初めて海外でF1を観戦したのが、1978年にロンドン郊外のブラウンズハッチで開催されたイギリスGPでした。そのレースの前座ともいえるF3選手権に参戦するためにロンドンにいたわけですが、予選でクラッシュして失格になってしまいました。それで翌日のF1を観衆として見ることがきたのですが、その雰囲気があまりにもカッコよくて、華やかで・・・自分たちが日本でやっているレースとはまったく違う次元であることに驚きました。オープニングセレモニーには戦闘機が飛んでくるし、女王陛下はいらっしゃるし、ロールスロイスはたくさん停まっているし、まさに国を挙げての一大行事という感じでね。ただ単に速さを競うイベントというだけでなく、すべてが最高に思えました。
それまでは走ることに一生懸命で、自分が置かれている“場所”といものをあまり意識したことはありませんでした。それが、その雰囲気に圧倒されると同時に「この場所へ絶対に帰ってきたい。いや、帰ってくるべきだ」と強い思いを抱き、日本へ帰ったらもう一度仕切り直しをして、ここへ帰ってくるための努力を始めようと決意したんです。また同時に、モータースポーツに大きな敬意が集まっているのがわかり、自分がそれまでやってきたことに対する自信やプライドも生まれました。そこからF1への参戦を果たすまでに9年ほどかかりましたが、この経験がF1へのスタートラインだったのだと今でも思っています。
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