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ICT用語ガイド
GUIDE 025 スマートフォンでビジネスが変わる
〜社内外でのシームレスでセキュアなシステム利用〜

2008年02月29日公開

パート1 ビジネススタイルの変革を予想させるスマートフォン

浸透し始めたスマートフォン

W-ZERO3

Advanced/W-ZERO3[es]

F1100

HT1100

携帯電話、PDA、モバイルPCなどの中間的な位置づけをされることの多いスマートフォンは、この1年間で、過去のPDA総売り上げ台数を越えるほどの伸びを見せました。通信機能と場所を選ばないユビキタスデバイスの機能が融合したことで、新しい市場が開け始めたとの感すらあります。さらに、OSにWindows Mobileを採用したW-ZERO3が登場してからは、より注目を集めるようになっています。というのも、Windows Mobileを搭載した機種なら、Windowsと同じような操作性を持ち、標準的なオフィスソフトで作成されたドキュメントを見ることができるうえに、スマートフォンのOS独自の操作を新たに覚える必要がないからです。
しかし、スマートフォンが普及し始めた理由はこれだけではありません。機能が充実したことに加えて、環境がスマートフォンに有利に動き始めたのです。その理由は大きく3つあります。

1)企業ユーザーのモバイルアクセスのニーズ
個人情報保護法の施行後、社外へのPC持ち出しを禁止する企業が増えました。しかし仕事によってはPCを持ち歩いた方が便利であることも多いでしょう。例えば、社外で必要な時に業務システムのデータを閲覧できたり、自分宛のメールを確認できれば効率的にビジネスを進めることができます。そのニーズに答える、各種セキュリティソリューションが充実してきたこともあり、社外へのPC持ち出しを禁止していた企業ユーザーがあらためてモバイル環境での利用を検討し始めています。
また、企業がこれまで行ってきたICTへの投資を有効に活用しようという動きもあります。その中で、モバイルを利用したソリューションによる現場での生産性向上による効果が注目されています。
2)モバイル関連サービスの充実
ここのところ携帯通信事業者各社が法人向けモバイルサービスに力を入れはじめています。そして、各社スマートフォンのラインナップが充実してきており、さらにデータ通信の高速化と定額メニューの提供などによる低コスト化が進んだことなどから、企業にとってスマートフォンを導入しやすい環境が整い始めています。
3)ソフトウェア環境
Windows Mobile搭載の機種では、オフィスドキュメントを閲覧できるだけでなく、これまでに開発されたソフトウェア資産の多くが利用できることもポイントです。さらにWindows Mobileで動作するアプリケーション、スマートフォン対応のビジネスアプリケーション、セキュリティ関連のソリューションも多く登場しており、選択の幅が広がっています。

このように、企業ユーザーにとってスマートフォンを導入しやすい環境が揃ったことにより、企業向けのスマートフォン市場が本格的に動き始めたといってよいでしょう。

ビジネスにおけるスマートフォンニーズ

では、スマートフォンに対する企業のニーズを見てみましょう。

ビジネスでは、PCによるメールやグループウェアは標準的なツールとして利用されており、それを社外でも利用したいという強いニーズがあります。また、お客さまに提案する直前に情報を確認したり、うっかり印刷を忘れてしまった資料を出先でプリントしたいなどの潜在的なニーズがあります。例えば、外回りの途中で急にお客さまに呼ばれたため資料を持っていない場合などは、その場で社内LANにアクセスしてビジネスコンビニなどを利用して資料をプリントできればビジネスチャンスを逃すこともありません。

一方で、社内同様に業務システムを利用したいというニーズもあります。例えば、営業や保険の外交員など外回りを主とする職業では、お客さまに質問された時も、客先から業務アプリケーションを利用して社内システムにアクセスできれば、その場で適切な提案を行うことができ、より早く契約に結びつけることが可能となるなど、ビジネスを効率的に進められるだけでなく、ビジネススタイルそのものが変化することがわかってきています。

もちろんスマートフォンをどのように位置づけるかは企業によりさまざまです。PCを業務システムに使っている企業は社外で利用しようと考えており、携帯を使っている企業は、より高い利便性を求めてスマートフォンを利用しようと考えています。さらには、社内と社外での電話の統合を検討している企業もあります。これらの企業のように、スマートフォンを現在の使用方法の延長と考えるなら、携帯電話、PDA、PC以外に新たな選択肢が加わったといえますが、これらの機能を併せ持つスマートフォンにはさらなるメリットがあるといってよいでしょう。

ICTでビジネススタイルが変わり始めている

企業がスマートフォンの利用を考えている理由のひとつに、最近の業務システムの多くがWebベースで構築されるようになったことが上げられます。これまでのように、汎用機やクライアント/サーバーシステムで構築されている場合、専用のクライアントソフトウェアや接続のためのミドルウェアが必要になりますが、Webベースで構築されていればシステムに手を加えることなく、社外からも安全にアクセスすることが可能です。そのための端末としては携帯電話より、スマートフォンに搭載されたブラウザを利用する方がよりPCに近い環境のため適しているといえるでしょう。

しかし、PCと全く同じというわけにはいきません。スマートフォンのリソースは限られているため、モバイルに適した軽量のアプリケーションを提供する必要があります。ただ、最近ではHSDPA規格など標準3.6メガ、最大7.2メガの高速回線が利用できるため、重いデータを扱うアプリケーションでもストレスなく利用することが可能になってきています。

HSDPA:High Speed Downlink Packet Access
下り速度最大14.4Mbpsを実現する、高速パケット伝送技術

また、セキュリティの面でも、安全に利用できるソリューションが登場しています。外で利用することや万一の紛失時を想定して、シンクライアント方式を利用することで本体にデータを残さないなど、不正アクセスや情報漏えいを考慮した安全な利用が可能になってきました。これらの環境が整い始めたことで、企業は社内外で利用できるクライアント端末にスマートフォンを使ってみようと考えているようです。

さらに、ビジネススタイルの変化も影響していると考えられます。これまで、社員のスケジュールや、会議室の予約は、ホワイトボードなどで管理されていることが多く、更新や変更を人手で行っていました。ICTの普及でグループウェアや会議室予約システムを利用するようになり、人手で管理する必要がなくなったことで利便性が向上すると同時に見えないコスト削減も可能になっています。さらにスマートフォンを利用することで、変更や予約をいつでも、どこからでも行うことができるようになります。従来の電話応対にも同じような変化が見られます。お客さまからの電話を取り次いだり、不在の時に当該社員に連絡するなどの手間は、社内外でシームレスに利用できるスマートフォンを導入することで手間とコストを省くことができるようになります。

このように、1台のスマートフォンで固定電話と携帯電話を統合でき、社内外からメールやグループウェアにアクセスし、セキュアなシンクライアント端末として安全に業務システムやSFAを利用することが可能となります。さらに、スマートフォンをビジネスの中核端末とすることで、社員は会社に自分の席を必要としなくなることも考えられるでしょう。これは新しいビジネススタイルであり、既存のワークスタイルを一新する可能性を秘めているといえるのではないでしょうか。

SFA:Sales Force Automation
営業支援システム。商談などの進捗管理、情報共有、マーケティング支援などを行う。

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