I. 業 績 の 概 況 

(1) 当社を取り巻く環境
 
インターネット及び携帯電話の爆発的普及、音声通信からデータ・IP通信へというテレコムマーケットの構造変化は、2000年度、更に世界的に加速し、“IT革命”は文字通りグローバルな現象となりました。
 その一方でアメリカ経済の低迷から波及した世界経済の減速傾向を背景に、世界のテレコムマーケットでの生き残りをかけた競争は一層激しさを増しています。AT&T、BTをはじめとするincumbent型キャリアが音声からデータ・IPへの構造変革に苦闘する一方、アメリカ、アジアを中心に新興のドット・コム企業の“クラッシュ”が連続して起きた1年でしたが、そうした中でインターネットは着実に私たちのビジネスへの取り組み方やライフスタイルを変えつつあるように思われます。
 また、日本国内マーケット固有の問題としては、マイライン(電話会社選択サービス)登録が始まり、縮小傾向の電話マーケットでの値下げ、サービス競争が本格化しています。


(2) 当期の営業方針
 このような事業環境の下、今期当社は2000年3月に発表したIP Centricな新しい事業ビジョン(“.com”宣言)に基づき、グローバルな規模でのIPサービスの提供能力強化を最大の目標として事業を展開してまいりました。さらに、当期半ばには、米国のVerio(ヴェリオ)社の買収を実施し、米・欧IPマーケットでの確固たる足場を築くとともにアジア太平洋地域でより付加価値の高いIPネットワーク、IPプラットフォームなどの提供が可能となりました。このVerio社買収を契機として、“Global IP Company”を早期に実現するという形で当社の経営目標をより明確なものとしました。この“Global IP Company”というゴールを2002年度までに達成するため、サービスのIP化を積極的に推し進めるとともに、業務プロセス、営業チャネル、人材等の主要経営課題についても併せて変革を実施していくこととしました。
 一方、2001年5月に開始予定のマイラインについては、これを単なる電話サービスの選択とは位置づけず、お客さまにエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズをお選びいただくための、当社の総合力、ブランド力を問われているものと捉え、他社に引けを取らない料金レベルをお客さまにご提供することに加え、新しいサービスの導入、市内から国際までの一貫サービスの提供、お客さまをサポートする充分なコンタクトチャネル、カスタマーケアの体制作りなどお客さまに安心してご利用いただける総合力強化に努めました。


(3) 当期の営業成果
 
上記の営業方針のもと、“Global IP Company”の中核コンセプトである“e-theater”の関連サービスをグローバルな規模で展開するとともに、コンシューマユーザの方々には、新たな料金値下げ、割引サービスの提供に加え、市内から国際までの一貫サービス、当社のインターネット接続サービスOCNとのセットサービスなど新しいサービスを提供しました。
 また、社会での情報リテラシーの向上とインターネットの更なる利用促進を図ることを目的として、“インターネット検定”制度をスタートしました。
 このように事業全体としては、“Global IP Company”への転換の基礎固めができました。具体的な営業成果などは次のとおりです。

(ア)“e-theater”関連サービス
 IP技術をベースとした様々なコミュニケーションサービスを当社は“e-theater”というコンセプトでまとめ、お客さまにご提供しました。これは、IPネットワーク、グローバルデータセンター、プラットフォームまでを劇場の舞台にたとえたものです。当社の提供するこの舞台の上で、お客さまに存分に新しいビジネスモデルやライフスタイルを創造し、またenjoyしていただきたい、と考えたからです。

[1] IPネットワーク

[個人のお客さま向けサービス]
 個人のお客さまへのIPサービス提供の基盤となるOCNサービスについて、多彩な新サービス、料金メニューをご提供しました。OCNダイヤルアクセスについて、定額料金で時間制限なくインターネットをご利用いただける「OCN ダイヤルアクセス・フラットプラン」を追加、電話代込みのお得な「OCNダイヤルアクセス・コミ・デ・プラン」には、短時間利用のご要望にお応えした「コミ・デ・400」を追加しました。また、映像・音声・ゲームなどの大容量コンテンツを快適に利用することが可能となるADSLサービスをアクセス回線として利用したインターネット接続サービス「OCN ADSLアクセスサービス」の提供を開始したほか、「OCN PCパック」のラインアップの追加など、より利便性の高いサービス提供に努めました。

