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ICT用語ガイド
GUIDE 004 Web2.0

パート2 Web2.0が切り拓く新しいコミュニケーションの世界

ブログ業界のキーマンにインタビュー「ブログが作る新しいWebの時代」

シックス・アパート株式会社はブログソフトウェア「Movable Type(ムーバブル・タイプ)」と、統合ブログサービス「TypePad(タイプパッド)」の提供を二本柱に展開するブログ技術のリーディングカンパニーです。今回は同社の代表取締役である関信浩氏に「ブログが作る新しいWebの時代」についてお話を伺いました。

QWeb2.0に大きな注目が集まっていますが、これについてどうお考えですか?

シックス・アパート株式会社 代表取締役 関 信浩氏

言葉としては、今のWebの世界は「昔とは違う」ということを表すための、"キャッチフレーズ"くらいに捉えています。ただWeb2.0という概念はブログにもあてはまるものなのですが、ブログはWebの仕組みを大きく変えたものだと考えることができます。これまで個人が情報発信するためにWebページを作ろうと思えば、HTMLを覚えたり、専用のツールの使い方を覚えなければならず、決して気軽に使い続けられるものではありませんでした。ところがブログを使えばそのような煩わしい作業をせずに、簡単に情報を伝えることができるようになります。
また、ブログは、コメントやトラックバック、RSSなどの機能を持ったツールで、1つ1つの記事に固有のURLがつけられる「パーマリンク」などの仕組みをあわせ持っています。
Webの世界は、これらの機能や仕組みを加えることでどんどん広がっています。ですからブログは、既存のWebの世界を、誰もが簡単に多くのことを実現できる次世代型のものに切り替えたということができます。ブログという視点で考えるとわかりやすいと思いますが、Web2.0という言葉は、これからの時代の方向性を指し示す大きな概念ともいえるでしょうね。(関氏)

関氏が述べられたように、ブログには多くの機能が搭載されています。しかも、ユーザはこれらを意識することなく使っているのです。その1つの例としてRSSを挙げてみます。これまでは自分が書いた記事は誰かに発見されるまで読まれることはありませんでした。RSSが記事を更新したことを自動的に発信するため、誰かに見てもらえる可能性がグンと大きくなったのです。更新した記事の内容が遠くまで伝わることによって、フィードバックがおこなわれ、コミュニケーションが広がります。このような機能があるからこそ、Web2.0が注目されるのでしょう。

Qますます広がり続けるWeb2.0の世界と、多彩な機能を持つブログとはどのような関係にあるのでしょうか?

ブログの持つ仕組みについて話すと、その特徴は、「コンテンツの構造化」が簡単にできることです。構造化するメリットは2つ。1つは、「1テーマを1ページ」に絞ることで、テーマごとにURLを持つことができます。そのため個別のページごとにリンクしやすくなり、記事の再利用が簡単になりました。もう1つは、タイトル、本文などを書く欄を分けたテンプレートを用いていることです。記事のテーマはタイトルに付けられることが多いのですが、タイトルと本文は自動的に区別されます。こうすることで、ブログのページに書かれている内容が、機械にもわかりやすいように構造化されます。その結果、ブログは検索エンジンにひっかかりやすくなり、記事を読む人が増えます。コメントする、トラックバックするという、双方向的なコミュニケーションがさまざまな動きにつながり、Web2.0の世界がますます広がっていっています。(関氏)

コンテンツの構造化をしやすいブログは、検索エンジンにとってデータを発見しやすくし、情報の受け手が望んでいたものをもたらしました。情報を発信するブログと、それを受ける検索エンジンがセットになることで、発信側でもあり受け手側でもある私たちのチャンスを広げているのです。今後は、自分の性別・年齢・職業などを進んでインプットしておくことで、より自分が望む情報を取得できる技術が開発されることに期待がされています。それが実現されたときには、Web2.0の世界はさらに奥行きが広がっていくのです。

NTTコミュニケーションズの担当者にインタビュー「ブログサービスの行方」

当社のブログサービス「ブログ人」を担当している石井健太郎さんと河村明さんに「ブログサービスの行方」についてたずねました。

Qブログがここまで普及した背景には、どのようなことがあると思いますか?

