法人のお客さま総合 > Business ADVANCE > ICT用語ガイド > GUIDE 017 テレワーク(Telework)
パート2 【インタビュー】テレワークを実現する環境とツール
テレワーク導入にはICTが欠かせません。セキュアなテレワーク環境構築について、多くの企業にさまざまなサービスを提供している、ブロードバンドIP事業部VoIPサービス部高度アプリケーションサービス担当主査の新 政篤さんに聞きました。
どのようなサービスを提供されているのですか

VoIPサービス部では、固定電話がIP電話に置き換わる中、お客さまにVoIPだけではなく、さらに高付加価値のあるアプリケーションを使っていただくために、さまざまなサービスを提供しています。VoiceだけでなくサービスをIPに乗せて提供するという意味で、内部では「Value over IP」と呼んでいます。提供しているサービスは「Web Connect」「ウェブdeコール」などASP型サービスです。
また現在、「Biz Communicator」という新しいコミュニケーション・サービスの提供を予定しています。新たにサーバを導入する必要がなく、PCにクライアント・ソフトウェアをインストールするだけで、ビジネスに必要な「電話」「電話会議」「Web会議」「FAX」「リモートアクセス」などのコミュニケーション・ツールをNTTコミュニケーションズが提供するASPサービスによって統合的に利用できるというものです。

テレワークで問題となるセキュリティですが、Biz Communicatorをシンクライアント的に使うことでクリアできる面もあります。企業がテレワーク導入に足踏みしているのは、個人情報や企業データを持ち出すことになるためですが、Biz Communicatorは、ASPサーバを介してP2Pのように自宅PCから会社の自分のPCにアクセスして、会社のPCの画面を表示させ、画面を操作して作業を行い電話をかけたりすることができます。自宅PCに個人情報を保存することなく、会社の自分のPCに格納されているデータを利用するだけですので、セキュリティは保たれます。
また電話ですが、自宅で使っているIP電話や携帯電話を設定することで、送信元は会社の電話とすることができますから、自宅でも会社にいる時と同じように仕事をすることが可能です。
企業のテレワーク導入について教えてください
さまざまなニーズがありますが、ある企業の例で説明しますと、この企業は既にリモートアクセスや、ソフトフォンによるIP電話を導入しており、テレワークのためにこれらを自宅でも使えるようにしたい、というものでした。具体的には自宅から会社にリモートアクセスし、インターネットVPNを通して自宅のIP電話をあたかも内線電話のように使うことで、会社と同じように自宅で仕事ができるようにしたい。さらに、得意先から会社にかかってきた電話も、自宅で内線電話のように受け取りたい、というニーズなのです。

リモートから利用するIP電話をセキュアなインターネットVPNの中に通したい、という要望なのですが、これが結構難しいのです。データだけの送受信ならば全く問題ないのですが、リアルタイム性を求められるIP電話では端末での暗号化復号化処理によって遅延が起き、音声の途切れなどが発生してしまいます。これの対応に苦慮しているところです。
もちろん、インターネットVPNを通さないIP電話の場合、ほとんど遅延は起きないのですが、これらのニーズは企業がセキュリティのレベルと利便性をどのように秤にかけているか、ということでもあり、答えはひとつではないでしょう。
例えば金融機関など高いセキュリティを要求する企業は、ID、パスワードに加え指紋認証など、複数のセキュリティを組み合わせて利用します。すると認証、暗号化復号化処理などで回線の帯域を占有するようになり、ますますリアルタイム通信には影響がでてきます。このあたりのバランスが難しいところなのです。
今話題のNGNはテレワークにどのようなメリットをもたらすのでしょうか?
NGNではQoS(帯域管理)により、音声などのリアルタイム通信の品質は確保できるようになるでしょう。Biz Communicatorでは品質確保のためデータと音声を別にしていますが、NGNなら別にしなくてもネットワーク側がプロトコルの違いを吸収してくれます。
さらにビデオ会議など映像を利用したコミュニケーションも現実的になると思います。現在提供しているWeb会議は普通のネットワーク上で利用できることを前提にしているため、解像度を高くしていません。それでも相手と向いあってコミュニケーションできるため、電話より細かいニュアンスが伝わり易く感じます。NGNで、ハイビジョンレベルの映像と高品質な音声が利用できるようになると、さらにプレゼンス感が得られますから、在宅でも社内の別部署にいるのと同じ感覚でコミュニケーションできると思います。
私も在宅勤務のような経験があるのですが、資料作成など集中して行なう作業には向いています。セキュアなシンクライアントと、高品質の映像や音声が利用できれば、テレワークの普及はさらに進むといえるのではないでしょうか。
高度なアプリケーション・サービスの提供、次世代育成法、テレワーク・セキュリティ・ガイドラインなど、テレワーク実現を促進する環境は整いつつあります。e-Japan戦略IIでは、就労と育児・介護を両立させ、一人一人が創造的な能力を最大の効率で発揮しうる社会を実現するために、2010年までにテレワークを就労人口の20%まで拡大したいとしており、テレワークは、官民あげてのICT推進戦略として注目を集めています。企業にとって、社会的責任の向上、業務効率や生産性の向上、優秀な人材確保など多くのメリットがあるテレワークを積極的に取り入れる時期にきているといえるでしょう。
●NTTコミュニケーションズの関連サイト
