日本企業はUCを提唱しているものの、他社とパートナー提携するのではなく自社で完結しようとする垂直統合型の傾向が強いため、ツール同士の連関、あるいは日頃使っているグループウエアやオフィスソフトなどの業務アプリケーションとの連携となると、いまだに「統合化」しているとは言えない状況です。だからこそ、UCという発想と機能は、企業ユーザーから大きな期待を持たれてきたのでしょう。
音声通話がアナログからデジタルへと移行し、IP電話の普及が進んだのは数年前のこと。この当時からコストダウン・メリットの大きいUCへの期待は高まり、一時的に注目を浴びました。しかし、ハードウエアベンダーもソフトウエアベンダーも、UC実現の模範解答を示せないできました。「まずはコミュニケーションのデジタル化をIP電話導入で実現し、その後、UCについては考える」という企業やベンダーが多かったのです。
しかし、今や多くの企業にインターネット電話(VoIP)が導入されるなど、通常の業務においてもインターネットの活用が当たり前となりました。それに伴い、社内にあるデータのデジタル化が進められています。理論上は音声データも文字データも数値データも、統合化されたプラットフォーム上で、効率的に管理できるようになっていくはずです。しかも、スマートフォンなどの発達によって、モバイル・コミュニケーションにおいても、多様な機能性が求められ、それを実際に使いこなすビジネスマンも増えてきました。
これらを背景に、戦略的メリットの大きいUCが注目を集めています。あとはそれぞれのコミュニケーションツールを「どのように統合」し、「どのような効果」を導き出すか。それが課題になっているのです。
こうしたトレンドに合わせるように、2007年末、マイクロソフトは「Office Communication Server 2007」(OCS2007)をリリース。待望のメジャー・ベンダーからのUCプラットフォームとして大いに注目を集めています。
UC環境が整うと、まず個々のオペレーションが簡素化し、必要な情報を必要な相手から手軽に入手することが可能になります。例えば、外回りの多い営業マンが今どこにいて、どのような活動をしているかをオフィスに待機する社員が端末から容易に確認できるようになったり、離席時に固定電話にかかってきた電話を、自動的に携帯電話やスマートフォンに転送するといったように、モバイル端末を持つ外出先の営業マンが重要な情報を外出先から得ることで、迅速な対応・処理が可能になります。
これらは、モバイル端末と社内のグループウエアが連動するだけでも可能です。さらに、それぞれのコミュニケーション行動が自動的に業務パッケージソフトにも記録され、「誰が、いつ、誰と、どのようなコミュニケーションを行ったか」をデジタルデータとして他の社員にも確認できるようになれば、よりスムーズにシステムを経由してビジネスが動き出すようになるでしょう。これらはあくまで一例にすぎず、UCは作業のスピードアップ効果や、業務クオリティの向上といった効果を生み出すことでしょう。
一方、企業の経営陣が期待している効果にはコストダウンもあります。すべてのデータをデジタルによって統合し、インターネット・パケット化することで情報通信コストは削減できます。半導体技術や製造技術の向上によるデジタル・ストレージ装置の低価格化も1つの追い風です。また、潤沢なデジタルデータを安全高速に活用するUC環境は、結果的に省電力・省スペースをもたらし、コストダウンだけでなく環境に配慮したグリーンITにもつながっていくのです。
長年、理想像だけは語られてきたUCが、今まさに具現化しようとしています。ベンダーやサービスプロバイダーが、UCの先進企業と共同開発を進めることで、いかにUCの成功事例を構築するか。多くの企業はその効果のほどを見つめながら、自社導入の形と時期を考え始めている状況なのです。

セキュリティ、ニューラルコンピューティング研究の第一人者。1983年より南フロリダ大学や南カロライナ大学助教授、ケースウエスタンリザーブ大学准教授を歴任。日本で最初にインターネットを本格的に紹介したことでも有名。ICT用語ガイドのアドバイザーを務めていただいております。
ビジネスの領域ですべてのデータがデジタル化していくのは、ごく自然な流れです。そして、デジタル化が整えば当然のごとく、これらを有効活用する方策を企業は求めます。UCはその1つとして注目をされているわけです。コスト削減と業務効率の向上においては、大きなメリットをもたらすのは確かです。しかし他方で、課題も残されています。アナログ電話回線ならば停電でも通話できましたが、UCを導入した場合には、停電時にコミュニケーション活動が一斉にストップする危険性も出てきます。緊急時のトラフィック制御策、DOS攻撃に対抗する手段など、脆弱性解決という課題もあるのです。
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