宮澤賢治『雨ニモマケズ』
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私が理想とする人間の姿は、宮澤賢治の『雨ニモマケズ』という詩の中にすべて描かれています。この詩は賢治が没後発見された手帳にあったもので、昭和6年ごろ、病に倒れ闘病中だったときに書かれたといわれています。私が講演に招かれたときは、必ずこの詩を紹介します。
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ 慾ハナク 決シテ瞋(いか)ラズ イツモシヅカニワラツテイル…」で始まり、「サウイウモノニ ワタシハナリタイ」で結ばれたこの詩は、まさにこの学園の子どもたちの姿だと思うんですね。彼らは欲しても欲張らず、怒らず、愚痴や文句もいわず、黙々と働きます。これが、本来人間が生きる姿だと思っています。
彼らは、知的ハンディはあるけれども、そのことをよく知っているのです。自己欲だけふくらんで、歪な人間が多々見受けられるいまの世の中において、彼らの存在は“宝物”といってもいいのではないでしょうか。 |