2016年ダイアログ

私たちは、さまざまなステークホルダーとの対話の機会を設け、コミュニケーションを深めるべくダイアログを実施しています。
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世界の潮流を捉え、加速する、
NTTコミュニケーションズのCSR

世界の潮流を捉え、加速する、NTTコミュニケーションズのCSR

2016年、私たちは、基本方針ならびに中期的な活動目標を刷新し、CSR活動の更なる推進を図りました。今回は、CSOネットワーク黒田かをり事務局長を対談者にお招きし、その意義と今後への期待を展望いただきました。

刷新されたCSR活動体系。その背景と目指すもの
黒田:
2016年は、御社にとって、CSR活動体系の刷新を行なうという大きな節目の年であったと拝察します。私も助言を行う立場で参加しましたが、その内容は、社会と御社とのかかわりを多面的に見据えた意欲的なものであると感じました。今回の刷新の背景、並びに目的とは、どのようなものでしょう?
田中 栄一 NTTコミュニケーションズ 常務取締役 CSR委員長
田中:
従前、私たちは2011年に策定した現在のCSR活動目標に即したPDCAを実践し、成果をあげてきました。しかし策定から5年を経て、私たちを取り巻く事業環境も変化しました。時代の変化を柔軟に捉え、社会の期待に沿ったCSRを加速する。これが今回の刷新の目的であり、私たちの思いです。
刷新の背景として、私は、3つの要素を挙げたいと思います。第一に、事業のグローバル化の加速です。経済のグローバルシームレス化をうけ、私たちの事業も今や196の国・地域で展開しています。結果、従来に増して多様なステークホルダーの皆さまと接する機会が増え、果たすべき責任も重みを増しています。

第二に、持続可能な社会の実現へと国を超え取り組むという世界的な機運の高まりがあります。環境問題では気候変動への適応と抑制を目指すパリ協定が発効する一方、より包括的な社会課題の解決に向けた国連「持続可能な開発目標(SDGs)」への賛同・参画が世界各国で加速するなど、世界は大きな局面を迎えたと考えています。特にSDGsについては、NTTはグループを挙げた参画を表明しており、私たちも取り組みを加速させるべく、検討を続けています。

