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ICT用語ガイド
GUIDE 010 動画共有サービス
〜YouTube、ClipLifeに見る新しい可能性〜

パート2 【インタビュー】企業ユースを視野に入れたClipLifeの可能性とは

今回は「ClipLife」トライアル実施担当である日本電信電話株式会社(NTT) 第三部門プロデュース 担当部長の仲西正さんに話を聞きました。ClipLifeの可能性や、現時点での課題、企業における動画サービスのメリットなど、具体的にわかりやすく解説していただきました。

QClipLifeのターゲットは、どこに設定されているのでしょうか?

日本電信電話株式会社 第三部門 プロデュース担当 担当部長 仲西 正 氏

現在はトライアル期間中ですので、興味を持っていただいた方はどなたでも使っていただきたいと思っていますが、私たちは一般ユーザだけでなく、企業さまの情報発信にご活用いただくことを前提にサービスを提供していきたいと思っています。

動画コンテンツはインパクトがありますから、自社のサイトに使いたいと思っていらっしゃる企業さまは意外と多いのです。実際にトライアルを実施してから、企業さまからの問い合わせが多く来ました。やはり、目の付けどころは同じなんだなと。

動画を扱えるようにするためには、サーバを用意したり、ページを制作したり、データを管理したりと、何かと手間と時間がかかります。もちろんコストもかかってしまいます。その点ClipLifeのサービスをお使いいただければ、「引用タグ」を貼り付けるだけで、まるで自社のサービスとして、動画を再生することが可能です。もちろん動画のデータは、ClipLifeのサーバがキチンと管理していますし、面倒な設定も必要ありません。

自社のサイトで簡単に動画を使った情報発信が簡単に行えるとなれば、商品や企業努力のアピールを地域の視点で行うなど、今までとは違ってくるのではないでしょうか。手作りのCMや、開発者の生の声など、これまでとはひと味違う動画がたくさん登場してくればいいなと、私たちはいつもそう思っています。

Q「YouTube」など動画共有サービスでは著作権違反の問題が浮上していますが、ClipLifeはどんな対策をされているのでしょうか?

著作権法に触れるテレビ番組などは、その由来の推定ができる特徴的なパターンが映像に埋め込まれているので、それを技術的に自動検出して、人手による不正な映像のチェックを低コスト化する、という方法を現在、検証しているところです。

それと同時に「通報ボタン」を用意しています。著作権違反なのではないか、公序良俗に反しているのではないかという視聴者の声を、24時間受け付けています。通報があった場合、スタッフに通知が届けられ、問題点を我々の基準で判断し、必要ならば速やかに削除させていただくという手順です。

サービス開始から3か月の現状では、通報に基づき著作権や公序良俗に反する動画の確認を行う作業は、現状で一日に数件程度ですが、実際に削除したものは、ほとんどありません。ClipLifeは、共有サイトでの共有だけが目的ではなく、自分のサイトやブログに貼って情報発信に使っていただくような使い方をおすすめしています。そのことも不正な映像投稿が少ない理由かもしれません。著作権や公序良俗に反する動画を自分の情報発信サイトやブログで公開することは考えにくいですよね。

QClipLifeの動画は、どんなかたちで活用されていますか?

一般の方にお使いいただいている他、インディーズ音楽のコミュニティサイトの「muzie」や、短編作品の動画配信を行う「短編.jp」に、現在パートナーサイトとして、ClipLifeのサービスをご利用いただいています。

投稿した動画は、「クリエイティブ・コモンズ( ※1)」の基準に従って、動画に対して著作権を保持しながら一定の自由を事前に許諾している事を分かりやすく表示することができます。商用利用可能とか、改変許諾可能、複製可能というように、作者の許諾の範囲であれば、その映像を使って、また新たな動画を作ってもいいし、どんどんコピーしてもいいんです。「私たちはこれを作ったので、あとは自由にお使い下さい」ということですよね。明確な意思表示をすることで、使う方も使われる方も安心して動画を共有することができるんですね。

これからは、インディーズのアーティストたちが、自分の曲を公開し、それを聴いた利用者が「詞を付けてみました」とか「アレンジを加えてみました」というように、作品利用が新たな広がりを生み出すことも期待しています。たとえば、「発売前のアルバムの1曲をまるごと公開するので、気に入ったらポッドキャストで自由に使って」というようなことをアーチスト自身が自分のブログでできたり。実にWeb2.0的な動きが、ClipLifeの中で起こっているんです。

また、観光案内や穴場情報も、個々に点在していたのでは、共有されにくく、もったいないですよね。個人の視点の情報発信を活用し、たとえば都道府県や市町村といった自治体が情報発信として活用したり、あるいはアイデアを持った人が旅行企画などのビジネスとして、穴場情報などをまとめていけば、とても便利な動画投稿・共有による情報発信ができるのではないかと思っています。

我々NTTが目指しているのは、みんなで自由に使える「場」を提供することなんです。多くの人が関わることで、動画の利用に広がりを期待していますし、ClipLife自体も、どんどん新しい使い方を見つけていって欲しいと思っています。そのためには、私たちはより安全で安心して使えるオープンな場所、オープンなサービスを提供できるように、努力を重ねて行きたいと思っています。

※1 「クリエティブ・コモンズ」
クリエイティブ・コモンズ(CC)のライセンスは、完全な著作権保持と完全な著作権放棄の間にある中間層を埋める役割を果たしています。「表示」「非営利」「改変禁止」「継承」という4つのライセンスを組み合わせて表示することで、「どこまで手を加えていい動画なのか」が、一目でわかるのです。
CCライセンスは誰でも自由に使え、使用料もかかりません。設定も簡単。「営利目的に使うことを許すか」「作品の改案を許すか」という2つの質問に答えるだけです。
詳しくはコチラ
http://www.creativecommons.jp/learn/

ただ単に動画を見て楽しむといったYouTube的な動画共有サービスをイメージしてしまうと、あくまでも個人で楽しむものであって、企業が活用する余地なし、などと思ってしまいがちです。最近になって、ようやく企業がCMなどの映像をアップして、視聴者の反応を見る、という使い方も出てきてはおりますが、まだまだ少数派です。

ClipLifeの視点は「見て楽しむ」だけにとどまらず、もっとその先にありました。企業にとって最もメリットがありそうな使い方は、ClipLifeのサービスを導入することで、自社サイトに動画を使った情報発信が簡単にできるようになることです。今までは「重たい」「扱いが大変」と敬遠していた企業もたくさんあると思いますが、簡単で手軽に扱えるとなれば話は別。利用方法はぐっと広がるのではないでしょうか。社員の手でオリジナルCMを作ったり、展示会の様子をリアルにレポートしたり、あるいは新商品の試作品などをアップして、いち早くお客さまの反応を見たり、などなど…。文字よりも写真よりもインパクトのある動画。どう使うかはアイデア次第。インターネットの利用方法も、ぐっと変わるかもしれませんね。これからの展開が楽しみです。

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