[法人のお客さま向けサービス]
 法人のお客さまには、次世代IPネットワーク技術「MPLS」(マルチプロトコルレベルスウィッチング)を用いて高セキュリティーを確保する高速・高品質な「IP-VPNサービス」を提供開始し、MNCs(マルチナショナルカンパニーズ)ユーザー向けには世界最大級のカバレッジ(提供地域52ヵ国)を持つ「ArcstarグローバルIP-VPN」の提供も始めました。また、企業のIT化を総合的にサポートするため、「OCNメール&ウェブ」を提供開始するなどホスティングサービスの充実を図るほか、スーパーOCNとシスコ社のルータ及び保守などをセットにした「OCN Ciscoパック」の提供を開始しました。さらには、急速に高まっているブロードバンドニーズにお応えするため、OCNスタンダード等の値下げ、スーパーOCNライト等のアクセスポイント拡大などお客さまの利便向上につながる取り組みも実施しました。

[2] グローバルデータセンター
 自社のコアビジネスに経営資源を集中しIT業務を専門業者に任せたいという企業のニーズにお応えするため、コロケーション、ホスティング、フルアウトソーシングなどをワンストップで提供する「データセンターサービス」を国内、海外で順次開始しました。米国Verio社、アジアの当社現地法人、現地パートナーとの共同展開を加え、2000年度末まで、国内、海外であわせて100拠点以上でサービスを提供しました。

[3] プラットフォーム
 先進的なサプライチェーンマネジメントやネット上での業界横断的な取引などお客さまのあらゆるドットコムのニーズに対応する各種ECプラットフォームの提供を次々に展開しました。
“.com Market”サービス [オンラインショップ構築支援]
“電子カタログ編集配信”サービス[Eコマース用電子カタログ編集配信]
“CADコラボレーション”サービス [3次元データの協調設計支援]
“Web認定保証システム”サービス [オンラインショップ認定マークの正当性保証]
“e-コンテナ”〔ディジタルコンテンツを安全・確実・効率的に配送〕
“ApparelArc(アパレルアーク)” [ファッションビジネスのプロセス標準化]
“.com Co-Buy”〔ネット上で多数のバイヤ、サプライヤーが取引〕
“.com Exchange”〔情報流通インフラとしての次世代情報交換ネットワーク〕



(イ) Arcstarデータネットワークシリーズ
 お客さまの多様なご要望にお応えするため、国内・国際サービスのシームレス化を実現し、「スーパーリレーFR」「スーパーリレーCR」及び「ATMメガリンク」「高速ディジタル専用サービス」など各サービスでの高額利用割引の適用範囲を拡大するとともに、複数のサービスのご利用料金を合算した高額利用割引を開始し、更に「Arcstar国際高速ディジタル専用サービス」の提供対地にイタリア、ハワイ、グアムを加え、使いやすいネットワークを実現するサービス提供に努めました。
 また、今後ますます増加が見込まれるアジアパシフィックエリア及び米国との間の通信需要に対応するため、現在最新技術による光海底ケーブル(ASIA-AMERICAネットワーク、日韓ケーブル)の建設をパートナーと推進しております。


(ウ)電話サービス
 マイラインでお客さまに当社をお選びいただけるよう、他社に引けをとらない料金水準の設定、インターネット時代にふさわしい新サービス提供、カスタマー・チャネルの強化を行いました。
 県間・国際通話料金値下げを実施するとともに、市内から国際までトータルでサービスを提供して欲しいというお客さま(特に法人のお客さま)のご要望にお応えするため、東京都、愛知県、大阪府において、県内(県内市外・市内)電話サービスを2001年5月1日より提供開始することを発表しました。これによって市内から国際までの一貫した電話サービス提供ができるようになりました。
 また、「0033」国際電話1周年感謝特別料金によるご提供をしました。
 さらに、市外(県外)通話・国際通話の1ヶ月の合計額が一定額以上の場合、その通話料について割引を提供するサービス「ホーム・オフィス割引」、複数の契約回線の市外(県外)通話・国際通話料金を、1ヶ月の合計額に応じ、割引を適用するサービス「ビジネス割引」の提供を開始しました。また、ご利用実績に応じて、様々なメリットを受けられるコンシューマ向けサービス「コーレージサービス」の提供を開始するとともに、ビジネス向けサービスとしてご利用期間に応じて割引率がアップする長期割引の提供も開始しました。“eコールサービス”、“コミュニケーションズスクエア”などの電話サービスとインターネットサービスを組み合わせた新しいサービスも開始しました。


 以上の営業活動の結果、当期の営業収益は1兆3,555億円(前期比26.1%増)、経常利益は816億円(前期比36.1%減)、当期利益は422億円(前期比42.0%減)となりました。
 

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