『人生論』
この本を初めて読んだのは中学時代。いろいろな本を読んでいたあの頃は、読み物に素直に感化された時代でもありました。『人生論』のなかの一文で、今でもひとつのモットーになっているのが、「私たちの人間の生きる目的のひとつは、人類の過去の遺産・文化を先祖から受け継ぎ、それを後生に残し、伝えることだ」という一説。実はさらに読み進むと、「受け継いだ遺産・文化に、何かを付け加えて伝える」という趣旨のことも書いてあります。
それを読んだときに、「これぞ自分が目指すべきことだ!」と思いました。そして、それを実行するために自分にとって一番ふさわしい職業は何かと考えて出た結論が『研究者』でした。なんとなくですが、子供心にそのとき初めて自分の進路が見えた気がしたんですね。
大人になってふと読み返したことがありますが、あらためて読んでみると文章はくどいし、青臭くて気恥ずかしいことを書いていますよね(笑)。でも、くどくど書いてあるということは、何度も繰り返し説明してくれているということですから、多感な中学時代にこそ、ぜひ読んでもらいたい1冊ですね。
(新潮文庫) |