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ICT用語ガイド
GUIDE 020 減災
〜企業が緊急地震速報を有効利用するには〜

2007年09月25日公開

パート2 【インタビュー】企業内の減災意識を高める「緊急地震速報配信サービス」

NTTコミュニケーションズでは、2007年7月1日から企業向け「緊急地震速報配信サービス」の提供を開始しました。今回は、このサービス開発を担当したブロードバンドIP事業部サービスクリエーション部、阿部 剛さんと、ブロードバンドIP事業部マーケティング部OCN販売担当、里見貴幸さんにお話を聞きました。

Q「緊急地震速報配信サービス」を開発された経緯について教えてください。

ブロードバンドIP事業部 サービスクリエーション部 阿部 剛

このサービスを開発することになったのは、光回線ならではの使い方を模索している中で、通信速度が速いことから地震情報が瞬時に伝えられるのではないかと考えて検討を始めたのがきっかけです。時を同じくして気象庁が取り組んでいる緊急地震速報の試験運用ともマッチしたことから、通信事業者として提供できるものがないかどうかという視点で検討を始めたのです。

当初、試験運用に参加している事業者は専用線でテストしていました。しかし専用線はコストが高く多くのユーザに情報を届けられません。一方で安価なネットワークであるインターネット経由で配信テストを行う事業者も現れましたが、インターネット経由だと伝送遅延やパケットロスでデータが届かないケースも発生しました。今回の緊急地震速報のような重要なデータは多くの人にリアルタイムで届ける必要がありますから、それこそがネットワークに求められていることだと思い、いろいろ検討を重ねた結果、NTT東日本・西日本の「フレッツ」回線とIPv6マルチキャストを使うことで多数のユーザに効率よく一斉配信することが可能になると判断しました。ブロードバンドIP事業部ではこのサービスを、ICTを使ったBCPアプリケーションのひとつと位置づけています。

Qこのサービスについて企業の反応はいかがでしょうか?

ブロードバンドIP事業部 マーケティング部 OCN販売担当 里見 貴幸

業界によって視点の違いが見られます。百貨店などのサービス業では、来店客の安全を確保するために導入を検討する店舗が多いのですが、ライバルである店舗同士が共同で導入を検討する状況となっています。来店客の安全確保の観点から業界全体で取り組むべきであるという意識が高まっていて、百貨店としてはどういう形で一般客に提供するのがよいのか、と意見交換しながら模索されています。地震の多い日本では、一般客が百貨店の店舗内などで地震に遭遇する可能性があります、店舗ごとに対応が違っていたら、その後の救助体制に遅れが生じないとも限りませんから、このように業界全体がひとつになって、共同で対策を行う取り組み方は望ましいと思います。

他の業界、例えば製造業では、積極的に緊急地震速報配信サービスの導入を検討されているところが多いようです。これは施設の保全だけでなく、それ以上の減災や人命を考えていることの表れだと思います。人が無事であれば事業を再開することはできるわけですから、工場のラインを止めるための導入というよりは、人命優先のために導入するという姿勢がうかがわれます。

Q「緊急地震速報配信サービス」が、企業の減災にどう役立っているのでしょうか?

地震が来る前に知ることが出来るので、機器や設備の被害軽減、さらには人的被害の軽減により、事業継続の役に立つことが期待されています。また直接的ではありませんが、緊急地震速報配信サービスを導入したことで、社員の意識が変ったと言われる企業が多いようです。例えば、避難訓練は年に1度、それも防災の日に行う企業が多いのですが、あまり実感を伴わないためか、それほど緊張感を持って行われていません。しかし、緊急地震速報を利用するということは、避難行動の中に「時間」という関数が加わったものになります。そのため、「10秒間で何が出来るのか?」ということを考えるようになり、避難体制をとるなどの対応も素早くなります。地震対策はシステムを入れて終わりという訳ではなく、いざと言う時に備えて運用面での検討も必要となります。この緊急地震速報は今までにない新しい情報で、どのように活用すべきか盛んに検討がされていますので、社会の地震対策の意識改革にも一役買っていると考えられます。

QNTTコミュニケーションズが提供している減災対策ソリューションについて教えてください。

まず減災とは、さまざまな面における事前対策を行うことである、といえると思います。それには、机の上のものが倒れないようにすることから、地震の時にはエレベータを緊急停止するシステムの導入など、広範囲な対策が含まれますが、企業が事業継続を考えると情報システムへの対策は欠かすことはできません。例えば2007年の新潟県中越沖地震で、ある銀行は耐震構造のデータセンターでシステムを稼動させていたことと、自社発電装置を配置していたことにより、地震が土曜日に発生したにも関わらず翌月曜日には通常営業が可能になったそうです。

このような情報システムへの事前対策において、NTTコミュニケーションズは豊富な経験とノウハウを持っており、緊急地震速報配信サービス以外にも、情報システムを災害から事前に守るサービスを提供しています。データのバックアップや、システムの分散化、データセンターサービス、さらにはバックアップ回線によるネットワークの二重化など、これらの危機管理ソリューションにより、適切な復旧のための事前対策を取ることができます。

QNTTコミュニケーションズが提供する、トータルな危機管理ソリューションについて教えてください。

まず、緊急時対策として大地震や災害が発生した場合は人命優先で行動し、次に社員などの安否確認を行いますが、個々に携帯電話を使用すると情報が錯綜して正確な状況を把握できません。しかしモバイル安否確認/一斉通報サービスを利用することにより、携帯電話・固定電話・インターネットのインフラを利用して管理者が関連社員に一斉通知を行ったり、登録された社員の安否確認ができます。

さらに、事業継続のためには迅速な復旧対策が必要となります。ディザスタリカバリに際しては、データセンターのバックアップが役立ちます。システムごとデータセンターにホスティングしてあれば、翌日からでもビジネスを再開することが可能です。また重要な基幹データなどは国内外の複数サイトでクラスタリング(※1)を行うなど、迅速なリストアを可能にするサービスも用意されています。

※1 クラスタリング
複数のコンピュータ(サーバ)を接続することで、クライアントからはあたかもひとつのコンピュータが動作しているように扱う技術。接続された1台がダウンしてもサービス全体が止まることはない高可用性を実現できる。

このように企業が求める「事前対策」・「緊急時対策」・「復旧対策」といった、災害時における危機管理対策をNTTコミュニケーションズではワンストップでご提供いたします。

阪神淡路大震災の教訓を元に「防災」から「減災」の概念が生まれました。そして減災対策は、ICTの進化により大きな効果を上げるようになっており、中でもICTを活用した緊急地震速報配信サービスは、地震の発生をいち早く知る減災ツールとして効果が期待されています。しかし減災では、どのように被害を減らすか、という意識を常に持ち行動することが重要であり、そのためには企業のさらなる対策が必要です。
地震活動期に入ったと言われる日本。近年、いくつもの大きな地震が起きています。予測できない災害から事業を守る企業の減災対策に、緊急地震速報配信サービスの導入は大きな力となるでしょう。

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