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ICT用語ガイド
GUIDE 004 Web2.0

パート1 Web2.0で、大きく変わったインターネットのコミュニケーション

「Web2.0」という概念が注目を浴びるようになったのは、2005年11月に、オープンソース運動の推進役であるティム・オライリー氏が自身の論文『What is Web2.0』の中で紹介してから。この中でオライリー氏はWeb2.0を「明確な輪郭は持たず、他のものを引きつけるコアとして存在する」ものと定義しています。例えば、Googleが提供している「Google マップ」は、地図上にお店の場所などを誰もが自由に書き込みできます。こうすることで、地図としての付加価値を高め、さらに多くの人が利用できる「コア」になります。

例に挙げた「Google マップ」のように、人々の興味や情報をコアに引きつけるためには、コミュニケーションが不可欠です。Web2.0以前では、情報を発信するためにWebページを作成する際、発信側と受け手側のコミュニケーションを可能にするためには、通常、掲示板などを準備する必要がありました。しかも、その多くは、ページ全体に掲示板が1つあるという構造であったため、そのときに書き込まれているテーマと自分が発言したい内容にズレがあるなど、お互いの意思が通じないこともありました。

しかし、Web2.0の世界では発信した1つ1つの記事に対し、今度は読者が新しい情報を付け加えたり、修正するといったリアクションを起こすことができ、そこに双方向のコミュニケーションが発生します。
例えば、「日本のインターネット事情」について詳しく知りたいとしましょう。最初は検索エンジンを使ってインターネットの中から情報を集め、特定の記事を読みます。そのサイトがブログであれば、そこに「私が住んでいる地域の事情は、ちょっと異なります」というようなコメントを書くことができます。さらにはトラックバック機能を使って、相手のブログに自分のブログへのURLなどを表示させることも可能です。こうすることで、今度は違う誰かがその記事を読んだときに、元のページと較べて多くの情報が付け加えてあるものを読めるのです。このように記事の受け手が参加して、情報を検索・受信・発信・共有をすることにより、ループ上に情報が蓄積されていくスタイル。これがWeb2.0的なサービスといえるでしょう。

今までのようにデータやサービスを多くの人に提供するだけではなく、そこに不特定多数の人間が能動的に参加できる環境を公開することで、サイト自身が成長していく構造。そのような「ユーザを巻き込む自由参加型のスタイル」こそがWeb2.0という概念の本質なのです。

インターネットに新しい風をおこしたWeb2.0的なサービスは急速に広がっています。ここでは、Web2.0の方向性を示した5つのサービスを紹介します。

ブログ

これまではWebページを作るためにはHTMLという言語を用いる必要があったが、そのような専門的な知識を必要とせずに構築することができるサイト。簡単にWebページを作ることができるため、個人サイトとして使われることが多いが、最近はブログを開設する企業も増えてきている。
記事に対して受け手側がコメントを書くことができたり、他のブログに自分のブログへのURLなどを表示させることができる「トラックバック」と呼ばれる機能を持つ。さらに、書いた記事を時系列やカテゴリー別に分類できることも大きな特徴。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)

参加者が、ブログのように日記を書いて、知人に公開したり、興味があるテーマのグループに参加することで、人間関係を広げることができるコミュニティサイト。大きくわけて2種類のサイトがある。ひとつは、誰もが自由に参加できるサービス。もうひとつは、既存の参加者から招待された人が、今度は別の知人を招待することで、自動的にお互いの間に関係づけが行われるサイトである。日本では「mixi」が最も参加者数が多く、2006年3月には登録者数が300万人を超えた。

オンラインアルバム

デジカメで撮った写真をインターネット上に保存することで、自分以外の人にも閲覧してもらうことができるサービス。多くのサイトでは、ブログと同じようにコメントをつけることができる。さらには、写真を公開する対象を、すべての人、知人にのみ、と限定することも可能である。米サイト「Flickr(フリッカー)」が有名だが、日本ではカメラメーカがサイトを開設するケースや、「OCN フォトフレンド」や「Infoseek フォトアルバム」のようにISP(インターネット・サービス・プロバイダ)やポータルサイトなどが、サービスの1つとして提供している。また、「フォト蔵」などの写真共有の専門サイトもある。