第三に、事業ビジョンの刷新です。私たちは今般、2020年にむけた経営ビジョンの策定を行いました。新ビジョン ”Transform. Transcend.” には、グローバルなICT企業として、社会の情報インフラを支え続ける私たちの使命感、社会に新たな価値を創造し続ける決意が込められています。言い換えるなら「安心で快適、豊かな社会の実現」へとグループ全員で挑むことこそ新ビジョンの目指すものであり、CSRの理念とも調和しています。
これら3つの要素を背景に刷新されたCSR基本方針および中期活動目標は、端的には「社会への価値創造」と「社会に対する責任の徹底」に一人ひとりが自発的に取り組むための指針であり、ここが最も強調したい特徴ともいえます。
黒田 かをり 一般財団法人CSOネットワーク 事務局長・理事
黒田:
現在、企業には、社会に対する「プラスの影響の最大化」と「マイナスの影響の最小化」を目指し、全員参加で取り組むCSRが求められています。常務のご指摘は、この期待にそったものといえます。それでは、新たなCSR基本方針と、中期戦略について、ポイントをご説明いただけますでしょうか?
田中:
まず、新たなCSR基本方針は、従来の「社会」「環境」「人材」に加え、それらを貫き、基盤となる「経営統治」を加えた4つの要素で構成しました。同時に、それぞれの領域で「私たちが何を目指すか?」を、社員がイメージできるよう「社会への貢献」「人材の尊重」「地球環境への貢献」「経営統治の継続的強化」という明快な言葉で表現しました。一方、新たな中期目標では、上記の4要素を「重点領域」と定め、各々の具体的なアクションとして詳細な「重点活動項目」群を設定。今後のPDCAの基本要素としました。より詳しくはCSR報告書をご覧いただければと思います。
多彩な実を結ぶ、コムならではの価値創造
黒田:
4つの重点領域とも、「価値創造」と「責任の徹底」に向けた重点活動項目が多面的に盛り込まれている点を評価したいと思います。また、「価値創造」については、「事業の収益性の改善」と「社会課題の解決」という、両立が難しいテーマへと意欲的に取り組むものであり、今後の成果が楽しみです。
田中:
ご指摘の通り、両立は決して容易ではなく、日々、模索を続けています。既に成果も結実しつつあります。例えば「社会への貢献」領域では、IoT(モノのインターネット化)やAI(人工知能)といったICT企業ならではの先進技術を活用したソリューションを開発し、より良い社会の実現へと貢献しています。2016年10月より提供を開始したコミュニケーションエンジンCOTOHA(コトハ)は、自然な日本語を高い精度で理解し、必要な情報を自ら聞き出すといった“人間らしい対話”ができるAIであり、人材確保が課題となりつつあるコンタクトセンターでの活躍が始まっています。また「地球環境への貢献」領域では、低炭素化を徹底した最先端のデータセンターサービスを世界150拠点で展開することで、自社はもちろん、お客さまひいては社会全体の低炭素化へと貢献しています。「人材の尊重」領域では、女性がライフステージに即し継続的に勤務できる仕組みの構築を長年にわたり実施しており、この成果が評価され、女性活躍推進法の優良実践企業へと付与される「えるぼし」認定の最高位を取得することができました。
グローバルに責任を果たすため、視座を共有し、挑戦を続ける
黒田:
いずれも御社ならではの素晴らしい成果だと思います。今後は、グローバルな事業拡大をふまえ、これらの成果、価値観を海外グループ会社へと一層共有し、グローバルな価値創造を加速いただくことを期待します。同時に、海外グループ会社へのCSR浸透を考える上で、「責任の徹底」も等しく重みを増すことを、改めて認識いただきたいと思います。例えばサプライチェーンにおける人権尊重の徹底や調達慣行の公正化は、御社のようなグローバル企業だからこそ担える先導的な役割があります。CSR活動をサプライチェーン全体で推進するという考え方は、世界の様々なイニシアチブが提唱する重要な課題であり、日本企業もまた、その視座にたった取り組みの必要性が高まっています。
田中 栄一 NTTコミュニケーションズ 常務取締役 CSR委員長
田中:
グローバルな視座でのCSR活動の強化は、新たなCSR基本方針ならびに活動目標のグループ共有・浸透と並ぶ、私たちのCSR活動のグローバル化に向けた重要なミッションです。世界的なCSRの現場に精通された事務局長が特に必要性を感じる、日本企業が意識して取り組むべきテーマには、どのようなものがあるでしょう?
黒田:
まず上記の人権尊重と調達慣行は、相互にかかわりあった重要なテーマと言えます。また、人権尊重とダイバーシティも、その関わりを深めながら、その重要性を高めつつあります。より御社の事業に近いテーマとしては、企業のコミュニケーションや広告が子どもの権利を侵害しないものにする責任にも注目しています。いずれも、経済のグローバルシームレス化、事業活動のボーダレス化といった潮流の中、世界各地へと展開を続ける日本企業にとり、より身近となりつつある課題ではないでしょうか。
田中:
おっしゃる通りですね。ご指摘いただいた諸課題については、私たちも、グループ全体で取り組みを進めており、今後一層、推進してまいります。ご存じのとおり、世界の社会・経済環境は多様であり、地域に根差したCSRの推進と、グループ横断での価値観の共有に向け、明快で普遍的な視座を定めることの重要性を、日々痛感しています。これは私たちグループ内部だけでなく、ビジネスパートナーやNPO、地域の方といった、多様なステークホルダーとのより良い協働を実現するためにも、必要であると考えます。
黒田 かをり 一般財団法人CSOネットワーク 事務局長・理事
黒田:
常務の問題意識は、SDGsの理念や価値観と通じる部分が大きいですね。多様なステークホルダーが明快に共有できる、SDGsの17のテーマ群には、循環型社会の実現やサステナブルな街づくりなど、御社が取り組まれている活動との共通項が多く存在しますし、社会のニーズから新たな事業を模索するという御社の基本姿勢にもマッチすると思います。是非、グローバルなCSR活動の推進へと活かしていただきたく思います。
田中:
NTTグループのロールモデルとなれるような成果を挙げたいですね。これからもご助言を賜りますよう、お願いいたします。

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