「Business ADVANCE」は法人のお客さまに毎月お届けしている冊子をベースにしたWebマガジンです。冊子のお申し込みはこちら

リーダー戦略考
取材の舞台裏

このページは、Business ADVANCEの取材を通してのこぼれ話や裏話など、記事では紹介していないサイドストーリーをお伝えしています。

立川 志の輔氏取材レポート

「志の輔らくご」を初体験

会場の廊下に張り出された本日の演目。

会場の廊下に張り出された本日の演目。

 立川志の輔師匠へのリーダー戦略考取材に先立ち、誌面で使用する写真をお借りするため、志の輔師匠の事務所「オフィスほたるいか」を訪れました。その際に、事務所スタッフさんから「もし、志の輔の落語を見たことがないのなら、取材を前にぜひご覧になったらいかがですか」というアドバイス。

 こうして私たち編集スタッフは、急遽、「志の輔らくご」を初体験できることとあいなったのです。

従来の寄席のイメージとは大違いの大盛況

 時は2006年11月21日(火)、場所は新宿明治安田生命ホールにて「志の輔らくご 21世紀は21日」が行われました。

 18時開場だというのに、すでに30分以上も前からお客さんが並んでいます。実は当日券を購入するためのお客さまだったのですが、落語を観るためにチケット売り場で並ぶほどの人気とは!。志の輔らくごへの期待はいやがうえにも高まってきました。

とにかくオモシロい!やっぱり落語はライブに限る

2006年の「志の輔らくご」はこの公演をもって幕を閉じました。

2006年の「志の輔らくご」はこの公演をもって幕を閉じました。

 志の輔師匠の当日の演目は2演目。

 最初の演目は、創作落語「踊るファックス」。親切心から行った行動でも、他人は必ずしもそうは思ってくれないこともあるというのが噺のテーマ。間違って送信されてきたある女性からのファックスが、平和な薬屋家族を大騒動へと巻き込んでいくというストーリー展開なのですが、志の輔師匠は、「薬屋のご主人」「その奥さん」「その息子」「知り合いの印刷屋」、そして「謎の女性」と「その父」とが織り成すドタバタ振りを見事に演じきっていて、とにかく抱腹絶倒の初「志の輔らくご体験」でした。

 ゲスト出演・松元ヒロ氏のパントマイムに続いての演目は、「紺屋高尾」という古典落語。遊び一つ知らないうぶで真面目な職人・久蔵が、吉原随一の人気花魁の高尾太夫に一目ぼれ。以来、頭から離れなくなり恋わずらいの身に。久蔵は高尾太夫に一目会うために、給料の3年分を貯めることを決意するが・・・オチはご自身でお聴きになってのお楽しみ。いわゆる「廓話」なのですが、遊郭やら花魁やら、当時の風俗についての勉強にもなるのが落語の優れたところ。そして、なんといっても、落語を聴いて「涙がちょちょぎれそうになる」なんて、嘘のようだけどホントのこと。

 こうしてすべての演目が終了し、出演者一同によるカーテンコール(?)。鳴り止まぬ拍手のなか、最後は観客も一体となっての三本締めでお開きに。「目黒のさんま」ではありませんが、「落語はライブ」に限ると認識させられた一日でございました。

立川志の輔師匠インタビューを終えて

立川志の輔師匠

 11月22日、人気TV番組「ためしてガッテン」の収録前のお時間をいただき、NHKの楽屋にて志の輔師匠へのインタビューを行いました。インタビュー前日は 2006年最後の公演日。しかも、なんと当日は39度近い熱をおして落語をされていた志の輔師匠。カーテンコールでその告白をお聞きしたとき、正直、明日の取材インタビューは予定通り行えるのだろうか、いや、取材にはご対応いただけても、すごくご機嫌斜めだったらどうしようかと一抹の不安が頭をかすめました。

 取材当日、お約束の時間から待つことしばし、昨日の和装とは打って変わって黒い革ジャンにマフラーを巻いて登場した志の輔師匠。「お待たせしてすいません」というその声はガラガラにかすれ弱々しく、こちらを見つめるその目は充血しており、取りも直さずそれは“絶不調”のシグナル。

立川志の輔師匠

 昨夜の高座のテンションとはまるで別人(当たり前か!)の姿を前に、恐る恐る今回のテーマである“コミュニケーション”について質問をぶつけてみました。すると、ひとつひとつ頭の中で考えを整理し、紡いだ言葉を構築するかのように、腕を組みしばし黙考。そのまま寝入ってしまうのではないかと思うか思わないかのタイミングでいざ口を開けば、あとは立て板に水のごとく、志の輔流回答が始まりました。落語界に入ったきっかけや落語との対峙、立川談志師匠への想いなど、前夜の寄席を観るかのごとく絶妙な話術で語っていただけたのです。誌面の都合で残念ながら割愛させていただいた話もありますが、あらためてプロの噺家の会話術の凄さを体感できたインタビューでした。