百科事典サイト

不特定多数の人が参加し、協力して作成していくユーザ参加型の百科辞典サイト。複数の人が参加することで、記事が加筆・修正され、コンテンツの質を向上させていくことができる。その代表には、「Wikipedia(ウィキペディア)」がある。2001年5月頃から始まったとされる同サイトの日本語版には、既に20万本以上の記事が書かれている。さらに200を越す他の言語版にも多くの記事が存在する。

SBM(ソーシャル・ブックマーク)

ブラウザの「お気に入り」を自分のパソコンの中に登録するのではなく、インターネット上のサイトに情報を登録しておくことができるサイト。その結果、外出先からアクセスしたり、ほかの利用者と共有することができる。また、人気度やコメントがユーザによってつけられる。米サイト「del.icio.us」が有名だが、日本でも「はてなブックマーク」や「MM/Memo」など多くのサービスが立ち上がっている。

Web2.0が大きく広がった理由は2つあります。まず最初に挙げられるのが、通信環境。21世紀になり、ブロードバンドが普及したことで、多くの人が高速で常時接続の環境を手に入れることができました。それによって気軽にインターネットを使うことができ、現在では多くの人の生活の一部にとけこんだといえます。
もう1つは、ブログやAmazonの書評サービスなどに代表されるように、誰でも自由に参加できる場が提供されるようになったことです。発言することや、広がっていくコミュニケーションを楽しいと感じる人たちが増え、積極的にサイトに参加することはもはや特別なことではなくなりました。

このように個人が情報を気軽に発信できるようになったことで、より多くの情報がインターネット上に蓄積され、双方向のコミュニケーションが広がりました。その結果、口コミなどで多くの意見を集めることができるようになりました。最近では、企業が自社の商品やサービスの説明をするのに口コミを使ったり、消費者や利用者からの評価を集めるなど、プロモーションやマーケティングの分野でも注目を集めています。このことから、社会的にも、口コミの力が大きな存在に成長してきたといえるでしょう。今後は、コミュニケーションがどのような方向に広がっていくのか、という観点が必要になってくるのかもしれません。

▼Web2.0に関連する技術用語を解説

XML(eXtensible Markup Language) 読み方:エックスエムエル
新しいWeb時代のキーワードとなる言語
文章やデータに、コンピュータが理解できるように「タグ」と呼ばれる文字列で印をつけることで、データの意味や構造などを埋め込むことができるマークアップ言語の一種。Webページを制作するために用いられるHTMLとは違って、ユーザが独自のタグを定義することができるところが特徴。そのため、データがどのような意味なのか、どのような要素であるのかがわかる構造で、コンピュータ間のデータのやりとりが簡単にできる。
RSS(Rich Site Summary) 読み方:アールエスエス
更新した情報を発信する技術
Webサイトの見出しや要約などを記述するXMLベースのフォーマット。主にサイトの更新情報を配布することに使われる。RSSには、Webサイトのタイトル、アドレス、見出し、要約、更新時刻などを記述することが可能で、受け取り側はRSSリーダと呼ばれるソフトウェアを使って、多数のWebサイトの更新情報を一括して取得することができる。
Ajax(Asynchronous JavaScript + XML) 読み方:エイジャックス
既存の技術を合体させたWebアプリケーション
ブラウザで使用するのに適した簡易プログラム言語であるJavaScriptとXMLを組み合わせた技術。地図サービスを例にとると、これまでは表示されている地図の隣の部分を見たい場合は、再度読み込みが必要だったため、非常に時間がかかっていた。Ajaxを使って構築された「Google マップ」では、地図をドラッグすることで流れるように地図をみることができる。これはAjaxの技術によって、マウスのアクションから移動先を判断し、その周辺の地図も取得するというような、次の操作を先読みすることが可能になったためである。
API(Application Program Interface) 読み方:エーピーアイ
多くの人に使ってもらうために公開されたプログラム
ソフトウェアやWebページなどを開発する際に、誰もが使うことができるように準備してあるプログラムの集合体。通常、アプリケーションに機能を持たせるためには、プログラム言語を記述する必要があり、非常に手間がかかる。しかし、用途に応じたAPIを使用すれば、その機能を簡単に実現できる。例えば、自分のサイトにAmazonで販売されている商品を紹介したい場合、プログラムを作成してAmazonのサイトから情報を取得することは非常に困難である。しかし、Amazonが公開している「Amazon Web サービス」というAPIを使用すれば、商品の在庫情報や書評などの情報を取得することができるようになり、その情報を自分のサイトに表示させることが可能となる。

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