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ICT用語ガイド
GUIDE 021 WiMAX
〜次世代無線ブロードバンドの可能性〜

パート2 【インタビュー】WiMAX の実力を正しく評価する

実現に向かったWiMAXですが、スペックだけでは分からないWiMAXの実力について、ワイヤレスソリューションの研究・開発を行っているユビキタスサービス部担当課長の水鳥康夫さんと、主査の渡邉正俊さんにお話を聞きました。

Qユビキタスサービス部では、WiMAXをどのように捉えていらっしゃいますか?

ユビキタスサービス部 担当課長 水島 康夫

ユビキタスサービス部では現在、HotSpotサービスを提供しています。これは無線LANであり、屋内で使用する無線LANブロードバンドサービスです。現在、WiMAXを含め、新しい無線方式が登場していますが、将来それらの方式を採用することになった場合、お客様に正しい品質を伝えて適切にサービスをご利用いただくために、調査や実験に参加して性能を把握するなどを行っています。WiMAXについてもこれまで調査を続けてきました。

現在提供している無線LANサービスであるHotSpotは、室内にアクセスポイントを設置し、同じ室内で利用するものです。これに対しWiMAXは屋外での使用に適した方式です。HotSpotとWiMAXを組み合わせることでユーザは、屋内ではHotSpotによるブロードバンド接続を利用し、一旦外に出たらWiMAXによるブロードバンド接続を利用するといった屋内屋外をシームレスにつないだユビキタスブロードバンド環境を利用できます。このように、HotSpotとWiMAXを組み合わせることで、新たなメリットが生まれると考えています。

QWiMAXの実際の性能はいかがでしょうか?

ユビキタスサービス部 主査 渡邉正俊

無線方式というのは、アクセスポイント(基地局)に接続したユーザが周波数を分け合って利用するため、現実にはスペック通りの性能が出るわけではありません。また、電波のカバーエリアが広がれば広がるほどそのエリア内のユーザが増えるため、アクセススピードが落ちます。さらに、カバーエリア内すべてのユーザが同じスピードを確保できるわけではなく、アクセスポイント(基地局)から遠いほど不利になります。

そのような前提でWiMAXの規格と実際の性能を見て見ますと、本来の規格では20MHzの帯域を取ることで75Mbpsの最大伝送速度を実現するようになっていますが、この数値は日本では1 システムあたり10MHzの帯域を割り当てることになりましたから、方式的にも75Mbpsの伝送速度を実現するのは無理なんですね。実際はどうかといいますと、最良の条件がすべて揃ったとして1システムあたり32.5Mbpsとなり、下り20.7Mbps、上り11.52Mbpsくらいになると思われます。さらにこの電波をアクセスするユーザが分け合うことになりますから、実際にはもっと速度が落ちると予想されます。

Qこれまでに調査されたことから考えると、WiMAXを利用したサービスはどのような形で展開されていくと予想されますか?

先ほど申し上げましたように、屋内ではHotSpotを利用して屋外ではWiMAXというシームレスなブロードバンド環境がひとつあります。また、FTTHを敷くには手間がかかったり、山間部や川などで難しい場合に敷けるところまで有線を敷き、最後の部分でWiMAXを利用して住宅などにつなぐということも考えられます。

企業での利用では、屋外でIPを使った監視カメラの制御、農場などで作物につけたRFIDと連動させた収穫量の把握、工場やプラントでネットワークを利用した端末による機械の制御、広大な遊園地での情報提供など、無線LANとWiMAXを組み合わせたり有線とWiMAXを組み合わせるなどの複合的なソリューションが考えられます。また無線ではアクセスユーザが増えると伝送速度が落ちる、といいましたが、QoSを使うことで優先すべきユーザへの通信の品質保証をすることも可能になります。これにより、工場内などで重要な情報を特定のユーザに向けて発信したり、緊急時には音声データを優先させて送信するなどもできるなど、さまざまな屋外でのブロードバンド利用が考えられます。

しかし、規格上の数値やスペックだけで判断せずに、特徴や利用できるサービス、実現可能な速度などをよく理解した上で使うことが大切です。WiMAXは大きな可能性を持っていますが万能ではありません。NTTコミュニケーションズでは、WiMAXをユーザの選択肢を拡げる新しい無線方式のひとつと捉えており、新しいソリューションを提供できる環境であると考えています。

新しい無線ブロードバンドとして注目されるWiMAXは、モバイルとブロードバンドのメリットを持つネットワークとして、これまで線で結ばれたネットワークを面でカバーすることができます。これまでブロードバンドを敷設できなかった地域で利用できるようになり、さらには移動しながらブロードバンドが利用できるようになります。また、屋外でブロードバンドを利用したさまざまなソリューションが提供されるようになると思われます。さまざまな無線方式のメリットを理解して適切に利用することが必要であるといえるでしょう。

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