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ICT用語ガイド
GUIDE 009 NGN(Next Generation Network)
〜NGNがもたらす近未来ネットワークの世界とは〜

パート2 【インタビュー】NTTコミュニケーションズが考えるNGNの未来像

日本におけるNGNは、NTTグループがリーダーシップを取って動き始めました。これからの動向が楽しみですが、今回はNTTコミュニケーションズの伊藤幸夫部長に話を聴きました。通信業界から見たNGNの未来像を、わかりやすく語っていただきました。

QNGNは「オープン」という言葉がキーワードになっているようですが、NTTのネットワークは、どこまでオープンになっているのでしょうか?

ネットワーク事業部 IPネットワーク部 部長 伊藤 幸夫

各事業者さんから「NTTが作るNGNは、どこまでオープンなのか?」という問い合わせをいただくのですが、ここでいうオープンとは、他の事業者さん、たとえばISPや回線事業者さんなどが、自分たちがやりたいことに対して、どこまでNTTはインタフェースを提供してくれますか?ということだと思うんですね。その意味でいうと、NGNはかなりオープンで、柔軟な枠組みを目指しています。例えば「100Mbpsのインタフェースだけ提供してください」というオーダーがあればその通りに応対しますし、お客さまの要望に合わせて、帯域調整など細かな通信設定をしたいというリクエストがあれば、そうできるような環境を提供する方向で調整しています。

我々NTTグループが目指しているNGNというのは、提供する側が一方的に「こういうスペックでいきますので、こう使ってください」とか、「こうじゃないとできません」というものではないんです。ベンダさんたちが希望するカスタマイズにも柔軟に対応していけるコントローラブルなかたちで、インタフェースを提供していくのがお互いにとってベストになるのではと考えています。

このたび発表した「フィールドトライアル」でも、特にそのあたりのことを念頭に置いて呼びかけができているのではないでしょうか。具体的なサービスについては、これからどんどん煮詰めていくとしても、たとえば、うちはアクセス認証をやりたい。うちは料金の回収を専門にやっていきたい。あるいはコンテンツ配信をやりたいというように、ある特定の機能を利用しようと考える事業者さんに、どんどん参加していただけるのが理想でしょうね。また、家電メーカーさんにも加わっていただいて、NGNを利用した情報家電の開発などで一緒に発展していければいいなとも思っています。なんといっても、大きなビジネスチャンスになることは間違いないですから、いろんな角度から参画していただきたいです。

QNGNでこれから注目していくべき点は、どこにありますか?

まだトライアルスタート前なので、イメージしにくい点も多々あるかと思いますが、いろんなスタイルが変わっていくということは、今のうちから意識しておいた方がいいと思うんですね。

例えば、ハードウェアベンダさんだと、今まではネットワーク機器の販売がメインになっていましたが、NGNではネットワーク側でいろんな設定ができるので、基幹ルータとか基幹スイッチなどといった装置を必ずしもネットワークの利用者側で用意する必要がなくなります。企業や個人も含めて、利用者の周りからは、個別に用意する機器が少なくなっていくと思いますが、その反面、サービスを提供する側にとっては、新たなインフラが必要になってきますから、新たな市場が生まれるわけですね。また、扱う商品にも幅が出てくる可能性もあります。ネットワーク機器専門ベンダさんが、これからはサーバを扱うようになるかもしれませんし…。

これからの重要なポイントのひとつはコンテンツビジネスだと思います。どういうアプリケーションがお客さまに好まれているかを把握して、それを適切に提供できる環境、つまりNGNを作っていけるかが、我々に求められているものだと思っています。

Q将来、NGNによってお客さまの通信環境はどのように変化していくとお考えですか?

これからの時代は、「いかに自分のコアコンピタンスに集中し、ビジネスができるか」ということが、ポイントになってくると思います。もちろん端末は必要ですよ。でも、ネットワークが進化すれば、その端末も最低限の機能しか搭載しなくてもよくなってくる。アプリケーションはもちろん、OSすら搭載してない「Thin Client」が今後のビジネスシーンでの趨勢だと思いますが、そうなったのも、ネットワークとサーバが10数年前とは格段に進化し、お客さまがストレスを感じずに使えるようになったからだと思います。

ネットワーク事業部 IPネットワーク部 部長 伊藤 幸夫

今はどの企業も、自社のネットワークの中にサーバを置いていると思いますが、さらにネットワークが進化すれば、サーバがどこにあっても構わないわけです。サーバをネットワークが吸収するというか、ネットワークの中と外とを意識しなくても済むようになります。
もう少し時代が進めば、今の「LAN」と「WAN」という概念すらなくなって、大きくて安全なひとつのネットワークがある。それをどうやって使っていくか、ということになっていくのではないでしょうか。肝はハードではなく、アプリケーションです。アプリケーションがこれからどうなっていくか、これから注目していくことが、大切だと思っています。

NTTの目指す「NGN」はそれを利用するユーザにとって安定したスピード、高度なセキュリティ技術を持ち、リーズナブルな価格で使えるということが最大のメリットになります。また、サービスを提供する側にとっても、新たなビジネスチャンスを大いに含んでいます。NTTのネットワーク技術をオープンにすることで、多彩なユーザ認証が可能になったり、安定したスピードを活かした動画配信など、様々なコンテンツ提供のかたちが生まれていくことでしょう。12月から始まるフィールドトライアル、まだ未知数ではありますが、大きな可能性を含んだNGNの今後の動向から目が離せません。

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