コンシューマ&オフィス事業部OCNサービス部 担当課長 石井 健太郎 ブログが登場する以前から、日記サイトは人気がありました。ブログが登場したことで、より簡単に日記を書くことができるようになり、一気に広がったと思います。(石井)

コンシューマ&オフィス事業部OCNサービス部 サービス開発グループ 担当課長 河村 明 IT分野の知的リーダといわれる梅田望夫氏は、著書『ウェブ進化論』という本の中で「総表現社会」ということを書かれていました。誰もが、自分の表現を伝えたいという想い、コミュニケーションをしたいという欲求は絶対あると思います。その敷居をブログは下げました。さらにこれまでのリンクは一方的なものが多かったのですが、「ブログ人」であれ、他社のブログサービスであれ、トラックバックを使えば、双方向のコミュニケーションがあらゆる方向に広がっていきます。ブログが今後も大きく広がっていくというのは間違いないでしょう。(河村)

シックス・アパート社の関氏も同様の発言をされていましたが、今まではインターネット上で情報を発信するには、Webページを作ることができる技術が必要でした。ブログはその壁を取り壊し、誰もが参加できる世界を作ったのです。ブログを使うことは情報を発信するための近道ともいえるでしょう。今後も新しい技術によって多くの機能が提供され、ますますコミュニケーションが活発化されることが期待されます。

QISPの立場として、今後ブログに必要になってくるだろうと思われるサービスには、どのようなものがあると考えられますか?

今は「誰がその匿名記事を書いたんだ?」というようなことがありますが、情報の出方というのは非常に大切なことです。インターネット上でも、対話する環境というものは成熟していかなければならないと思っています。そのときは、より信頼を高めるための本人認証といった仕組みが重要になってくるでしょう。
例えばSNSの場合、友達との間であれば、ある程度安心してお話ができるので、流行しているのだと思います。今後はブログにおいても、「これはオープンに」「これは友達にだけ」というような仕切りがされるようなサービスが登場するでしょう。安心で安全な場を提供することは個人情報という観点からもすごく大切なことです。(河村)

インターネット上のデータは、よく「玉石混淆」と表現されるように、正しいものもあれば、そうでないものもあります。河村さんが言うように、本人認証がスタンダードなものとして、インターネットに組み込まれると、私たちはより安心して情報を活用できるようになるでしょう。
また情報の発信元をはっきりさせることにより、現在も横行しているインターネットの悪用を未然に防ぐことも可能になります。フィッシング詐欺やネットストーカーなどの犯罪はもちろんのこと、メールやトラックバックによる迷惑行為も少なくなるに違いありません。

Q今後はWeb2.0を使って、どのようなことが可能になると思いますか?

ブログが登場したことで、表現する人が増えたと同時に、ブログに書き込まれるデータも多種多様になりました。日々の行動を日記にしたものをはじめ、体重を記録してダイエットに活かしたり、何気なく撮った写真を集めておくことで行動分析をしたものなどがあります。そこにXMLを使って、データに意味づけをしておくと、検索されやすくなり、新たなコミュニケーションが生まれます。このようにデータが静的なものから動的にかわっていくことで、そこにビジネスのチャンスや、個人の可能性が拡がっていくイメージを持っています。(河村)

ブログという観点で考えてみれば、トラックバックできる対象が広がるでしょう。例えばレストランの個別のメニューなどにトラックバックできたらいいですね。グルメガイドなどで、お店を調べることはできますが、知りたいのはそのお店のオススメのメニューだと思います。個別のメニューに対してトラックバックがあれば、わかりやすいじゃないですか。こういうことで僕たちの生活はもっと豊かになるのだと思います。(石井)

将来的には、蓄積された情報の内容が、コンピュータにとって理解できるものに変わることで、新しい価値を含んだデータとなっていくと予想されます。それ以前では、人間には理解できても、コンピュータにとっては単なるデータにすぎませんでした。そこで新しい動向として、「マイクロフォーマット」と呼ばれるものが注目されています。これは、情報を入力する段階で、その意味づけをおこなうことを可能にしたフォーマットです。例えば、音楽のCDを紹介するときに、タイトル、アーティスト、曲名などを、標準化されたフォーマットからインプットします。そうすることで、データがあちこちのサイトに分散されていても、簡単にまとめることや検索することができるのです。このように、フォーマットの標準化が進むことで、より多くのコミュニケーションが生まれていくのです。

梅田望夫氏の『ウェブ進化論』の中から引用すると、米オークションサービスの大手であるeベイの創業者ピエール・オミディヤー氏は「Web2.0とは何か」という質問に対し、こう答えたそうです。
「道具を人々の手に行き渡らせるんだ。皆が一緒に働いたり、共有したり、協働したりできる道具を。『人々は善だ』という信念から始めるんだ。そしてそれらが結びついたものは必然的に善に違いない。そう、それで世界が変わるはずだ。Web2.0とはそういうことだ」

インターネットの中のコミュニケーションは、いまや特定の人にとっての特別なものではなくなり、成熟期を迎えました。多くの人が参加することによってリアルな世界のコミュニケーションに非常に近づいてきたといえます。さらにコミュニケーションが広がることによって、ビジネスのチャンスも生まれています。進化し続けるWeb2.0の動向から今後も目が離せません。

●NTTコミュニケーションズのICT関連サイト

●インタビュー関連サイト

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